石狩市教委の教育行政執行方針―鎌田教育長説明 子どもの貧困対策、教育と福祉の連携へ 『春休み帳』全学年で活用(市町村 2016-04-07付)
石狩市教委・鎌田英暢教育長
石狩市教委の鎌田英暢教育長=写真=は、第一回定例市議会で二十八年度教育行政執行方針を説明した。子どもの貧困対策にかかわって、教育と福祉が連携し、個々の状況に適した支援を推進する方針を明らかにした。学力向上に向けては、学年が上がる前の春休みに、これまでの学習を振り返る『春休み帳』を全学年で活用し、家庭学習を含めた学習の連続を図る考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼自ら学ぶ意欲を育てる教育
▽確かな学力を育む教育
教員の事務的な負担を軽減し、子どもたちと向き合える時間を確保するため、指導要録などの学校内の情報をデータ化し、教員間で共有できる「校務支援システム」の導入をさらに進め、包括的な学校改善を推進する。
二十七年度の全国学力・学習状況調査は、小・中学校ともに、すべての教科で全国平均を下回った。課題となっている「基礎・基本の定着・活用する力の育成」「学習意欲の向上」などに対応するため、エキスパート・サポーターや学力向上サポーターを活用し、「個に応じたきめ細やかな指導」とともに、さらなる指導方法の工夫改善を行い「分かる授業」を推進する。
また、学年が上がる前の春休みに、これまでの学習を振り返る『春休み帳』を全学年で実施するなど、家庭学習を含めた学習の連続と連携教育を進める。
▽すべての子どもたちが等しく学べる環境の充実
子どもの貧困問題にかかわっては、地域人材、とりわけ退職教員の協力を得ながら、中学校への学習支援の仕組みづくりの実践を通して検討に着手するとともに、「スクールソーシャルワーカー」を増員し、様々な問題に直面している子どもたちや家庭の状況を把握するなど、教育と福祉が連携したチームで、個々の状況に適した支援に取り組む。
▽一人ひとりのニーズに合わせた特別支援教育
特別支援学級に協力するボランティアの研修を引き続き行うなど、様々な場面において子どもたちへの支援の輪が広がるよう努める。
▽安心・安全でより良い教育環境整備の推進
厚田地区および本町・八幡地区における小中一貫教育、コミュニティ・スクール、ふるさと教育など、地域の特色を生かした教育を踏まえた学校整備具体策案について、保護者・地域への理解をさらに求めていくとともに、特色のある新たな学校づくりに向けた取組となるよう努める。
また、二十九年四月の新たな学校給食センターのオープンを目指し、食物アレルギーへの対応の具体的な検討を進め、安心・安全な学校給食と食育の推進に努めていく。
▼思いやりと豊かな心・健やかな体を育む教育
▽豊かな人間性を育む教育
地域のボランティア活動や郷土学習など、学校が主体的に行う「特色ある活動」や、「環境・人権・平和・国際理解」をテーマとする「学校奨励プログラム」を実施するとともに、「情操教育プログラム」を実施し、感動を体験できる機会の確保に努める。
また、学校図書館の蔵書充実に加え、「ブックスタート事業」や読書を通じて家族のコミュニケーションを深める「家読」、「調べる学習コンクール」などに取り組み、学校・家庭・地域の連携のもとで子どもの発達段階に応じた読書活動を推進する。
▽心身の健やかな成長を促す教育
二十七年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を踏まえ、学校においては、体育の授業や行事にバランスよく各種の運動を位置付けるとともに、各学校独自の「一校一プラン」を推進し、体力の向上を図る。
また、生活習慣について「生活リズムチェックシート」「早寝早起き朝ごはん」運動などに取り組み、PTAと連携を図りながら一層の充実に努める。
▽地域全体で子どもを守り育てる体制づくりの推進
地域ボランティアが学校を支援する「学校支援地域本部事業」や、スクールガード、中学校の部活動指導、スクール・アシスタント・ティーチャーなど、地域の教育力を活用した取組を推進する。
(市町村 2016-04-07付)
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