後志管内28年度教育推進の重点 後志局が高・特校長会議開く 明るい未来切り開く力育成 すべての課題を解決する気概もち
(道・道教委 2016-04-21付)

後志教育推進重点
28年度後志管内教育推進の重点(画像をクリックすると拡大表示されます)

  【倶知安発】後志教育局の武田信吾局長は十四日、後志合同庁舎で開催した二十八年度管内公立高校長・特別支援学校長会議で管内教育推進の重点を説明した=写真=。「社会で活きる実践的な力の育成」「豊かな心と健やかな体の育成」「信頼される学校づくりの推進」の三本の柱を掲げた上で、「生徒の能力や進路に応じた教育の推進」「特別な教育的支援を必要としている生徒のニーズに応じた指導や支援の充実」「いじめ・不登校等への取組の充実」―などに取り組む考えを示した=表参照=。

 教育推進の重点はつぎのとおり。

【はじめに】

 教育局では、このたび、北海道教育推進計画に掲げた基本目標および二十七年度の管内における成果や課題、二十八年度教育行政執行方針などを踏まえ、「二十八年度後志管内教育推進の重点」を定めたので、その概要について説明する。

【管内教育推進の重点】

▼社会で活きる実践的な力の育成

 はじめに、「Ⅰ・社会で活きる実践的な力の育成」についてである。

 このことにかかわって、子どもたちが変化の激しい社会を生きていくためには、基礎的・基本的な知識・技能と、それらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等に加え、主体的に学びに向かう力や人間性などを総合的に育んでいくことが重要であることを踏まえ、三つの重点を設定した。

▽生徒の能力や進路に応じた教育の推進

 重点一は、「生徒の能力や進路に応じた教育の推進」である。

 教育局としては、生徒の主体的・協働的な学びの充実に向けた授業改善を推進するため、「教科指導セミナー」の一層の充実を図ることや、学校教育指導を通して、ワークショップ型の校内研修の促進についての指導・助言などを行う。

 また、研究指定校に対する支援と成果の普及を図るため、「教科等の本質的学びを踏まえたアクティブ・ラーニングの視点からの学習・指導方法改善のための実践研究」等の先進事例についての情報提供を行う。

▽特別な教育的支援を必要としている生徒のニーズに応じた指導や支援の充実

 重点二は、「特別な教育的支援を必要としている生徒のニーズに応じた指導や支援の充実」である。

 教育局としては、学校教育指導等を通して、個別の教育支援計画や個別の指導計画作成について指導・助言を行うとともに、特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業や教育局スーパーバイザーの活用を促進する。

 また、高校の教員等を対象とした特別支援教育充実セミナーでの啓発によって、教育上特別な支援を必要とする生徒への指導や支援に関する専門性の向上など、引き続き推進していく。

▽今日的な課題に対応した教育の推進

 重点三は、「今日的な課題に対応した教育の推進」である。

 教育局としては、本道について理解し、誇りをもつとともに、世界にも目を向け貢献することができる人材を育成していくため、後志総合振興局と連携して、「ShiriBeshiグローバル人材育成プラン」などに取り組んでいく。

 また、生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に向け必要となる能力や態度を育成していくため、インターンシップの推進や、企業・業種に対する理解促進を目的とした、生徒や保護者、進路指導担当者対象の企業見学会の充実を図っていくとともに、研究指定校に対する支援と成果の普及を図るため、「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」等の先進事例についての情報提供を行う。

倫理観や規範意識育む教育

▼豊かな心と健やかな体の育成

 つぎに、「Ⅱ・豊かな心と健やかな体の育成」についてである。

 このことにかかわって、子どもたちが、互いに尊重し合い、基本的な倫理観や規範意識、思いやりの心や美しいものに感動する心などを育むとともに、自らの生き方を主体的に考えることができる力を育成することが重要であることを踏まえ、二つの重点を設定した。

▽いじめ・不登校等への取組の充実

 重点一は、「いじめ・不登校等への取組の充実」である。

 教育局としては、いじめや不登校などの問題行動等の未然防止、早期発見・早期解消に向けた取組を推進するため、保護者と教員が参加する管内生徒指導研究協議会における事例研究や、子どものコミュニケーション能力等を把握するための「子ども理解支援ツール」の活用事例の普及などに取り組む。

 また、研究指定校に対する支援と成果の普及を図るため、「いじめ未然防止モデルプログラム事業研究指定校」等の先進事例についての情報提供を行う。

▽体力向上への取組の充実

 重点二は、「体力向上への取組の充実」である。

 教育局としては、新体力テストの結果に基づく体力向上の取組を推進するため、高校生の体力・運動能力の状況について継続的に把握していくとともに、各高校の全学年において実施した新体力テストの結果に基づき、学校および生徒個々の課題に応じた授業改善が図られるよう、生徒の体力向上の取組に関する指導・助言を行う。

▼信頼される学校づくりの推進

 最後に、「Ⅲ・信頼される学校づくりの推進」についてである。

 このことにかかわって、人口減少や少子化が進行する中にあっても、学校の規模や地域にかかわらず、教育の質の維持・向上を図ることが重要であることを踏まえ、三つの重点を設定した。

▽地域における教育機能の充実・確保

 重点一は、「地域における教育機能の充実・確保」である。

 教育局としては、研究指定校に対する支援と成果の普及を図るため、「ほっかいどうICT活用教育加速化事業」等の先進事例についての情報提供を行う。

▽教職員の服務規律の徹底、財務会計事務の適正執行

 重点二と三は、「教職員の服務規律の徹底」および「財務会計事務の適正執行」である。

 教育局としては、不適切な勤務の再発防止および体罰などの不祥事根絶に向けた取組を推進するため、服務制度改正についての指導・助言の充実や、各種研修会等における指導・啓発の実施などに取り組む。

 また、財務会計事務の適正執行や、以前、管内においても重大事故が発生した私費会計事務の取扱いについては、事務長会や事務職員協会と連携し、実効性のある研修会を実施するとともに、会計指導等において、各学校における適正な事務処理の遂行について、指導・助言を行う。

【むすびに】

校長には、各学校における学校経営課題を的確にとらえ、具体的な取組を組織的・計画的に進め、本年度内にすべての課題の解決を図るという気概をもって、学校経営の最高責任者としてのリーダーシップを存分に発揮していただきたい。

 教育局としても、将来を担う子どもたちが、個性を伸ばし可能性を大いに開花させ、自らの力で明るい未来を切り開いていくことができるよう、各学校と手を携えて、各種事業の推進等に取り組んでいきたいと考えており、引き続き、変わらぬ協力をお願いする。

この記事の他の写真

後志管内高校長・特別支援学校長会議
本年度の教育推進の重点を確認し合った

(道・道教委 2016-04-21付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委 全道代表高校長研で所管事項説明③

◆学校教育局参事(生徒指導・学校安全) 【二十七年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査】  いじめの重大事態や、不登校生徒にかかわる調査項目が変更・追加される予定。各学校...

(2016-04-21)  全て読む

管内市町村教委教育長会議開催 確実な前進へ取組を 教育推進の重点を説明 宗谷局

宗谷管内市町村教委教育長会議  【稚内発】宗谷教育局は十四日、稚内総合文化センターで第一回管内市町村教育委員会教育長会議を開催した=写真=。野﨑弘幸局長が本年度の教育推進の重点の概要について説明し、「関係機関との連携を一...

(2016-04-21)  全て読む

上川管内28年度教育推進の重点 上川局が管内公立小中校長会議開く 質高い実効性ある取組を 知・徳・体のバランスとり育成

上川管内教育推進の重点  【旭川発】上川教育局は十五日、上川合同庁舎で二十八年度管内公立小中学校長会議を開いた。小野寺一郎局長=写真=が本年度の管内教育推進の重点を説明した。「確かな力、豊かな心、健やかな体のバラン...

(2016-04-21)  全て読む

本年度直接任用SSWを決定 今西氏(旭川大助教)など五人 道教委

 道教委は、本年度の「道スクールソーシャルワーカー(SSW)活用事業」において、道教委が直接任用する道SSWに旭川大学助教の今西良輔氏など五人を決定した。教育分野に関する知識をもとに助言を行...

(2016-04-21)  全て読む

公立学校教員採用に関する協議会 本道担う優れた人材を 道教委・札幌市教委が意見交流

教員採用に関する協議会  道教委と札幌市教委は十九日、札幌市内の道第二水産ビルで二十八年度「道・札幌市公立学校教員採用に関する協議会」を開催した=写真=。本年度の公立学校教員採用候補者選考検査の登録状況について確認...

(2016-04-21)  全て読む

道教委 全道代表高校長研で所管事項説明②

◆高校教育課 ▼高校生等労働教育啓発事業等  道では、就労前の高校生等を対象に、労働法の基礎知識や働く者の人権に関する知識を養い、将来の安定した職業生活の確保に資するため、大学教授や社会...

(2016-04-20)  全て読む

宗谷局が公立学校長会議 28年度宗谷管内教育推進の重点 未来への責任果たす教育 資質・能力の確実な育成目指し

宗谷管内教育の重点  【稚内発】宗谷教育局は十四日、稚内総合文化センターで管内公立学校長会議を開催した。小・中・高校、特別支援学校の校長や来賓など七十七人が出席。野﨑弘幸局長=写真=が「宗谷管内教育推進の重点」...

(2016-04-20)  全て読む

渡島局が管内教育長会議開く 教職員人事 検討の必要性強調 執行方針踏まえた学校運営を 辻局長が協力要請

渡島教育長会議  【函館発】渡島教育局は十三日、渡島合同庁舎で二十八年度管内教育長会議を開催した。十一人が参加。席上、辻俊行局長=写真=は、道や市町の教育行政執行方針を踏まえた学校運営の重要性をあらためて示...

(2016-04-20)  全て読む

28年度空知管内教育推進の重点 空知局が管内公立学校長等会議開く 愛着と誇り育む教育を 学校・教師・地域の絆強固に

空知局管内校長会議重点  【岩見沢発】空知教育局は十五日、岩見沢市内の自治体ネットワークセンターで二十八年度空知管内公立学校長等会議を開催した。小山茂樹局長=写真=が本年度における管内教育推進の重点を説明した。「“...

(2016-04-20)  全て読む

根室局公立が学校長会議 根室管内28年度教育推進の重点 子の豊かな成長目指して 「確かな学力定着」など4項目設定  

根室教育局推進重点  【根室発】根室教育局は十四日、根室市内道立北方四島交流センターで管内公立学校長会議を開催した。蓑島崇局長=写真=が、本年度の管内教育推進の重点=図参照=を説明。テーマを前年度と同様の「確か...

(2016-04-20)  全て読む