インターネット利用環境醸成推進 次年度の方向性など議論 全道協議会開き取組報告―道教委
(道・道教委 2016-03-02付)

インターネット環境醸成事業
「発達段階ごとのルール設定が必要」などの意見が出た

 道教委は二月二十五日、札幌市内かでる2・7で「望ましいインターネット利用に向けた環境醸成推進事業」第三回全道協議会を開催した=写真=。大学教授や学校関係者などの委員約十人が出席。研究協力校や青少年教育施設の取組を報告し、「生徒が主体的に生活をコントロールする力が身に付く取組を進める」など、次年度事業の方向性について話し合った。

 文部科学省委託事業であり、ネットの過度の利用による睡眠時間や学習時間への影響など、生活習慣に関する課題の解決に向け、子どもや保護者の意識の変容を図り、ネット利用を含めた望ましい生活習慣にかかわる機運の醸成を目指している。

 中学校・高校の十四校からなる研究協力校における生活習慣改善プログラムと、三つの青少年教育施設を活用したプログラムの二つを柱に取り組んできた。

 今回の全道協議会で実践報告し、次年度に向けた改善点などについて話し合うこととした。

 冒頭、阿部武仁生涯学習課長が「これまで開催した協議会における委員の意見や提案を協力校等における実践に反映し、事業を円滑に進めることができた。二ヵ年計画で進める予定であり、来年度の事業展開の方向性について、きたんのない意見を出してほしい」と呼びかけた。

 このあと、事務局が青少年教育施設を活用したプログラムの実践を報告。ネイパル砂川では、様々な雪遊びに親子で取り組んだほか、親学講座では、子どもたちの生活習慣の乱れやメディアの影響などについて話し合った。

 ほかの二施設の取組も踏まえ、今後のアプローチとして、①通信事業者と連携した取組と読書を通した体験活動において、コミュニケーションの重要性を学ぶため、児童等を送迎する保護者の待機時間や空き時間を活用する②自然体験や宿泊体験を通して、学習・運動・食などの生活習慣や望ましいネット利用の在り方を学ぶため、児童等と保護者がともに宿泊して実践する③子どもへの接し方を考え実践するため、メディアの適切な利用をテーマとする生活習慣支援員を活用した普及啓発のため、児童が別の取組をしている時間を活用する―こととした。

 また、研究協力校のうち、別海町立中春別中学校と富良野高校の事例を報告した。

 中春別中では、保護者や教職員向けの「メディアコントロール」に関する講演会を実施したほか、生徒会執行部が中心となって、スマートフォンの正しい使い方や睡眠時間などの生活リズムの三行詩を募集。

 「小中学校が連携して、子どもの生活習慣づくりに関する取組を進めることが重要であり、学校・家庭・地域が育てたい子ども像を共有し、連携・協働して教育活動を展開する仕組みづくりを支援する必要がある」と方向性を示した。

 富良野高では、スマートフォンの使い方についての講演会や各クラスのホームルームで、スマートフォンの使い方に関する討議を行い、望ましい利用方法を考えた。「高校生活がどうあるべきかといった、生徒が生き方の本質について話し合う意義深い機会となった」と成果を挙げた。

 また、研究協力校の一年生と保護者に対する実態調査等の結果も報告。次年度の同事業では、中高生や保護者に普及啓発するだけではなく、生徒自身に調査結果を考えさせる機会を設け、主体的に生活をコントロールする力が身に付くための取組を進めることとした。

 委員からは、「睡眠とネットを分けて考える必要があり、睡眠について教育することも大切」「発達段階ごとのネットに関するルール設定が必要」などの意見が出された。

(道・道教委 2016-03-02付)

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