道教委 全道代表高校長研で所管事項説明②
(道・道教委 2016-04-20付)

◆高校教育課

▼高校生等労働教育啓発事業等

 道では、就労前の高校生等を対象に、労働法の基礎知識や働く者の人権に関する知識を養い、将来の安定した職業生活の確保に資するため、大学教授や社会保険労務士等が講師となり講演を行う「高校生等労働教育啓発事業」を引き続き実施する。

 各学校においては、本事業の実施について積極的に検討いただきたい。

 労働に関する教育内容を一層充実する観点から、授業やホームルーム等において、道労働局が実施している「労働法説明会」の出前講座や、道経済部が発行している「働く若者ルールブック」の活用を図っていただきたい。

▼就労に関する支援の充実

▽労働に関する教育の充実等

 「青少年の雇用の促進に関する法律」が昨年九月十八日に公布され、「事業主による職場情報の提供の義務化」および「労働法令違反の事業主に対するハローワークの新卒者向け求人の不受理」がことし三月一日から施行されることを、二十八年二月二十五日付教高第二〇〇五号で各学校に通知した。

 同法では、新卒者の募集を行う事業所に対して、幅広い職場情報の提供が努力義務となったことや、平均勤続年数や研修の有無および内容といった就労実態等の職場情報を提供することが義務付けられたほか、ハローワークが一定の労働関係法令違反があった事業所の求人を一定期間不受理とすることができることとなった。

 ついては、各学校において、生徒が応募段階で企業の労働環境や就労実態を十分理解した上で、自分に合った就職先を選択できるよう、必要な職場情報の収集、提供に努めていただきたい。

▽中途退学者に対する支援

 文部科学省から「高校等と地域若者サポートステーション(サポステ)との連携による中途退学者等への切れ目ない支援に向けた準備について」の依頼があり、二十八年二月二十五日付教高第一九九九号で各学校に通知した。

 ついては、各学校において、中途退学者に対し、本人の意思を尊重しつつ、その自己実現を支援する観点から、サポステ事業の具体的な支援内容について詳細な情報提供等を行うとともに、サポステによる支援を受けることを希望する者に対しては、サポステおよび相談等に応じてもらえる職員を紹介するなどの必要な支援を行っていただきたい。

【キャリア教育】

▼インターンシップの充実

 生徒が将来、社会人・職業人として自立していくためには、就職希望の有無や普通科、職業学科の別にかかわらず、インターンシップなどの体験活動を通して、望ましい勤労観・職業観を身に付けることが重要。

 昨年度の「インターンシップ実施状況調査」では、道立中等教育学校を含むすべての全日制道立高校において実施されており、三年間に一回以上、インターンシップを経験した生徒の割合は五九・六%となっており、前年と比べて約七ポイント上昇したが、職業学科の九六・五%と比べると、学科間で大きな差があるなどの課題がみられる。

 また、実施日数についても、体験した生徒の約七割が二日以内の実施にとどまっている。

 特に、普通科においては、キャリア教育の趣旨を踏まえ、二十六年五月に作成・配布した『普通科における効果的なインターンシップ指導事例集』を活用するなどして、一人でも多くの生徒が体験できるよう、実施期間や回数を拡大するなど、内容の一層の充実を図っていただきたい。

 また、二十五年度に設定した数値目標を、すでに達成している学校においても、引き続き、実施期間を拡大するなど、内容の一層の充実を図っていただきたい。

▼早期離職の防止

 本年度の道労働局の調査によると、道内新規高卒者が卒業後から三年間に離職する割合は四八・二%であり、全国平均と比較すると八ポイント程度高い状況。

 各学校においては、引き続き、自分の能力・適性、職業に対する理解の深化やコミュニケーション能力の育成を図るため、入学当初から計画的に行う進路相談の実施はもとより、地域の職業人を講師とする職業講話や進路ガイダンスを実施するなど、地域や企業等との連携を深めた取組の一層の充実を図るとともに、保護者にも職業理解を深めていただく機会を拡充するなど、キャリア教育の視点に立って、就職指導の改善・充実に努めていただきたい。

▼研究指定事業(小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業)

 道教委が昨年度から実施している同事業については、現在、各管内の研究指定校において、地域との連携のもと、実践研究が進められており、二十七年度の取組内容などについては、研究指定校のほか、各教育局や高校教育課のホームページなどで公開している。

 同事業は、道内の各自治体も注目していることから、各高校においては、研究指定校の取組を参考にするなどして、地域の教育力を十分に生かしながら、小学校・中学校などと連携したキャリア教育の充実に積極的に取り組んでいただきたい。

【専門高校で学ぶ生徒の学習成果の発表】

 専門高校生が活躍する研究発表大会等の各種大会やフェアなどの日程等を道教委のホームページにて公開。

 各学校においては、PTA総会や学年懇談会など、保護者が学校に集まる機会を活用して、専門高校の取組について、保護者や地域の方々などに周知を図っていただきたい。

▼水産部会

▽実習船体験航海=六月十二日(日)、小樽港―水産高校の生徒が普段乗っている大型船への乗船

▼農業部会

▽ガーデニング甲子園=六月二十五日(土)~七月三日(日)―大通公園四丁目―ガーデニング作品の展示

▼工業部会

▽二〇一六サイエンスパーク=七月二十八日(木)、札幌駅前通地下歩行空間・道庁赤れんが庁舎―製作したロボットの操作体験や工作教室

▼家庭部会

▽道高校家庭クラブ連盟研究発表大会=九月十五日(木)~十六日(金)、札幌南高校―二部門に分かれて、日ごろの活動の成果を発表

▼商業部会

▽道高校商業教育フェア=九月十六日(金)~十七日(土)、新さっぽろサンピアザ「光の広場」―開発商品の販売や試作品の発表

【教員の研修等】

▼初任段階教員研修

 昨年度から、初任者研修を四年間に分割し、「初任段階教員研修」として実施している。

 各学校においては、新しい実施要項に基づき、適切に実施していただきたい。

※①重点的に育成する資質能力②道教委計画研修③学校計画研修④主な研修内容

▽一年次=①教科等指導力、学級経営力②七日③百五十時間以上④授業実践に関する基礎技術、学年・学級経営、学習指導案、教職員の服務、学級事務

▽二年次=①学級経営力、生徒指導・進路指導力②三日③三十時間以上④指導主事の学校訪問のシャドーイング、学校力向上に関する総合実践事業等の実践校視察

▽三年次=①地域との連携・対応力、チーム貢献力②五日③三十時間以上④民間企業等での実習・体験、プレゼンテーションによる成果報告

▽四年次=①五つの力の総点検②三日③二十時間以上④四年間のまとめ、授業改善、実践記録の交流、自己課題の明確化

▽合計=②十八日③二百三十時間以上

▼二十八年度管理職研修

 各研修における研究協議の助言者の派遣について、協力いただきたい。

▽新任校長研修=五月二十三日(月)~二十四日(火)

▽新任教頭研修=五月三十日(月)~三十一日(火)

▽新任副校長研修=七月二十八日(木)または二十九日(金)

▽新任主幹教諭=六月中(予定)

【スマートフォンの使用に関する指導】

 各学校において、二十七年三月三十日付教高第二一一五号通知「高校生のスマートフォン等の使用に対する指導について」に基づき、生徒による主体的な取組を推進し、スマートフォンの使用についてのルールを定めるなど、スマートフォン等を適切に使用することができるよう、道高校長協会、道高P連および道教委の申合せに基づく取組を一層推進していただきたい。

 なお、二十八年二月に実施した「ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着に関する取組状況調査」の調査によると、校内におけるスマートフォン等の使用についてのルールの作成や、保護者への啓発活動は、ほぼすべての学校で実施されている状況。

【海外からの教育旅行の受入れ】

 グローバル化が進展する中、海外の高校生等が日本を訪れ、併せて、学校を訪問する「教育旅行」を受け入れることは、諸外国の人々と互いの歴史や文化、習慣等を理解し合い、異なる文化や生活習慣をもつ人々と協調して生きていく態度を育成する上で、意義があるものと考えている。

 より多くの学校が海外からの教育旅行を受け入れることができるよう、道教委のホームページに、受入れが可能な学校について、交流活動や受入れ可能な月、受入れ可能な人数等の情報を掲載。今後も、ホームページ等の充実のため、情報提供や資料作成の依頼があった場合には協力いただきたい。

【日本の次世代リーダー養成塾】

 二十八年度の「日本の次世代リーダー養成塾」は、七月二十四日から八月六日までの期間、福岡県および佐賀県で開催される。

 道として、参加者の募集や参加費減免などを実施する。

 ことし三月十日付で「次代の北海道を担う青少年育成協議会」から、各学校へ実施要項等を送付。各学校においては、生徒に情報提供するとともに、参加を働きかけていただきたい。

◆義務教育課

【二十七年十二月二十一日中央教育審議会の答申】

 「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」(答申)において、「すべての公立学校がコミュニティ・スクールを目指すべき」と示され、コミュニティ・スクール(CS)の導入が現行の「任意設置」から「努力義務」に変わる予定である。

 そのため、高校や特別支援学校にも、今後、コミュニティ・スクールの導入を検討いただきたい。

【道内の状況】

 二十八年一月十二日現在、道内のコミュニティ・スクールの指定状況は、小学校三十一校、中学校十四校、高校二校、合計四十七校である。高校は、別海高校と知内高校である。

【今後に向けて】

 昨年十月に策定した「北海道総合教育大綱」においても、学校と地域社会との連携・協働体制を構築し、地域全体で子どもたちを育成するとともに、学校を核とした地域づくりを進めるため、本道の全地域において、保護者や地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールの導入を進めることを示した。

 道教委としては、今後、小・中学校だけではなく、道立学校にもコミュニティ・スクールの導入を促進するため、情報提供等を行っていく。

 そのため、全管内において、「CS研修会」を開催することから、各教育局と連携を図り、積極的に参加いただきたい。

 また、ことし十月二十一日、札幌市において、「地域とともにある学校づくり推進フォーラム(北海道会場)」を開催することから、積極的に参加いただきたい。

◆特別支援教育課

【「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒等の調査」にかかる取組状況】

▼特別な教育的支援を必要とする生徒

 高校における特別な教育的支援を必要とする生徒は六百四十四人(〇・七%、昨年度〇・六%)。

▼昨年度の取組の成果

 個別の指導計画が未作成の高校数は、二十七年十一月一日現在で二十七校に対し、二十八年三月一日現在にはゼロ校。校内研修プログラムが未活用の高校数は、百三十三校に対し、ゼロ校。特別支援教育コーディネーターの研修回数がゼロ回の高校数は、三十一校に対し、ゼロ校となっている。

【特別な教育的支援を必要とする生徒への支援の充実】

▼本年度の重点

 学校として、特別な教育的支援を必要とすると判断した生徒には、必ず個別の指導計画を作成していただきたい。

 校内研修プログラムを一回以上、必ず活用していただきたい。

 特別支援教育コーディネーターの研修回数ゼロ回の解消をしていただきたい。

▼『通常の学級における特別支援教育の視点を生かした実践事例集』(二十八年三月作成)

 「視覚的な支援」や「教師の言葉がけ」の工夫などを掲載しているので、小・中学校の取組と併せて参考としていただきたい。

▼二十八年度「発達障がい支援成果普及事業」

 全管内に、「推進校」(高校においても、各管内一校ずつ)や「推進地域」を指定し、校内研修プログラムや『実践事例集』の効果的な活用を推進するので承知いただきたい。

▼高校の教員を対象とした研修

 七月~十月に、管内ごとに特別支援教育充実セミナーを実施するので、コーディネーターの参加を促していただきたい。

 道立特別支援教育センターの研修講座への参加を促していただきたい。

▼特別な教育的支援を必要とする生徒に対する一貫した支援

 障がいのある子どもを含む特別な教育的支援を必要とする子どもに対する一貫した支援について、二十八年二月二十四日付教特第八九六号通知をもとに、中学校から高校、高校から進路先へ引継ぎを確実に実施していただきたい。

【「障害を理由とする差別の解消に関する法律の施行」を踏まえた取組】

 「〝障害を理由とする差別の解消に関する法律〟の施行を踏まえた特別支援教育の充実について」について、二十八年三月十八日付教特第九七一号通知をもとに、障がいのある生徒への指導や支援の充実、また、障がいのある生徒およびその保護者に対し、心情を汲み取り、丁寧に対応いただきたい。

◆健康・体育課

【健康教育の充実】

▼薬物乱用防止教育の充実

 道内の公立高校においては、すべての学校で年一回以上の薬物乱用防止教室を開催し、薬物乱用防止教育の充実に努めていただいている。

 昨年十一月に、京都府で小学生が大麻を吸引していた事件や、ことし一月に、岐阜県で高校生が覚せい剤を所持していた事件が起こるなど、薬物乱用に関する青少年への広がりが懸念される現状があり、薬物乱用の恐ろしさなど正しい知識を身に付けさせることがますます重要となっている。

 学校には、授業や特別活動など学校の教育活動全体を通じた計画的・組織的な薬物乱用防止教育を一層推進することが求められており、各学校においては、薬物乱用防止教室を年一回以上開催することはもとより、必要に応じて警察職員の協力を求めるなど、薬物乱用防止教育を一層推進していただきたい。

▼学校保健委員会の活性化

 学校保健委員会は、学校内の保健活動の中心として機能するだけではなく、学校、家庭、地域の関係機関などの連携による効果的な学校保健活動を展開することが可能となることから、学校には、その活性化を図っていくことが求められている。

 道立学校においては、学校保健委員会の設置率は一〇〇%であるが、開催の内容面をみると、学校医等の三師や、保護者の代表等の参加をみない、校内だけの委員による開催になっている例や、一年に一回だけの開催に終わっているなどの例もみられる。

 今後、児童生徒の健康課題の解決に向け、一層の充実、活性化に努めていただきたい。

▼子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した相談等の状況

 二十五年四月から、予防接種法に基づく定期接種の対象とされたが、二十七年度においても、ワクチン接種が原因と思われる健康被害が報告されており、中には、学校を長期休業しなければならない事例もある。

 このため、学校には、子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した症状があり、学校生活について本人や保護者等から相談が寄せられたり、教職員等が必要であると考える児童生徒に対しては、個別の状況に応じた適切な対応などの取組が求められている。

 また、子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した症状に悩む生徒が高校を卒業後においても、本人や保護者が悩みを抱え、孤立することがないよう、在学中から保護者等の了解を得ながら、居住する市町村や道における相談窓口と緊密な連携を図ることが重要である。

 昨年十一月に、道および道教委では、「道子宮頸がん予防ワクチン総合相談窓口」を設置し、医療、生活、教育など多岐にわたる相談を一元的に受け付け、個別の相談の内容に応じて、適切かつ柔軟に対応できるよう体制を整えた。

 各学校において、児童生徒や保護者から子宮頸がん予防ワクチンの接種による健康被害の相談や学校生活等について相談があった場合には、総合相談窓口への相談を勧めるなど、適切に対応していただきたい。

 二十五年十一月二十五日付教健体第八二四号で通知したとおり、子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連した症状があり、学校生活について、本人や保護者から相談が寄せられた場合には、様式1によって、また、様式1によって報告後、症状等に改善、悪化などの変化があった場合には、様式2によって、その都度、速やかに報告していただきたい。

▼学校におけるアレルギー対応

 二十五年に文科省が設置した「学校給食における食物アレルギー対応に関する調査研究協力者会議」の最終報告では、学校において、今後、取り組むべきこととして、学校生活管理指導表に基づくアレルギー対応を徹底するためには、「管理職を中心に、校内の施設設備や人員配置を踏まえ、具体的なアレルギー対応についての一定の方針を定めることや、特定の職員に任せずに校内委員会を設けて組織的に対応することなどが必要である」としている。

 各学校においては、特別な配慮や管理など「具体的なアレルギー対応の方針」を策定、充実するなどして、学校と保護者との共通理解を十分に図ったアレルギー対応を行っていただきたい。

▼学校体育活動中の事故防止

 学校体育活動においては、事故の未然防止の観点から、活動場所や設備、用具等の安全点検を適切に実施するとともに、児童生徒の体力や技能等を踏まえた活動計画を作成していただきたい。

 部活動においては、つぎのことに留意いただきたい。

・新年度になり、新入生が入部することから、その体力や技能に応じた適切な指導計画を作成すること

・入部に当たっては、本人や保護者の入部意思等を十分確認するなど、入部手続きを確実に行った上で、活動させること

 各学校においては、二十一年三月に道教委が作成した『学校体育活動中における事故防止の手引』を有効に活用するとともに、二十七年十一月十一日付教健体第七四六号学校教育局長通知「学校における体育活動中の事故防止等について」によって、体育の授業や運動部活動はもとより、体育祭や球技大会といった体育的行事などの本年度の体育活動全般について検証し、必要な改善を行うなどして、事故防止に万全を期していただきたい。

 学校体育活動中に、原則全治三週間以上の事故が発生した場合は事故報告書を、特に、頭部外傷など、後遺症が残るおそれのある重篤な負傷事故の場合には、治療期間にかかわらず、事故速報を教育局あて提出することとなっているが、治療期間の見込み等について、保護者と連携して的確に把握するとともに、日本スポーツ振興センターへの災害共済給付請求との整合に留意していただきたい。

▼体力の向上

 二十九年度までに高校全日制二年生の体力合計点の平均を全国平均以上としている道教育推進計画の目標指標を踏まえ、すべての学校の全学年において新体力テストを実施し、自校の生徒の体力の状況を的確に把握した上で、授業改善を中心とした体力向上の取組を進めていただきたい。

◆学校教育局参事(生徒指導・学校安全)

【いじめの問題等への取組】

▼いじめ根絶に向けたメッセージ

 学校、家庭、地域、行政が一体となったいじめ根絶に向けた取組を推進するため、知事および教育長の連名で、「いじめ根絶に向けたメッセージ」を作成・配布した。

 各学校においては、生徒や保護者に配布するほか、校内に掲示したり、学校だよりに掲載したりするなど積極的に周知し、いじめ克服に向けた取組の充実を図っていただきたい。

▼道教委独自調査「いじめの問題への対応状況の調査」結果

 札幌市立学校を除く道内すべての公立小・中・高校、中等教育学校、特別支援学校において認知したいじめの件数は、小学校が九百三件、中学校が八百七十四件、高校が四百四件、特別支援学校が二十六件、合計二千二百七件。認知件数の約五二%に当たる一千百四十七件(小学校五百三十九件、中学校三百八十八件、高校二百七件、特別支援学校十三件)は二十七年十月以降の認知となっている。

 二十八年三月十八日付文科省通知「いじめの正確な認知に向けた教職員間での共通理解の形成および新年度に向けた取組について」を受けて、通知を発出。各学校においては、資料『いじめの認知について~先生方一人ひとりがもう一度確認してください』をすべての教職員に配布し説明するなど、いじめの正確な認知に向けた教職員間での共通理解を図っていただきたい。

▼不登校重大事態にかかる調査の指針

 文科省は、二十八年三月に、「不登校重大事態にかかる調査の指針」を策定した。

 欠席期間が三十日(目安)に到達する前から、設置者に報告・相談し、情報共有を図るとともに、重大事態に該当するか否かの判断は、設置者と協議したりするなど、丁寧に対応することが必要。

 各学校においては、指針を参考にして、「いじめによって、当該学校に在籍する児童等が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」(いじめ防止対策推進法第二八条第一項第二号)の対応の在り方について確認の上、適切に対応いただきたい。

▼いじめの実態把握およびその対応状況等調査

 いじめの把握のためのアンケート調査(年二回)、いじめの問題への対応状況の調査(年三回)、いじめの問題への取組状況の調査(年二回)。

 生徒の事故に伴い実施したアンケート調査の調査票が廃棄されていたという事案が発生。二十八年三月十五日付教総第二〇八六号教育長通知「公文書の適正な管理について」を発出した。

 各学校において、いじめの把握のためのアンケート調査の調査票も公文書として取り扱い、適正に管理いただきたい。

 アンケート調査を実施する際には、生徒のアンケート記入後の回収方法なども含め、生徒が回答しやすいよう配慮いただきたい。

▼「いじめ防止対策推進法」および「北海道いじめの防止等に関する条例」にかかる取組

 各学校においては、「学校いじめ防止基本方針」について、地域住民の参画や、生徒からの意見聴取を行うなどして、PDCAサイクルによって、点検・見直しを行っていただきたい。

 また、より実効的ないじめの問題の解決のために、「いじめの防止等の対策のための組織」(いじめ対策委員会)に、心理や福祉の専門家、弁護士、医師、教員・警察官経験者など外部の専門家の参加を進めるとともに、「道いじめ調査委員会」からの提言を踏まえ、PTAや地域住民等学校にかかわりのある方の参加も進めていただきたい。

 保護者や地域住民との情報共有を図ることが重要であることから、資料『学校等におけるいじめの発生状況等の効果的な公表に関する事例~いじめ根絶に向けての保護者や地域住民との情報共有のために』を二十八年二月に作成・配布した。

 各学校においては、本資料を研修やいじめ対策委員会での取組で活用し、いじめの防止等の取組について理解を図っていただきたい。

▼いじめ未然防止モデルプログラム

 『いじめ未然防止モデルプログラム〈二十八年三月版〉』を作成し、二十八年三月に配布した。

 各学校においては、指定校の実践を参考に、本モデルプログラムの自校での実践を進めていただきたい。

▽同モデルプログラムの活用例

・「活動例のマトリクス」「年間の取組計画例」「活動例」などの指定校の取組を参考にして、自校の教育実践を整理し、取組の重点化を図ったり、取組の関連を明確にしたりする。

・本モデルプログラムの「項目」や「観点」を参考にして、自校のいじめの未然防止に向けた取組を点検・評価し、必要な改善を進める。

・活動例や指定校の取組を参考にして、活動内容を工夫したり、新たな活動を実践したりする。

(道・道教委 2016-04-20付)

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