小中一貫教育等３０年度導入へ幕別町教委　本年度から調査研究着手　全中学校区での設置目指す

（市町村 2016-05-26付）

　【帯広発】幕別町教委は本年度、義務教育九年間を見据えた仕組みづくりに向けた調査・研究に着手する。今後の活動としては、教委、校長、教頭、教諭などで構成する「町推進委員会」を、早ければ七月下旬に設置し、小中一貫教育に関する基本方針をまとめる考え。来年度の早い段階で、町内すべての五中学校区を連携エリアとし、それぞれで「エリア委員会」を設置。導入するタイプの選定を含めた具体的な検討を進め、三十年度の小中一貫または小中連携モデル校設置を目指す。

◆７月にも推進委立ち上げ想定

小学校から中学校へ進学する際、学習内容の量的・質的変化や教科担任制への移行など、学習環境の変化などからなる「中一ギャップ」問題が顕在化。こうした課題を解決するため、町教委では、小中一貫教育の在り方を探るとともに、義務教育九年間を見据えた教育活動を行うための仕組みづくりに向けて、本年度から調査・研究を進める方針を固めた。

　本年度は、町教委担当者や教職員などで構成する「町推進委員会」を、七月下旬から八月上旬ごろに設置する見通し。教職員や学校関係者が、道内外の小中連携校、小中一貫教育校、義務教育学校および取組を推進している教育委員会の視察などを行い、年度末には小中一貫教育に関する基本方針をまとめたい考え。

　また、町民に広く周知するため、講演会やフォーラムの開催を計画している。

　二十九年度は、モデル校事業の構想策定とともに、施設整備計画をまとめる見込み。また、五中学校区を連携エリアに設定。エリアごとに委員会を設置し、小中一貫または小中連携のいずれかの導入に向けて、連携内容および教育課程の検討に取りかかる。

　三十年度には、二十九年度に各エリアが定めたタイプでモデル運用を開始。各中学校区が実践を進め、次年度以降の課題・改善点について検討する。将来的な義務教育学校の設立を視野に、取組を進める考え。

　田村修一教育長は「小学校から中学校への進学を円滑に接続し、子どもたちが楽しく学校に通えるように教育環境を整備したい」と話している。

(市町村 2016-05-26付)