28年度特別支援教育基本セミナー 個に応じた指導充実へ 石狩会場―27人参加し研鑚積む
(道・道教委 2016-06-10付)

特別支援教育基本セミナー
セミナーは全道14会場で開かれ400人近くが参加した

 道教委、全道各教育局、道立特別支援教育センター主催の二十八年度「特別支援教育基本セミナー」が五月中旬、全道十四教育局十四会場で開かれた。このうち、道立特別支援教育センターで開かれた石狩会場には、幼・小・中・高、特別支援学校の教職員二十七人が参加。障がいのある幼児児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実に向け、全体講義やコース別の講義・演習などを通して、研鑚を積んだ。

 同セミナーは、地域における特別支援教育の推進をテーマに、「個別の指導計画作成基本コース」と「校内支援体制充実コース」の二部会制で実施。五月中旬、全道十四会場で開かれ、各会場合わせ三百九十三人の教職員が参加した。

 道立特別支援教育センターで開かれた石狩会場には、幼・小・中・高、特別支援学校の教職員二十七人が参加した=写真=。

 はじめに、同センター知的障がい教育室の三瓶聡研究員が「障がい特性の理解とその対応」と題し講義。特別支援教育の理念、各障がいの理解とポイントについて説明・解説した。

 このうち、発達障がい教育のポイントについて、「子どもが理解できるような教材・教具などの工夫」「課題の見通しをもたせるとともに、決まりごとの理解・徹底・定着を図る」を挙げた。

 また、発達障がいのある児童生徒の教育における合理的配慮の観点として、学習上・生活上の困難を改善・克服するため、「別の方法で代替する、ほかの能力で補完する指導を行う」「途中で忘れないように工夫するための指導を行う」ことが必要とした。

 最後に、「特定の子どもへの支援を通して、学級の子どもたちみんなにかかわる」「子どもの“よさ”に気づき、“よさ”を認める場面を通して、支援の手がかりをつかむ」など、「一人ひとりに対するちょっとした支援の仕方を工夫することで、特別支援教育につながっていく」と呼びかけた。

 続いて、石狩教育局義務教育指導班の宮岸尚平指導主事(特別支援教育スーパーバイザー)が「特別支援学級の教育課程の基本的な考え方」について講義した。

 さらに、基本コースと充実コースに分かれ研修を展開。基本コースでは、「障がいのある幼児児童生徒の実態把握と個別の指導計画の作成・活用」「特別の教育課程の実際と教材・教具の工夫」、充実コースでは、「学校のチーム力を生かした校内連携」「小・中学校等と特別支援学校の連携の実際」ついて学んだ。

 最後に、少人数のグループを結成し、日ごろの実践上の課題について、協議を通し解決に迫った。

 受講者からは、「たくさんのアドバイスをもらい、月曜から活用し充実した教育をしていきたい」「校種が異なることで、たくさんの学びがあった」「これまで経験のない仕事に就き、戸惑っていたが、よい勉強の機会となった」などの感想が寄せられた。

(道・道教委 2016-06-10付)

その他の記事( 道・道教委)

道社教委員の会議が道教委に提言 地域とともにある学校を 多様な人材参画で教育支援

道社教委員会議提言  道社会教育委員の会議は九日、道教委に提言「多様な人材の参画による地域の教育支援充実のために~道社会教育委員の会議による調査から見えてくるもの」を提出した。道内全市町村教委を対象とした調査で...

(2016-06-10)  全て読む

マイスターの称号授与 1万単位取得の榎本氏に―道民カレッジ

全道社教主事等研マイスター  二十八年度全道社会教育主事等研修会では、道民カレッジ十五周年記念シンポジウムに先立ち、道民カレッジ学長の高橋はるみ知事がカレッジ生の榎本聰子氏に道民カレッジマイスターの称号を授与した。 ...

(2016-06-10)  全て読む

道教委が全道社教主事等研 地域好きになる学びとは 道カレ15周年記念シンポ

全道社教主事等研開会式  道教委は二・三日、札幌市内のかでる2・7で二十八年度全道社会教育主事等研修会を開いた=写真=。初日には、道民カレッジ十五周年記念シンポジウムを行い、「〝地域を好きになる学び(仮)〟の可能性...

(2016-06-10)  全て読む

課題解決へ認識共有 留萌地域いじめ問題等対策連絡協議会

いじめ問題等対策連絡協  【留萌発】二十八年度第一回留萌地域いじめ問題等対策連絡協議会が一日、留萌合同庁舎で開催された=写真=。管内の教育関係者らが集まり、本年度の取組の重点である子どもの自己有用感を高める取組や、...

(2016-06-10)  全て読む

道教委・柴田教育長が行政視察 特色ある教育に感心 釧路・根室の学校・教委を訪問

教育長視察釧路鶴居小  【釧路発】道教委の柴田達夫教育長が、五月中旬の三日間、教育行政視察として釧路および根室管内を訪れた。管内の教育委員会や学校の特色について理解を深めていた。  初日は、鶴居村立鶴居小学校(...

(2016-06-10)  全て読む

オホーツク局の初任研スタート 106人が能力向上へ研鑚

オホ局初任研  【網走発】オホーツク教育局の二十八年度初任段階教員研修が五月三十日、三日間の一般研修前期を皮切りに始まった。管内の対象者百六人は今後五年間、職務遂行に必要な実践的な内容について研修を行い、...

(2016-06-09)  全て読む

胆振局が公立小・中学運研開く 中核教員の資質高めて 講義やグループ協議などで研鑚

胆振局公立小中運研  【室蘭発】胆振教育局は七~八日の二日間、むろらん広域センタービルで公立小・中学校学校運営研修会を開催した=写真=。胆振・日高・渡島・桧山管内から約五十人が参加。講義・演習やグループ協議など...

(2016-06-09)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 新たに8社1団体と協定 締結企業は66社に―桧山局

家庭教育サポ合同締結式  【江差発】桧山教育局は六日、乙部町商工会で「道家庭教育サポート企業等制度」協定の合同締結式を行った=写真=。新たに八社一団体が加わり、管内では延べ六十六社が協定を締結。家庭教育を支援するた...

(2016-06-09)  全て読む

釧路局がコンプライアンス確立会議 不祥事防止へ共通理解 重点目標・重点取組など確認

釧路局コンプラ確立会議  【釧路発】釧路教育局は一日、二十八年度管内コンプライアンス確立会議を開催した=写真=。管内の市町村教委や小中学校長会、高校長会、特別支援学校長会の代表者が出席。教職員の不祥事等の未然防止に...

(2016-06-09)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 健やかな成長へ手を携え 新たに4社と締結し125社に―日高教育局

日高局家庭教育サポ企業締結  【浦河発】日高教育局は五月下旬、管内四社と道家庭教育サポート企業等制度にかかる協定を締結した。赤間幸人局長が四社を訪問し、各社の代表と互いに連携を深め、子どもの健やかな育ちを支えていくこと...

(2016-06-09)  全て読む