土曜授業推進事業実践校への調査結果―道教委 「授業が分かる」増加 負担増に配慮した教育課程編成を
(道・道教委 2016-05-06付)

 道教委は、二十七年度文部科学省委託事業「土曜授業推進事業」の実践校における各校の児童生徒、保護者への調査結果をまとめた。二十七年八月と二十八年一月の二回にわたる調査結果をみると、土曜授業の実施によって、「普段の授業が分かるようになった」と、肯定的に回答した児童生徒が増加した。一方で、「土曜日は休みがなくなり疲れる」という児童も増えていることから、道教委では、負担に配慮したカリキュラム編成が大切と分析している。

 同事業は、学校における質の高い土曜授業を推進するため、効果的なカリキュラムの開発、特別非常勤講師や外部人材、民間事業者等の活用を支援するとともに、その成果を普及することを目的に実施した。

 二十七年度は、実践校に指定した小学校十一校、小中学校一校、中学校六校、中等教育学校一校において、国語や算数等の補充的な学習、外部人材や地域の教育資源を活用した活動、体験的・問題解決的な学習などを展開。

 各校では、児童生徒および保護者を対象に、土曜授業に対する意識調査を実施。調査は、二十七年八月と二十八年一月の二回にわたって行い、小学五・六年生の児童約三百四十人とその保護者二百八十五人、中学生九百六十五人とその保護者八百二十五人から回答を得た。

 第二回調査の回答をみると、「普段の授業が分かるようになった」と肯定的に回答した児童は一回目の七〇・五%から七六・三%、生徒は六一・一%から六三・四%に増加した。

 「土曜日の生活が規則正しくなった」という児童は七一・一%から七〇・三%に減少し、生徒は六三・〇%から六五・四%に増加した。

 「土曜日は友達に会えてうれしい」という児童は八二・九%から八七・一%に増えたが、生徒は八三・二%と変わらなかった。

 「土曜日は休みがなくなり疲れる」という児童は六四・九%から六九・三%に増加。生徒は七一・三%から六三・七%に減った。

 「土曜日に地域の行事などに参加するようになった」について、児童は四二・七%から五〇・六%、生徒は三二・一%から三六・四%に増えた。

 保護者の回答をみると、「土曜日の生活が規則正しくなった」と答えたのは、児童の保護者で七六・〇%から八一・五%に、生徒の保護者で七〇・九%から七一・六%に増えた。

 また、「土曜日は子どもが家族と会話したり、一緒に活動したりするようになった」という児童の保護者は五六・五%から五八・〇%、生徒の保護者は四四・五%から四五・六%となった。

 「学校の教育活動が分かるようになった」の設問では、児童の保護者が四八・六%から五三・八%、生徒の保護者が五七・〇%から六〇・〇%に増えた。

 道教委では、中学生は疲労感が減少しているが、小学生の疲労感が増加していることについて、「児童の負担に配慮したカリキュラムの編成が大切」と示している。

 一方で、「保護者は、土曜授業を含む学校の教育活動について十分理解しているとは言えない」とし、保護者や地域住民に対して土曜日の授業の意義やねらい、実施時期、回数、内容について丁寧に説明する大切さを指摘している。

(道・道教委 2016-05-06付)

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