道教委ネット利用含めた生活習慣実態調査結果 高校生のスマホ等利用、休日4時間以上が22% 授業中の居眠りなどの要因に
(道・道教委 2016-04-05付)

 道教委は、インターネット利用を含めた生活習慣に関する実態調査結果をまとめた。「望ましいインターネット利用に向けた環境醸成推進事業」における研究協力校の中高生とその保護者を対象に、睡眠やテレビ視聴、スマートフォン等の使用時間などを調査。スマホ等を四時間以上使用する高校生は、学校がある日では一二・四%だったのに対し、学校がない日では二二・四%にのぼるなど、学校がない日に長時間使用する傾向が浮き彫りになった。夜に寝付けないことがある生徒や授業中に眠ってしまう生徒は、テレビゲームやスマホ等を四時間以上する生徒に多いことも明らかになった。

 文部科学省委託の同事業では、ネットの過度の利用による睡眠時間や学習時間への影響など、生活習慣に関する課題の解決に向け、子どもや保護者の意識の変容を図り、ネット利用を含めた望ましい生活習慣にかかわる機運の醸成を目指している。

 調査対象は、研究協力校(中学校七校、高校七校)の一年生とその保護者。事業実施前の昨年八~十二月にかけて調査した。回収率は九四・七%。

 「学校がある日の睡眠時間」は、「六時間以上八時間未満」と回答した中学生が四九・三%。高校生では、「六時間以上八時間未満」と回答した生徒が七一・四%、「四時間以上六時間未満」と回答した生徒が一六・九%で、八時間以上の睡眠をとっている高校生は一割程度だった。

 「学校がある日の睡眠時間は十分か」との質問に、中学生では、「十分」が三〇・六%、「おおむね十分」が四五・一%と七割以上の生徒が十分な睡眠時間であると感じていることが分かった。一報、高校生では、「十分」が二〇・二%にとどまり、不十分さを感じる生徒は三八・六%にのぼった。

 「学校がない日の睡眠時間」について、中学生では、「八時間以上十時間未満」が四五・六%で、「十時間以上」は一八・三%だった。高校生は、「八時間以上十時間未満」が四三・四%、「十時間以上」が九・六%。中高生ともに学校がある日より、ない日に長時間睡眠していることが分かった。

 「学校がない日の睡眠時間」は、中学生の八六・九%、高校生の八六・五%が睡眠時間を十分と感じている。

 また、「授業中、眠ってしまうことはあるか」との問いに、中学生は、「ほとんどない」「ない」を合わせた回答が八一・〇%だったのに対し、高校生は、「たまにある」が三七・四%で、「毎日」「よくある」を合わせると五二・七%に達した。

 「学校がある日の朝食」は、中学生が「毎日食べる」「ほぼ毎日食べる」を合わせて九二・六%、高校生が同様に八七・七%。一方、学校がない日の朝食は中学生が八六・七%、高校生が七七・〇%であり、学校がない日の摂取率が低下した。

 「学校がある日の携帯電話やスマホで通話やメール、ネットをする時間はどのくらいか」との質問には、中学生では、「一時間より少ない」が二六・三%、「所有していない」が二五・七%と続き、「四時間以上」は五・三%いた。高校生では、「二~四時間ぐらい」が三三・七%、「一~二時間ぐらい」が二九・六%、「四時間以上」が一二・四%いた。「所有していない」は〇・四%だった。

 「学校のない日におけるスマホ等の利用」は、「一時間より少ない」という中学生は二二・一%に下がり、「四時間以上」は九・七%。高校生では、「二~四時間ぐらい」が三三・九%とほぼ横ばいだったのに対し、「四時間以上」が二二・四%に上昇した。

 「学校がある日の寝る直前まですること」では、中学生は、「テレビ・ビデオ等の視聴」が三七・六%と多く、「寝る直前にはしない」が二七・七%、「携帯・スマホでの通話・メール」が二〇・五%と続いた。高校生は、「携帯・スマホでの通話・メール」が五二・三%で最も高く、「テレビ・ビデオ等の視聴」が二六・六%、「寝る直前にはしない」は九・一%と低かった。

 「家庭でのネット利用について、使用時間や使い方のルールはあるか」では、「ルールはない」という中学生は四二・一%、高校生は七〇・一%。ルールを「しっかり守っている」「まあまあ守っている」という中学生は八一・三%、高校生は八七・七%だった。

 また、クロス集計結果をみると、睡眠時間が「不十分」と思っている生徒ほど、体調が悪い、気分が落ち込む、ささいなことでイライラし、「かっとする」ことが「よくある」と答えていた。

 なかなか寝付けないことが「毎日」ある生徒および授業中に眠ってしまう生徒は、テレビゲームやスマホ等を四時間以上する生徒に多いことも明らかになった。

(道・道教委 2016-04-05付)

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