道立学校職員ストレスチェック―道教委 7月以降に検査実施へ 3領域、57項目で調査(道・道教委 2016-05-09付)
道教委は、本年度新たに導入する道立学校職員のストレスチェック制度について、七月以降に実施する方針を固めた。検査は、「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の三領域で、計五十七項目を調査する。結果を受けて道教委福利課から校長に就業上の措置を求めるほか、校長は、学校ごとの分析結果をもとに職場環境の改善を図る。六月にも各校長に実施を通知する見通し。
仕事による強いストレスが原因で精神障害を発病し、労災認定される労働者が十八年度以降増加傾向にある中、労働者のメンタルヘルス不調を防止することを目的に労働安全衛生法を改正。二十七年十二月から職員数五十人以上の事業場でストレスチェックの実施が義務化された。
これを受けて道教委では、労働者のストレス程度を把握し、労働者自身のストレスへの気づきを促すとともに、職場改善につなげ、働きやすい職場づくりを進めるため、ストレスチェックを五十人未満の学校を含むすべての道立学校職員を対象に実施することとした。
ストレスチェックは「労働者がメンタルヘルス不調となることを未然に防止することを目的としており、メンタル不調者の発見を一義的な目的とはしない」こととし、民間業者へ委託して実施する。
六月に道教委から、各校長に実施を通知し、校内の衛生委員会で実施要綱に定める目的、実施体制、実施方法、情報の取扱いについて確認し、実施日程等を協議。その結果を受けて校長が職員に通知する。
職員は委託業者のWebシステムを使用し、ストレスチェックの検査を七~八月に行う。検査は、仕事のストレス要因・心身のストレス反応・周囲のサポートの三領域で五十七項目からなる職業性ストレス簡易調査票の質問に答えていくもの。結果はそれぞれにメールで伝えられ、高ストレスの職員で希望者は精神科医師による面接指導を受けることができる。
面接後は、ストレスを軽減し、メンタルヘルス不調を未然に防ぐために職場からの配慮の必要があるかなどについて、医師が道教委福利課へ報告。同課から校長へ、「時間外勤務をさせない」「担当の校務分掌を変える」など、就業上の措置に関する意見書が送られる。
また、同課は学校ごとの集計・分析結果を校長に提供し、職場環境を改善してもらう。五十人以上の職員がいる学校の校長は、ストレスチェックと面接指導の実施状況を所轄労働基準監督署へ報告することとしている。
実施に当たっては、職員個々のID、パスワードが与えられるほか、同意した職員のみ校長に結果提供するなどプライバシーに配慮。すでにメンタルヘルス不調を抱える職員は、ストレスチェックをすること自体が負担になるため、対象外とする。
同課では、対象者が全教職員に検査を受けることを期待し、「ストレスが高いと分かったときには、気分転換など自分に合ったセルフケアをしたり、相談窓口を利用したりしてほしい」と呼びかけている。地方公務員安全衛生研究会の協力でリーフレット『ストレスチェックの実施が義務化されました』も作成し、教職員一人ひとりに配布した。
なお、市町村立学校は設置者が実施主体となる。
(道・道教委 2016-05-09付)
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