小中一貫型学校設置で沼田町 隣接型の30年度開園目指す 5月に推進委発足、体制づくり進める
(市町村 2016-04-13付)

小中一貫教育学校沼田小中
一貫教育学校を導入することで、魅力ある教育環境づくりへの期待が高まる(写真上は沼田中、写真下は沼田小)

 【岩見沢発】沼田町一貫・連携教育推進協議会は、施設隣接型の小中一貫型小学校・中学校「仮称・沼田学園」の三十年四月開園に向けた準備を進めている。ことし五月をめどに「学園化推進委員会」を発足させ、教育目標や教育理念の設定、必要な体制づくりを推進。郷土への愛郷心を育む「ふるさと沼田学習」、英会話力向上を図る「ハローイングリッシュ」の取組の試行・検証を開始する方針だ。

 町内の教育関係者で構成する沼田町一貫・連携教育推進協議会は、二十五~二十七年度の三ヵ年を一貫・連携教育(第一期)として位置付け、沼田小学校と沼田中学校の九年間を見通した学習指導を進めてきた。

 指導方法や学習内容の系統性への共通理解を図るため、小・中学校教員の合同研修や中学校教員による小学校への乗り入れ授業を実施しているほか、小中PTA合同で生活リズムチェックシートを活用した生活習慣の改善や、合同運動会の開催などの取組を推進。二十七年度全国学力・学習状況調査では、小・中学校ともに初めて全教科で全国平均を上回るなど、成果を挙げている。

 これまでの実践をより確かなものとするため、昨年十月、施設隣接型の小中一貫型小学校・中学校「仮称・沼田学園」を三十年四月に開園することを決定。六・三制を維持しつつ、義務教育九年間の枠組みで行うことで、一貫・連携教育の発展、教員や町民間の意識共有を図る。

 開園に向けた取組として、ことし五月に「学園化推進委員会」を発足させるとともに、「沼田学園基本計画」を策定する予定。教育目標や教育理念の設定、必要な体制づくりを進めていく。

 具体的には、これまでの研究組織を四グループから十グループに再編。その上で、認定こども園と小・中学校の合同研修を実施し、研修の質を高めていく。

 また、地域性を踏まえた「町ならではの学び」として、①ふるさと沼田学習②ハローイングリッシュ―の試行を開始する。

 「ふるさと沼田学習」では、町の開拓の歴史、自然や伝統など地域の学習素材を活用して地元への愛郷心を育むため、教科横断的かつ生活科および総合的な学習の時間として試行・検証。指導案や評価規準を二十九年度までに作成する見込み。

 「ハローイングリッシュ」では、子どもたちの英会話力の向上を図る「ハローイングリッシュ」の試行、検証も進めるほか、地域との連携を進めるための体制づくりについても検討していく。同協議会では今後、国の制度に基づく小中一貫型の義務教育学校を目指すとしている。

 管理職の配置は、現行の小中校長のうちいずれか一人を学園長、残る一人を副学園長とし、教頭は二人体制とする見通しだ。

 同協議会会長を務める沼田町教委の生沼篤司教育長は「子どもたちが自分の町に誇りと愛着をもち、いつかふるさとに戻ってくれるような魅力ある教育環境づくりに努めたい」と力を込める。

 空知教育局の針ヶ谷一義教育支援課長は「今後、一貫教育を目指す学校のモデルとなることから期待は大きい。町ならでは学びの場の実現に向けて、小・中学校の先生、関係者たちとビジョンを共有し、目標に進むことが大切」と期待する。

(市町村 2016-04-13付)

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