道教委がAL推進で協議会開く 生徒の学習意欲が向上 教員の研修機会確保が課題(道・道教委 2016-04-05付)
事業の成果と課題をもとに協議
道教委は三月二十九日、道庁別館で第二回言語活動実践協議会を開いた=写真=。文部科学省指定「課題解決に向けた主体的・協働的な学び(アクティブ・ラーニング=AL)推進事業」の一環。事務局が、生徒の学習意欲が向上したなどと事業の成果を報告した。協議では、委員から、「教員の意欲が最も大切。研修機会を確保し、意欲をどう維持していくかが課題」などの意見が出た。
同事業は、道教委が二十七年度、文科省の指定を受けて実施。本道の生徒の一層の学習内容の定着と学習意欲の高揚を図る確かな学力の向上に向け、基礎的・基本的な知識・技能の習得や、思考力・判断力・表現力等の育成を目指した、言語活動の充実によるALの全道的な拡充を図るもの。
「〝二十一世紀に求められる資質・能力〟の効果的な育成にかかる各教科等における具体的な言語活動の研究」などの研究課題のもと、函館稜北高校を拠点校、全道二十八校を協力校に指定し、実践研究に取り組んだ。
この日の会議は、同事業の課題の検討、評価を行うことを目的に開催。委員六人が出席した。
会議では、事務局が事業の成果と課題を報告。AL型授業を実施することで、「生徒の学習意欲を向上させるとともに、学習内容を深く理解する実感を与えることができた」と説明した。教員・生徒へのアンケート調査から、「生徒の“コミュニケーション力”“説明する力”の伸びを実感できた」「講義よりも、ワークショップ型の授業の方が生徒の意欲向上や理解の深化に効果があった」との結果を紹介した。
また、教員向け各種研修会に、予定の二倍以上の二千人余りが参加し、ALに対する理解を深めることができたなどの成果を挙げた。
ALを取り入れた授業実践の周知と教員研修の機会確保、各学校における生徒に育成すべき資質・能力の明確化、ALの視点からの教科横断的取組の推進、評価方法の工夫改善を課題として報告した。
続く協議で、委員からは、「事業を通して、意識の高い教員がどんどん生まれ、生徒のモチベーションが確実に上がっている。それらを各学校で波及させ、学校改革を進めていかなければならない」「教員の意欲が最も大切。研修機会を確保し、意欲をどう維持していくかが課題」「どう評価するかが問題。知識の量で評価するのであれば、知識習得型の授業が求められることになる」「子どもは、一方的に覚える授業よりも、AL的な学びを求めていることを知ってもらいたい」「保護者や一般市民へのPRも必要」などの意見が出た。
(道・道教委 2016-04-05付)
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