第2期道いじめ問題審議会スタート 具体的な指標の例示を 施策の点検方法など協議
(道・道教委 2016-06-14付)

いじめ問題審議会
学校設置者が実施すべき施策について点検し次年度の改善につなげる

 二十八年度第二回道いじめ問題審議会が十日、道庁赤れんが庁舎で開かれ、第二期の調査審議がスタートした=写真=。「いじめの防止」など、学校設置者が実施すべき施策について、PDCAサイクルで点検し、次年度施策の改善につなげることにしており、その点検方法などについて協議した。委員からは、「具体的な指標例を挙げてほしい」「大学などの研究的機能の活用も必要」などの意見が出た。

 同審議会は、道いじめの防止等に関する条例に基づき、道教委の附属機関として設置。道教委の諮問に応じ、いじめの防止等のための対策の推進に関する重要事項について調査審議を行う。

 第二期委員十人が、ことし四月三十日から二年間の任期で就任し、この日が初会合。

 冒頭、梶浦仁学校教育監があいさつに立ち、「第一期の最後の審議会において、道教委のいじめ防止対策の改善につなげるための点検、分析が必要ではないかとの意見があったことから、本日は、いじめ防止対策の点検方法等について協議いただく」と述べ、きたんのない意見を求めた。

 会長、副会長、いじめ調査部会委員の選出のあと、「いじめの防止等の対策の点検」について協議した。

 まず、事務局が「点検」案を説明した。

 点検対象は、道いじめ防止基本方針で、学校の設置者が実施すべき施策として挙げている「いじめの防止」「いじめの早期発見」「関係機関等との連携等」「人材の確保および資質の向上」「インターネットを通じて行われるいじめに対する対策の推進」の各項目。当該年度の施策目標について、取組実績や指標・データを踏まえ、成果・課題を分析し、次年度の施策の改善につなげるというように、PDCAサイクルで実施する。点検の際には、各施策の実施学校の割合や参加した子どもたちの人数などを指標とする。

 これらの案に対して、委員からは、「具体的な指標例をもっと挙げて、保護者や子どもたち自身にも考えてもらうようにしてほしい」「点検のためには、データを深く読み込んでいく作業が不可欠。大学などの研究的機能の活用も必要」などの意見が出た。

 また、「スクールカウンセラーの活用について、事後対応が多いが、予防的生徒指導でも活用してほしい」「いじめ未然防止モデルプログラムには、新たに判明した事例をどんどん盛り込み、不断にバージョンアップしてほしい」「中学校でのいじめは、小学校の段階ですでにその芽があるケースが多い。問題が大きくなる前に解決できるよう、小・中間の引継が大切」などと、具体的な取組に対する意見もあった。

 第二期委員はつぎのとおり。=敬称略=

▽大崎康二(札幌弁護士会「子どもの権利委員会」副委員長)―部会委員

▽北側理(北広島市社会教育委員の会議委員長)

▽佐藤由佳利(道教育大学大学院教授)

▽中谷通恵(NPO法人お助けネット代表)

▽平野直己(道教育大学准教授)―副会長、部会長

▽保前明美(道PTA連合会)

▽松本惠一(札幌人権擁護委員協議会人権擁護委員)―部会委員

▽三戸和昭(道医師会常任理事)―部会委員

▽宮﨑隆志(北海道大学大学院教育学研究院教授)―会長

▽油田厚生(札幌国際大学短期大学部講師)―部会委員

(道・道教委 2016-06-14付)

その他の記事( 道・道教委)

上川局がコンプライアンス確立会議 重点目標策定へ意見交換 懲戒処分等の状況など確認

管内コンプライアンス確立会議  【旭川発】上川教育局は八日、上川合同庁舎で二十八年度管内コンプライアンス確立会議を開いた=写真=。校長会や教頭会の会長、管内教育委員会連合会などから十三人が出席。全道および管内における懲戒...

(2016-06-15)  全て読む

石狩局が時間外勤務・業務縮減推進会議開く 管理職の意識改革要請 週休日振替など制度改正周知を

石狩管内時間外勤務・業務縮減推進会議  石狩教育局は七日、道庁別館で管内時間外勤務・業務縮減推進会議を開いた=写真=。管内の教育委員会協議会教育長部会や校長会などから九人が出席。二十八年度の重点取組事項として、「月二回以上の定時...

(2016-06-15)  全て読む

十勝局が時間外勤務・業務縮減等推進会議 職員に対する意識啓発を 定時退勤日や強調週間など

時間外勤務・業務縮減等推進会議  【帯広発】十勝教育局は二日、十勝合同庁舎で管内学校職員の時間外勤務・業務縮減等推進会議を開いた=写真=。管内教委連教育長部会などから十三人が出席。本年度の管内重点取組に、「〝定時退勤日〟や...

(2016-06-15)  全て読む

理セン・サイエンスカーがやって来た! 理科の楽しさを肌で体験 豊頃町大津小など2校で

理セン大津小(上)  【帯広発】道立教育研究所附属理科教育センターの移動理科教室が八日、九日に、十勝管内の小学校二校で実施された。うち、八日は豊頃町立大津小学校を訪問。子どもたちは、普段の授業では体験できない観...

(2016-06-15)  全て読む

道教委が公立小中学運研開く―十勝局主管 教務主任の役割への理解深化 道東3管内から70人参加

教育局学運研  【釧路発】道教委の二十八年度公立小・中学校運営研修会が六日から二日間、釧路市内の道東経済センタービルで開かれた=写真=。釧路・根室・十勝管内などから教務・研修担当教諭約七十人が参加。学校の...

(2016-06-15)  全て読む

29年度公立高校入学者選抜 学校裁量問題43校55学科で実施 傾斜配点、札幌北が数・英2倍―道教委発表

 道教委は十日、二十九年度公立高校入学者選抜における学校裁量にかかわる事項と、推薦入学者選抜における普通科の推薦要件を発表した。一般入学者選抜における学校裁量問題は、札幌東陵高校普通科で新た...

(2016-06-14)  全て読む

道社教委員の会議が道教委に提言 地域とともにある学校を 多様な人材参画で教育支援

道社教委員会議提言  道社会教育委員の会議は九日、道教委に提言「多様な人材の参画による地域の教育支援充実のために~道社会教育委員の会議による調査から見えてくるもの」を提出した。道内全市町村教委を対象とした調査で...

(2016-06-10)  全て読む

マイスターの称号授与 1万単位取得の榎本氏に―道民カレッジ

全道社教主事等研マイスター  二十八年度全道社会教育主事等研修会では、道民カレッジ十五周年記念シンポジウムに先立ち、道民カレッジ学長の高橋はるみ知事がカレッジ生の榎本聰子氏に道民カレッジマイスターの称号を授与した。 ...

(2016-06-10)  全て読む

道教委が全道社教主事等研 地域好きになる学びとは 道カレ15周年記念シンポ

全道社教主事等研開会式  道教委は二・三日、札幌市内のかでる2・7で二十八年度全道社会教育主事等研修会を開いた=写真=。初日には、道民カレッジ十五周年記念シンポジウムを行い、「〝地域を好きになる学び(仮)〟の可能性...

(2016-06-10)  全て読む

課題解決へ認識共有 留萌地域いじめ問題等対策連絡協議会

いじめ問題等対策連絡協  【留萌発】二十八年度第一回留萌地域いじめ問題等対策連絡協議会が一日、留萌合同庁舎で開催された=写真=。管内の教育関係者らが集まり、本年度の取組の重点である子どもの自己有用感を高める取組や、...

(2016-06-10)  全て読む