市町村の効率的な部活動指導推進で道教委が初の取組 全国の実践事例集発行へ 外部指導者派遣や人材リスト作成など(道・道教委 2016-03-29付)
道教委は、市町村教委による運動部活動支援の実践事例集『効率的な部活動指導の推進』(案)をまとめた。市町村教委における域内の学校への部活動支援の充実のために初めて作成するもので、全国で実際に行われている取組を六つの対応方策に分類。「外部指導者の派遣」「人材リストの作成」などの内容や期待される効果を紹介している。
道教委では、運動部活動の課題として、「大会等で勝つことのみを重視し、過重な練習を強いたり、体罰などがないようにすること」「学校の小規模化に伴う教員数の減少による練習・引率の負担の増加」「生徒の部活動指導に対するニーズの高度化・専門化による顧問・指導者の不足」「勤務日および休日における部活動従事時間の増加」などを挙げている。
これらの課題解決のため、これまで学校の事例を取りまとめた実践事例集を作成・配布したほか、二十六年度から「運動部活動等推進委員会」を設置し、運動部活動指導の充実策などについて検討している。
本年度は、市町村教委における域内の学校への支援の充実を図る観点から、他都府県の取組を調査研究。全国で実際に行われている取組を、①外部指導者の派遣②人材リストの作成等③学校支援地域本部やコミュニティ・スクール(CS)の仕組みの活用④域内における運動部活動運営の工夫⑤外部顧問制度の導入⑥民間への外部委託―の六つの対応方策に分類した。
うち、「外部指導者の派遣」では、市町村教委が謝金や交通費等について独自に予算措置して外部指導者を派遣する二つの市町を示し、期待される効果として、生徒のニーズに応じた専門的な指導の充実、顧問教諭の指導力の向上などを挙げた。
専門的な指導力をもつ人材バンクを設置して登録者リストを学校に配布する「人材リストの作成等」では、学校が必要な外部指導者を効率的に探して活用できることを提示。外部指導者の情報を一元的に管理し、外部指導者への研修会を実施することで、一定以上の資質を有する人材を派遣できるようになる。
「学校支援地域本部やCSの仕組みの活用」では、社会人や大学生をボランティアとして中学校の運動部活動で活用したり、CSの学校運営協議会の中に部活動支援を担当する部会を設置したりする取組を報告。
「域内における運営の工夫」では、種目を指定した拠点校の部活動に参加したり、他校の部活動への参加を認めたりすることによって、専門的な指導の充実や活動の保障といった生徒や保護者のニーズに対応できることを説明している。
市町村教委が独自に外部人材を単独で指導や引率できる身分として任用する「外部顧問制度の導入」では、運動部活動の継続のほか、新しい部活動の設置、教職員の休日勤務や時間外勤務などの負担の軽減などを効果に挙げる。
運動部活動の指導を民間事業者に委託する「民間への外部委託」では、東京都内の区と大阪府内の市の取組を示し、教職員の負担軽減のほか、高い専門性に裏付けられた指導によって、生徒の技術や教職員の指導力の向上を図ることを効果として期待している。
三月末までに作成し、道内各市町村に周知していく。
(道・道教委 2016-03-29付)
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