公立中夜間学級設置に向け報告書 入学要件・広報など課題に 職員定数加配等の支援求める声も 道教委(道・道教委 2016-04-20付)
道教委は、二十七年度文部科学省委託事業成果報告書『中学校夜間学級の充実・改善等への取組事業~北海道における公立中学校夜間学級の設置に向けて』をまとめた。道内の自主夜間中学生徒などへのアンケート調査結果、公立中学校夜間学級の設置の課題、スケジュール例などを掲載。設置者となる市町村の課題として、入学要件および入学の仕組み、校舎や教室の確保、住民に向けた広報の検討などを挙げた。国に対する要望として、設置の手順を示した手引の作成・配布や職員定数加配など、設置に向けた支援策の必要性を指摘した。
二十二年国勢調査によると、本道における未就学者(小学校を卒業していない人)は、七千三百七十四人と全国で二番目に多く、道内百七十九市町村中、九二%に当たる百六十五市町村に未就学者がおり、うち札幌市は二千一人と最も多いのが現状。
文科省では、「中学校夜間学級は、様々な事情で義務教育未修了のまま学齢を超過した人に対し、学習機会を提供する重要な役割を担っている」としている。一方で、二十八年三月現在、道内で夜間学級を設置している公立中学校はなく、自主夜間中学として活動している団体が、札幌市、旭川市、釧路市、函館市にある。
公立中学校夜間学級は、週一回程度の自主夜間中学とは異なり、三年間、休業日以外毎日通うことで中学校の卒業資格を得ることができる。
道教委では、二十七年度、文科省の委託事業のもと、札幌市教委と連携して中学校夜間学級の設置に向けた調査研究を行い、今回の報告書をまとめた。道内の現状、アンケート調査結果、設置に向けた課題と対応、設置に向けたスケジュール、国への要望などからなる。
自主夜間中学校生徒用アンケートによると、「今通っている自主夜間中学校で十分」「毎日通えない」などの理由によって公立中学校夜間学級に通えないと考えている人もいる一方、学び直しのため公立中学校夜間学級での学習を希望する回答も多数あった。
スタッフ用アンケートからは、約六割が公立中学校夜間学級に通えると思われる人を知っていると回答しており、「設置へのニーズは少なからず存在することが判明した」と報告。
インターネット教育モニターへのアンケート調査結果では、公立中学校夜間学級を知っている人が回答者のうち三分の一程度で、設置促進のためにはニーズ把握と合わせて、広報活動に取り組む必要があることを示した。
道における課題と対応では、教職員の人事・定数・勤務条件などの規定整備、教職員の研修の実施、担当職員への手当の在り方、市町村が円滑に設置できるような援助を挙げる。
設置者となる市町村の課題と対応について、入学要件および入学の仕組み、校舎や教室の確保、住民に向けた広報、入学希望者の把握方法、給食の実施、夜間学級の授業に即した教育課程編成などを検討する必要があることを示した。
設置までのスケジュール例では、広報パンフレット配布、先進地視察、連絡協議会設置、予算要求作業など準備の流れを紹介している。
このほか、国に対して、市町村が具体的な検討を進めるために設置の手順を示した手引の作成・配布、設置準備に対する職員定数加配などの支援策を講じることを求めていくよう助言している。
(道・道教委 2016-04-20付)
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