道教委が全道社教主事等研 地域好きになる学びとは 道カレ15周年記念シンポ(道・道教委 2016-06-10付)
人口減少問題に対応した社会教育行政をテーマに掲げた全道研
道教委は二・三日、札幌市内のかでる2・7で二十八年度全道社会教育主事等研修会を開いた=写真=。初日には、道民カレッジ十五周年記念シンポジウムを行い、「〝地域を好きになる学び(仮)〟の可能性を探る」をテーマに協議した。
同研修会は、全道の社会教育主事等が、生涯学習の動向や関連施策等について理解を深めるとともに、本道における生涯学習・社会教育推進上の課題とその解決のための具体的方策について研究協議等を行い、生涯学習・社会教育の振興に資するために開催したもの。道社会教育主事会協議会が後援。
研究テーマは「人口減少問題に対応した社会教育行政の在り方~行政間連携と地域住民との協働に向けた方策について」。
初日の開会式では、柴田達夫教育長があいさつ。本道における人口減少問題の現状やその解消の取組にふれ、「行政間の連携、地域間の連携で、様々なアイデアが出てくることを期待している」と述べた。また、「それぞれが抱える地域の課題やアイデアの情報交換を行いながら、これからの社会教育行政の基礎としてほしい」と呼びかけた。
開会式後、生涯学習推進局生涯学習課の會田大祐主査が「北海道における生涯学習・社会教育の推進のために」と題して説明。人口減少問題に関する研究一年目を振り返るとともに、二年目の方向性を提起。研修の視点として、人口減少問題に対応する地域の担い手づくりのための学びである「地域を好きになる学び(仮)」を掲げた。
続いて行われた道民カレッジ十五周年記念シンポジウムでは、この「地域を好きになる学び(仮)」を取り上げた。
道民カレッジは、道民の専門的で多様化する学習ニーズに対応するため、産学官の連携による生涯学習支援体制を整備し、様々な学習機会を体系的に構築・提供して、道民の生涯学習を振興するとともに、自立した北海道を創造する人材の育成を図ろうと十三年にスタート。道知事が学長、道教委教育長が事務総長を務める。
二十七年度実績では、登録学生が二万七千八百五十人を数え、主催講座の「ほっかいどう学」大学インターネット講座と「ほっかいどう学」地域活動推進講座のほか、連携講座三千二百二十四講座を実施した。
十五周年記念シンポジウムは、北海道大学名誉教授・石狩市社会教育委員長の木村純氏、㈱スポートピア代表取締役社長・ネイパル深川所長の安田光則氏、道民カレッジ生の榎本聰子氏がシンポジスト、生涯学習推進局生涯学習課の阿部隆之主幹がコーディネーターとして登壇した。
木村氏は「他分野と協力して、いろいろな内容を学ぶことと、気軽に楽しく取り組むことが大事」と指摘。道民カレッジの取組については、「地域の課題に結び付いた学習内容を全道に発信しなければ」と述べた。
安田氏は、行政と地域や団体との連携の重要性と難しさを挙げたほか、「これまでのものを継承するだけではなく、常に組織自体が新しく変わっていかなければならない」と提唱した。
榎本氏は、自身の学習活動をもとに、「仲間と学び続けることが大切。多くの人に、地域について学び、地域を好きになってもらえれば」と述べた。
取組のキーワードとして、木村氏は「地域を知る学びから、地域を創る学びへ」、安田氏は「地域、家庭、行政が二等辺三角形のような関係になる」、榎本氏が「社会全体が高齢者の学びを認識する」ことをそれぞれ挙げた。
このあと、初日は、文部科学省生涯学習政策局社会教育課長の西井知紀氏が「地方創生の実現に向けた今後の社会教育行政の在り方~人口減少の時代に社会教育に求められる役割」をテーマに基調講義を行ったほか、研究協議「行政間連携と地域住民との協働に向けた方策について」と社会教育基礎講座「概論編」「企画編」を同時進行で実施。二日目は、研究協議、社会教育基礎講座、全体会を行った。
また、徳島大学大学開放実践センター長で教授の馬場祐次朗氏が「地方創生の時代における社会教育の展開~地域を元気にする社会教育の新しいかたち」と題して講演した。
なお、初日の説明とシンポジウムは道民カレッジ連携講座として行った。
(道・道教委 2016-06-10付)
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