道教委 全道代表高校長研で所管事項説明 生徒心得見直しなど要請 生徒の政治的活動等にかかわり(道・道教委 2016-04-19付)
道教委主催の二十八年度第一回全道代表高校長研究協議会(十三日、道庁別館)では、各課等の担当者が所管事項について説明した。十八歳選挙権年齢に対応した教育にかかわっては、生徒の政治的活動等について、文部科学省通知を踏まえ、「生徒心得」を見直すなど、適切な対処を求めた。併せて、行事予定の作成に当たり、選挙の投票日に配慮するとともに、生徒に対して、期日前投票や不在者投票等の制度を周知するよう要請した。
説明概要はつぎのとおり。
◆高校教育課
【公立高校入学者選抜】
▼二十八年度入学者選抜
二十八年度入学者選抜については、多くの学校において、円滑に実施していただいたが、一部の学校において、学力検査当日の受検者数を誤って報告した事例があった。
▼二十八年度入学者選抜の概要(第二次募集合格発表時)
募集人員は、全日制が三万四千八百六十人、定時制が二千百三十人、合計三万六千九百九十人。
第二次募集合格発表時の入学予定者数は、全日制が三万一千六百二十一人、定時制が九百六十五人、合計三万二千五百八十六人。
定員に対する充足率は、全日制が九〇・七%、定時制が四五・三%、全定合わせて前年度より〇・二ポイント減の八八・一%となっている。
▼学力検査結果の口頭による開示
開示件数は、前年度より二百三十四件多い七千四百十四件。
開示実施率は、前年度より一・五ポイント増の二七・七%。
▼二十九年度入学者選抜における学校裁量にかかる事項
学校裁量にかかる事項の調査は、二十八年三月二日付教高第二〇五六号で依頼した。調査結果を取りまとめたあと、六月中旬を目途に公表する予定。
各学校においては、入学者選抜改善の趣旨を踏まえ、学校裁量にかかる事項の一層の改善を図り、学校の特色を生かした選抜を行っていただきたい。
【国旗・国歌の実施】
今春の卒業式においては、式次第や進行など適切に実施された。
引き続き、入学式等における国旗の掲揚および国歌の斉唱について、学習指導要領および二十六年七月二十三日付教義第七〇四号通知に基づき、適切に実施していただきたい。
【教育課程の編成・実施】
▼教育課程の編成・実施
二十八年二月三日付教高第一七八四号通知に基づき、教育課程等の点検を確実に行っていただきたい。本年度も、指導主事による学校教育指導の中で、各学校の状況を把握させていただく。
▼授業時数の確保
一単位当たりの実施すべき各教科・科目の標準の授業時数は、学習指導要領において三十五単位時間と明確に示されており、公立の教育機関として、この基準を順守するのは当然。各学校においては、定期的に授業の実施状況を確認し、年度当初に予定した授業時数を確実に実施していただきたい。
▼土曜日授業
土曜日授業は、授業時数が増加し、学習内容の確実な定着や発展的な学習の充実などが図られることから、各学校の実態に応じて、土曜日授業を活用いただきたい。
実施する場合には、各学校において、校内の指導体制を確立するとともに、保護者および地域住民に対して十分説明し、理解と協力を得ながら実施していただきたい。
▼疾病等によって特別な支援を必要とする生徒への対応
疾病等によって特別な支援を必要とする生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、教員はもとより、周囲の生徒の十分な理解のもと、個々の生徒のニーズに応じたきめ細かな支援を行っていただきたい。
単位の認定に当たっては、個別指導や添削指導など、学習指導の工夫、当該生徒の疾病等の状況を十分に考慮した評価方法の工夫、進級や卒業に必要な出席時数等にかかる校内規程の見直しなど、適切に対応いただきたい。
▼教科書採択
教科書の選定においては、「教科書採択に関する基本方針」および「教科書の採択に関する観点」によって、適切に行っていただきたい。
各学校においては、教科書の選定結果の報告、および需要数報告の手続きなどにおいて誤りがないよう、学校での確認・点検体制を確立することが求められる。教育長の採択後に、教科書の変更や追加がないよう適切に行っていただきたい。
▼生徒指導要録の取扱い(校務支援システム)
国が推進する「校務の情報化」にかんがみ、校務支援システムによる生徒指導要録を正式なものとするため、二十六年五月三十日付教高第三六四号教育長通達で、「高校生徒指導要録の改訂について」の一部改正を行ったので、同通達に基づき対応いただきたい。
▼道高校教育課程改善協力員
『教育課程編成・実施の手引』の作成委員や「教育課程研究協議会」の助言者を依頼してきた副校長、教頭および教諭について、一昨年度から「道高校教育課程改善協力員」として年度当初に委嘱しており、本年度も協力員の派遣について依頼するので、配慮いただきたい。
▼生徒の英語力向上に向けた取組
国は二十七年度から、英語担当教員の英語力の状況、学校の「CAN―DOリスト」形式での学習到達目標の整備状況、授業における英語担当教員の英語使用状況について、都道府県別の結果を公表し、二十八年四月四日、生徒の英語力についても都道府県別の結果を公表した。今後、「CAN―DOリスト」形式での学習到達目標の設定や、授業における英語担当教員の英語の使用など、生徒の英語力向上に向けた取組を推進するよう取り組んでいただきたい。
▼ICTを活用した指導力の向上
国が、毎年二月に実施している「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」において、本道の高校におけるICTを活用した指導力は、全国平均をやや下回っている状況。
各学校においては、教員がICTの特性を理解し、効果的な活用方法を身に付けることができるよう、校内研修を行うとともに、高校教育課が作成した『道高校ICT活用実践事例集』を活用して、ICTを活用した指導力の向上に取り組んでいただきたい。
▼選挙権年齢引下げへの対応
▽高校等における政治的教養の教育と高校等の生徒による政治的活動等
学校における政治的教養を育む教育と生徒による政治的活動等にかかわる対応については、これまでも説明してきたとおり、二十七年十一月五日付教高第一一九六号通知「高校等における政治的教養の教育と高校等の生徒による政治的活動等について」(二十七年十月二十九日付二七文科初第九三三号通知を添付)に基づき適切に実施されるよう、通知の内容等を教職員へ周知徹底いただきたい。
また、つぎに示す関係資料等を積極的に活用いただきたい。特に、『私たちが拓く日本の未来』については、生徒の入学から卒業までを見通して、計画的に活用いただきたい。
※関係資料
・『私たちが拓く日本の未来』(総務省および文部科学省、二十七年九月)
・『私たちが拓く日本の未来〈活用のための指導資料〉』(総務省および文部科学省、二十七年九月)
・『〝高校等における政治的教養の教育と高校等の生徒による政治的活動等について(通知)〟に関するQ&A(生徒指導関係)』(文部科学省、二十八年一月)
・『高校等の生徒向け副教材〝私たちが拓く日本の未来〟等の活用について』(道教委、二十七年十二月)
▽生徒心得などの見直し
二十七年十月二十九日付二七文科初第九三三号通知「高校等における政治的教養と高校等の生徒による政治的活動等について」の発出に伴い、放課後や休日等に学校の構外で行われる高校生による政治的活動等については、家庭の理解のもと、生徒が判断し、行うものとしている。
生徒の学業や生活などに支障があると認められる場合や、学校教育の円滑な実施に支障があると認められるなどの場合には、学校において適切に指導を行うことが求められている。
生徒の政治的活動等にかかわっては、こうした考え方を十分踏まえ、「生徒心得」などの規約が以前の通知の趣旨を反映したままの場合には見直すなど、適切に対応していただきたい。
見直す際には、学校評議員やPTAなどから意見聴取を行うなど、家庭や地域との連携を図っていただきたい。
▽外部講師の活用
外部講師の活用として、選挙管理委員会、税理士会、行政書士会、議会事務局などに依頼し、生徒に具体的なテーマについて考察させることなどが考えられる。
外部講師の活用については、二十七年三月二十七日付教義第一九七九号通知「学校における外部講師の活用について」に基づき、適切に対応していただきたい。
▽七月の投票日を配慮した行事予定の作成
本年度の行事計画の策定に当たっては、投票日が予定されている七月の行事等の設定について留意し、選挙の日程が確定した際に柔軟な対応が可能となる予備日の設定等を検討していただきたい。
また、生徒に対して、期日前投票や不在者投票等の制度についても周知いただきたい。
▼北方領土の学習の充実
▽教員の研修の充実等
二十七年四月二十日付教義第一二九号通知「北方領土問題に関する研修や事業等の周知について」で周知した、独立行政法人北方領土対策協会の行う研修や事業への教員等の参加について、本年度も配慮いただきたい。
また、同協会のホームページに掲載されている動画等の活用について周知いただきたい。
・動画「北方領土エリカちゃん」
・教材「北方領土学習教材集」
▽諸事業への協力
例年、道が実施している「〝北方領土の日〟ポスターコンテスト」および北方領土復帰期成同盟が主催している「〝北方領土を考える〟高校生弁論大会」への応募について、協力いただきたい。
▽アニメ映画「ジョバンニの島」の活用
北方領土における実話をもとに制作された映画「ジョバンニの島」については、北方領土に関する生徒の興味を高め、理解を深める上で有効な素材である。本映画の活用については、二十六年十二月二十五日付教義第一四八五号「北方領土を舞台にした映画「ジョバンニの島」の活用等について」で通知したように、芸術鑑賞会等での上映の検討や図書館用DVDおよび原作図書の配置等に配慮いただきたい。
昨年度は網走桂陽高校、足寄高校、富川高校、霧多布高校の主催で上映会を開催し、高校生のほか、小・中学生や教職員などを含め五百八十七人の方々に視聴していただいた。同映画の活用に感謝申し上げる。
【各種事業】
▼道高校学力向上実践事業(新規事業)
▽教材・学力テスト等
昨年度までの事業(「道高校学力向上事業」)における「コアアビリティ」「ベーシック」「アドバンスト」と同様に、三つのモデルで教材や学力テストを作成・配布する予定。
学力テストおよび学習状況等調査は、二十九年二~三月に、すべての道立高校一年生(登別明日中等教育学校は四回生)を対象に実施する予定。
▽授業実践講座
つぎの両講座の実施にかかわり、会場の提供や講師となるスペシャリストの派遣について、配慮いただきたい。
①教科指導実践講座
・期日=九月~十二月の期間の一日間
・会場=全道二十会場(道内四ブロックごとに五教科を開催)
・内容=アクティブ・ラーニングの視点に基づいた実践的な教科指導力の向上を図る研究授業や研究協議、ワークショップ等
②進学指導実践講座
・期日=九月~十二月の期間の一日間
・会場=全道六会場(国語、数学、英語について、各二会場で開催)
▽ハイレベル学習セミナー
東京大学や北海道大学などの難関大学を目指す高校一年生を対象に、進学に必要な学力の向上と学習意欲の高揚を図るため、ハイレベル学習セミナーを開催する予定。
本年度から、メインセミナー(三泊四日)を一月に深川市(ネイパル深川)で実施するとともに、全道四ヵ所で実施する予定。生徒の参加について積極的に働きかけていただきたい。
▽学習サポート
学習の定着や学習意欲が十分でない生徒を支援することを目的として、希望する道立高校に、放課後の補習等のための学習支援員を配置する予定。
▼学習状況等調査の結果
二十七年度の結果については、全道分を集計し、七月中を目途に送付予定。
今後、各学校においては、全道の集計結果等を活用し、自校の調査結果を分析・活用して、学力向上の取組の充実を図るほか、保護者に成績表を送付する際に同資料を同封するなどして、学校の取組に対して一層の理解と協力が得られるよう配慮いただきたい。
▼地域医療を支える人づくりプロジェクト事業
▽医進類型指定校等連絡協議会
本年度の医進類型指定校等連絡協議会は六月一日(水)に実施予定。指定校および協力校においては、関係の職員の出席について、配慮いただきたい。
▽高校生メディカル講座および地域医療体験事業
「高校生メディカル講座」および「地域医療体験事業」については、昨年度から、同事業の指定校および協力校によって実施することとなった。昨年度の実施に当たっては、関係の学校の協力に感謝申し上げる。
これらの取組については、指定校および協力校において、高校教育課や教育局と連携し、医育大学や総合振興局、道医師会などの協力を得て、内容の充実を図っていただきたい。
医学部への進学を目指す生徒が在籍する学校においては、生徒の参加について、配慮いただきたい。
▽メディカル・キャンプ・セミナー
八月八日(月)~十一日(木)、ネイパル深川、札幌医科大学、旭川医科大学を会場に実施する予定。
内容等については、今後、各医育大学および関係機関等と調整し決定次第お知らせする。
各学校においては、教員の派遣および生徒(二年生)の参加について、配慮いただきたい。
▼スーパーサイエンスハイスクール事業
本年度、文部科学省「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業」の指定校数は、昨年度と同様七校となっている。
▼道環境学習フェア
「道環境学習フェア」については、本年度で七回目の開催となるが、実施時期、内容について検討中であり、決定次第お知らせする。
各学校においては、生徒の参加について、配慮いただきたい。
▼科学の甲子園
本年度で五回目となる「科学の甲子園」は、昨年度同様、一次予選と決勝大会を開催し、全国大会出場校を決定する予定。
各学校においては、本大会への参加について、配慮いただきたい。
▼世界で活躍する人財育成推進事業
▽スーパーイングリッシュキャンプ
高校生を対象として、例年どおり、ネイパル深川で八月と一月に実施する。定員は三十人程度で、申込みが多い場合には、高校教育課で抽選を行う。
本年度は、五月中に募集を開始する見込みである。学校においては、生徒の参加について、配慮いただきたい。
また、道立学校に配置されているALTの派遣について、配慮いただきたい。
▽スーパーグローバルハイスクール(SGH)および国際バカロレア
文科省「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」事業には、本年度、登別明日中等教育学校が指定校を、札幌国際情報高校と滝川西高校がアソシエイトを継続することとなった。指定校の取組や成果等について、成果発表会を実施するほか、初任者研修、十年経験者研修や授業実践セミナーなど、各種研修会を通じて提供することとしており、各学校においては、積極的に活用いただきたい。
国際バカロレアについては、昨年度、国際バカロレアの導入にかかる調査・研究チームを立ち上げて、道立学校での導入に関する具体的な課題等について、継続して調査・研究を進めている。昨年度末には、道立高校の教諭十人が国際バカロレア主催の無料のワークショップに参加した。
本年度も、研究チームによって、道立学校での導入に関する具体的な課題等について、継続して調査・研究を進めていく予定。
▼北の未来を担うグローバル人材育成事業
▽U―18未来フォーラム
本年度から、国際的な視野を広げコミュニケーション能力を養うため、道内の高校生がICTを活用して海外の青少年と交流する「U―18未来フォーラム」を実施する。
国際理解教育に力を入れている学校を中心に、推進校を指定する予定。
今後、詳細について通知するので、推進校としての依頼があった場合には、協力いただきたい。
▽高校生留学フェア
本年度も、全道六会場で実施予定。
道内六会場において留学フェアを開催し、領事館職員による説明および留学経験者からの報告のほか、留学に関する具体的な手続き等の相談会を行う予定。
このフェアのうち、一会場においては、「道高校生留学・海外大学進学セミナー」として、NPO法人「留学フェローシップ」と連携し、海外大学への進学や留学に興味・関心のある高校生を対象に、日本の高校からハーバード大学等に進学した学生によるワークショップを実施予定。
開催時期等について、関係教育局および関係機関(領事館、留学あっせん団体等)と調整の上、決定する予定。
各会場とも、詳細が決定次第お知らせするので、各学校においては、生徒の参加について、配慮いただきたい。
▼消費者教育
昨年度、道消費者協会、道金融広報委員会とともに道教委が主催し実施した「消費者教育支援セミナー」を、本年度は一月に実施する予定。会場、詳細等が決まり次第、各教育局を通じて周知するので、教員の参加について配慮をいただきたい。
▼総合政策部政策局事業「二十八年度出前講座〝北海道の未来を考えよう〟」
現在、道が策定している「新しい総合計画」について、次世代の北海道を担う高校生に対し、自分たちが暮らす北海道の未来づくりへの関心を高めることを目的として、道の総合政策部政策局計画推進課が出前授業を実施する予定。
計画の策定後、あらためて総合政策部政策局から実施の依頼がある。各学校において、出前授業の実施を検討いただきたい。
▼コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)
昨年十二月、中央教育審議会の答申で、学校運営協議会の設置が、任意設置から努力義務に変わることが示されたことを踏まえ、道教委として、導入促進のためのリーフレットを作成。
コミュニティ・スクール導入の目的は、委員から、学校運営や教育活動に意見を述べてもらうなどして、学校運営の改善・充実を図る。
道教委では、二十四年三月に、「道立学校における学校運営協議会の設置等に関する教育委員会規則」を定め、別海高校を二十四年度から、二年ごとに指定し、本年度、再指定した。
【修学旅行の協議】
修学旅行の実施に当たっては、生徒の安全を確保することが必要であると考えており、とりわけ特別な配慮を必要とする生徒が在籍し、旅行中に個別に対応することなどが必要な場合には、早めに教育局を通じて高校教育課へ協議を提出いただきたい。
【特別支援教育】
▼高校における特別支援教育支援員配置事業
昨年度、実施した「教育上特別な支援を必要としている生徒の状況および支援の状況の把握について」の調査結果によって各学校の状況を把握し、本年度は、四月に九校へ支援員を配置。このあと、九月に実施する一年生を対象とする調査結果によって各学校の状況を把握し、予算の範囲内で追加で支援員を配置する予定。
▼高校における個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育研究開発事業(文部科学省委託事業)
一昨年度から上士幌高校が指定を受け、本年度が最終年度となる。教育課程に「自立活動」の領域を設定し、発達障がい等による学習上または生活上の困難のある生徒を対象として、①教育課程の編成・実施②指導内容、指導方法、評価方法および指導形態③特別支援教育に関する教員の専門性の向上―についての研究を行っており、対象生徒については、「〝スキルトレーニング〟(自立活動)の学習を通して、互いに協力しながら取り組む場面が多く、徐々に周囲とのかかわり方に改善がみられる」などの効果がみられている。
昨年度から、本別高校と大樹高校が指定を受け、本別高校が社会性および学力の向上を目的とした研究を、大樹高校が一人ひとりの進路実現を目指すキャリア教育の充実を目的とした研究を行っている。
本年度から特別の教育課程を編成し、「各教科の補充指導」を含め、通級による指導を最大で週八時間行う。
両指定校では、認知特性等の障がいの特性を踏まえ、自立活動の「心理的安定」「人間関係の形成」「環境の把握」「コミュニケーション」の内容を相互に関連させ、具体的な指導内容を設定した指導を行い、発達障がい等による学習上または生活上の困難のある生徒を対象とした、①教育課程の編成②指導内容・方法および評価方法③特別支援教育に関する教員の専門性の向上―について研究を行う。
▼進級・卒業に向けた適切な指導
教育上、特別な支援を必要としている生徒に対しては、チーム・ティーチングや個別指導などによる、きめ細かな学習指導に努めるとともに、定期的に補習を行うなど、生徒の実態に即した様々な方策を講じていただきたい。
単位の認定に当たっては、障がいのあるなしにかかわらず、授業における生徒の取組状況や課題の提出状況、補習の出席状況など、個々の生徒の学習状況を十分に考慮しながら、多面的に評価を行っていただきたい。
【進路指導】
▼二十八年三月公立高校卒業者の就職決定状況(道教委調査、三月末現在)
就職決定率は前年同期比一・〇ポイント増の九七・五%。就職未決定生徒数は八十九人減の二百十九人。
▼就職未決定のまま卒業した生徒に対する指導
各学校においては、就職が未決定のまま卒業した生徒の状況を六月末まで把握し、国や道が行う就職支援策を情報提供したり、ハローワークやジョブカフェ北海道が行う就職相談等の活用を働きかけたりするとともに、進路相談員を積極的に活用するなどして、就職支援の取組に努めていただきたい。
▼進路相談員
各学校の就職に関する取組の支援に資するため、各教育局に一人配置。
各学校においては、生徒への個別面接や進路講話、教職員へのカウンセリング手法等の研修や保護者への職業講話の実施のほか、企業が求める人材等の情報収集や求人の開拓、さらには、ワークルールについての講話などに進路相談員を積極的に活用いただきたい。
▼就職支援教員
「就職指導の改善に関する研究実施要項」に基づき、本年度は月形高校、札幌白陵高校、七飯高校、美瑛高校、音更高校、白糠高校の六校を指定し、就職支援教員を配置。
各指定校においては、近隣の研究協力校と連携し、就職指導の改善に取り組んでいただきたい。
これまでに、指定校となった高校においては、取組の成果を広く普及するとともに、蓄積したノウハウを生かして、引き続き、就職指導の充実に努めていただきたい。
▼二十九年三月新規高校卒業者の就職に関する事項
二十九年三月新規高校卒業者の就職に関しては、本年三月末に開催された道高校就職問題検討会議において、「二十九年三月新規高校卒業者の就職に関する申合せ」がなされ、四月中に通知予定。
二十九年三月新規高校卒業予定者の就職のための推薦および選考開始期日等については、教育委員会公報で近日中に通知予定。
各学校においては、推薦開始期日を厳守し、求人秩序の確立および応募機会の確保に努めていただきたい。なお、高校に対し、早期に選考を行おうとした事業所があった場合は、通知に基づき報告いただきたい。
本年度についても、十一月一日以降は、一人二社まで応募・推薦が可能となっており、各学校においては、この申合せに基づき進路指導を適切に行っていただきたい。
▼高校就職促進マッチング事業
企業や業種に対する理解促進を図る「企業見学会」を実施。
各学校においては、生徒はもとより、保護者に積極的な参加を働きかけていただきたい。
(道・道教委 2016-04-19付)
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