子が輝く学校づくりを 五十嵐会長あいさつ概要―道特別支援学校長会理事研
(関係団体 2016-03-10付)

道特長理事研五十嵐利裕
あいさつする五十嵐会長

 道特別支援学校長会の二十七年度第二回理事研究協議会(七日、道庁別館)における五十嵐利裕会長=写真=のあいさつ概要はつぎのとおり。

     ◇

 本年度を振り返ると、スクールバスの運行や学校給食への異物混入、児童生徒の人権尊重など、学校の安心安全、信頼に関することや、管理職の大幅な交代期に当たってのミドルリーダーや管理職後継者の育成、後期中等教育段階における特別支援教育の改善充実に関すること等々、多様な課題があった。

 道特長会としては、組織改編を行い支部長会議を新たに設けたり、情報共有を一層充実させるなど、諸課題に対して、組織として機能性を向上させる取組を進めるとともに、力量を高め、課題解決に当たってきた一年だった。

 本日は、この一年間の活動を総括し、次年度に向けた構想を確認していきたい。

 午前中の代表校長会議では、道教委関係各課から、現在、課題となっている諸事項について説明いただいた。しっかりと情報を共有し、改善に向けた方向性を確認したい。

 また、次期の「特別支援教育に関する基本方針」の策定や、本日説明いただかなかった事項についても、あらためて場を設けていただくなど、学校現場の状況を十分に理解いただきながら、本道の特別支援教育の充実に向けて、ともに歩を進めていきたい。

 午後の研究協議では、本年度の総括を踏まえ、新年度活動計画の仮案を検討いただくが、その背景ともなる教育の動向をいくつか確認する。

 国においては、中央教育審議会において、学習指導要領の改訂作業が進められている。小中の総則や各教科の指導の中にも特別支援教育がふれられるようであり、ポイントは、「学びの連続性」と「開かれた教育課程」にある。検討の中では、「ボランティアにも分かる教育課程」という話題もあったとのことである。

 また、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催等を契機とした、共生社会の形成に向けた障がい者理解の促進も進められている。全特長のメールマガジンにあったように、現在、スポーツ庁によって、「特別支援学校等を活用した障害児・者のスポーツ活動実践事業」について、企画競争を前提とする公募が行われている。全特長でも、オリパラ特別委員会の設置に向けて、すでに準備委員会を開催し、総会での提案に向けて準備を進めている。

 本道の特別支援学校においても、直接これらの事業を活用できるかどうかは別として、五輪を契機とするスポーツを通した障がい児・者の理解促進と、当事者のスポーツ・文化活動の充実に向けた取組を、現行事業も活用しながら進める必要がある。

 四月から施行される「障害者差別解消法」については、道教委から職員対応要領が発出され、「職場研修の講師依頼は、学校教育局特別支援教育課、または、最寄りの道立特別支援学校までご連絡ください」と大変大きな吹き出しで示されている。センター的機能を有する特別支援学校として、「障がいの特性の理解と、特性に応じた対応についての研修」に関して、依頼に応じ、期待に応えていきたい。

 本道の教育行政については、二月の第一回道議会定例会で、二十八年度の執行方針が示された。

 特別支援教育については、共生社会の形成に向けて、幼小中に加え高校等においても、発達障がいを含む障がいのある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導や支援の充実が述べられている。

 高校等については、中教審においても、「高校における通級による指導の制度化および充実方策について」の論点整理が出され、本道における研究指定校の取組も踏まえ、後期中等教育における連続性のある学びの場について、道特長会として施策の充実にかかわっていきたい。

 最後に、広報から配信された直近の「旬情報」で、岩見沢高等養護の表現写真部が二十七年度岩見沢市教育実践奨励賞をいただいたという知らせがあった。毎年、学校経営にかかる多様な課題はあるが、子どもたちが輝き、特別支援学校での学びに自信と誇りをもって活躍できる学校づくりに、引き続き、組織として取り組んでいきたい。

(関係団体 2016-03-10付)

その他の記事( 関係団体)

第33回全道PTA広報紙コンクール 今後も楽しんで活動を 80点入賞―道P連が表彰式

全道PTA広報紙コンクール  道PTA連合会(佐藤彰会長)は十日、札幌アスペンホテルで第三十三回全道PTA広報紙コンクールの表彰式を挙行した。札幌市を除く道内の小中学校から百八十九点の応募があり、八十点が入賞。大賞には...

(2016-03-15)  全て読む

札私幼が27年度臨時総会開催 教職員の資質向上を 運営方針、重点目標など確認

札私幼27年度臨時総会  一般社団法人札幌市私立幼稚園連合会(=札私幼、前田元照会長)は二月下旬、ホテル札幌ガーデンパレスで二十七年度臨時総会を開催した=写真=。運営方針や重点目標、事業計画などを決定。教職員の資質...

(2016-03-14)  全て読む

道小・道中が時間外勤務にかかわる実態と意見取りまとめ CS導入等の縮減効果期待 調査結果踏まえ道教委が対策検討

 道小学校長会と道中学校長会は、それぞれ「時間外勤務にかかわる実態と意見」をまとめた。中では、人的配置の必要性を示しているほか、コミュニティ・スクール(CS)の導入、チーム学校の早期実現、部...

(2016-03-11)  全て読む

道特協第2回在札理事研 資料の効果的な活用を 道教委特別支援教育課・伊藤主幹が講話

道教委特支教育課伊藤友紀  道特別支援学級設置学校長協会(=道特協、髙村誠会長)の本年度第二回在札理事研修会(四日、ホテル札幌サンプラザ)では、道教委特別支援教育課学校教育指導グループの伊藤友紀主幹=写真=が講話を行...

(2016-03-11)  全て読む

道特協が第2回在札理事研修会開く 新年度の活動方針等審議 髙村会長再任、総会に推薦

道特協在札理事研修会  道特別支援学級設置学校長協会(=道特協、髙村誠会長)は四日、ホテル札幌サンプラザで本年度第二回在札理事研修会を開催した=写真=。五月開催の総会に提案する新年度の活動方針・重点などについて審...

(2016-03-11)  全て読む

道特別支援学校長会が理事研 組織としての活動を充実 五十嵐会長の再任を決定

道特長理事研  道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)は七日、道庁別館で二十七年度第二回理事研究協議会を開いた=写真=。二十八年度活動計画案などを検討したほか、五十嵐会長の再任を決めた。五十嵐会長は「管理職...

(2016-03-10)  全て読む

北教組石狩支部が年次大会開く 新支部長に杉浦氏選出 スローガン・運動方針決定

北教組石狩支部年次大会  北教組石狩支部(髙橋潤一支部長)は二月二十六日、札幌市内の道教育会館で二〇一六年度年次大会を開催した。「平和憲法・“四七教育基本法”の理念に基づき、“教え子を再び戦場に送るな”の決意のもと...

(2016-03-10)  全て読む

道高教組2016年度運動方針

 道高教組第百十八回定期大会(五・六日、札幌市内かでる2・7)で決定した二〇一六年度運動方針の概要はつぎのとおり。 【運動の基調】 ▼「教え子を再び戦場に送るな」「職場に自由を 教室に真...

(2016-03-09)  全て読む

道高教組の新年度役員 國田委員長を再選 新書記長に関原氏

 道高教組第百十八回定期大会(五・六日、札幌市内かでる2・7)では、役員改選を行い、國田昌男中央執行委員長を再選した。また、関原文明新書記長、菱木淳一新書記次長を選出した。  二〇一六年度...

(2016-03-09)  全て読む

道高教組が定期大会開く 主権者教育の積み重ねを 2016年度運動方針を決定

道高教組定期大会  道高教組(國田昌男中央執行委員長)は五・六日、札幌市内のかでる2・7で第百十八回定期大会を開いた=写真=。「教職員を分断し、〝管理・統制〟の教育を押しつける教育政策に対峙し、職場で〝配る〟...

(2016-03-09)  全て読む