道が総合対策プログラム実施 学卒者の早期離職を防止 本年度から4年間で各種支援
(道・道教委 2016-05-06付)

 道は本年度、「若者早期離職防止総合対策プログラム」をスタートさせる。本道の学卒者の早期離職率が全国を上回る状況にあることを踏まえ、若者の離職を防止し、職場定着を進めるための総合的な取組を、四年計画で実施する。学校・企業・行政の連携による地域ぐるみの取組の強化など三点にポイントを置き、「離職問題に対する道民の意識改革」「在学時・就活時・就職後・離職希望時の各ステージにおける若者、企業双方への支援」「良質で安定的な雇用を生み出す産業(企業)の育成」を三本柱に、小中高連携による体系的なキャリア教育推進事業などの様々な取組を進めていく。

 本道の二十四年学卒者の就職後三年以内の離職率は、高卒者が四八・二%、大卒者が三七・二%。全国と比べると、高卒者で八・二ポイント、大卒者で四・九ポイント上回っている。

 将来のキャリアデザインがない若者の早期離職は、転職できずにフリーター・ニート化し低所得となるリスクや、転職しても労働条件が悪くなるなどして、転職を繰り返すリスクが高まる。一方、企業にとっても、人手不足を助長し、採用コストの増加や技術・ノウハウの継承に影響するなど、若者・企業の双方にとって重要な問題となる。

 道は、こうした問題を踏まえ、学卒者をはじめ若者の離職を防止し、職場定着を進めるための総合的な取組方向を示す「若者早期離職防止総合対策プログラム」を策定した。期間は二十八~三十一年度の四年間。

 プログラムでは、学校・企業・行政の連携による地域ぐるみの取組の強化、在学時・就活時・就職後・離職希望時といった若者の各ステージにおけるきめ細やかな支援、労働・教育・産業政策の連携強化の三点をポイントに置いている。

 取組の柱は三本。柱の一本目「離職問題に対する道民の意識改革」では、離職問題についての企業・保護者向けセミナーを開くなどして意識啓発を集中実施するほか、道内十四地域に地域協議会を設置し、地元就職・定着に向けた支援体制を整備する。

 二本目の「各ステージにおける若者、企業双方への支援」では、在学時に小中高連携による体系的なキャリア教育推進事業の実施をはじめ、小中学生への職業体験イベント実施や企業へのインターンシップ導入の働きかけ等による産業・職業理解の促進、若者への働き方のルールの普及を行う。また、就活時・就職後・離職希望時の各ステージで、支援策を進める。

 三本目「良質で安定的な雇用を生み出す産業(企業)の育成」では、企業の経営改善や企業立地の促進、雇用需要の平準化などを支援する。

 これらの取組について、四年間の工程をつくり、若者の早期離職防止策を進めていく。

(道・道教委 2016-05-06付)

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