札教研２８年度春の研究集会②英語教育の在り方探る―中学校外国語の全市集会

（市町村 2016-06-20付）

中学校外国語全市集会（八条中）

　札幌市教委は十四日、市内の各学校等で二十八年度札幌市教育研究推進事業（＝札教研事業）の春の研究集会を開催した。各教科等の二十四研究部において、会場ごとに授業公開や講演等を実施。教職員の資質向上や教育の充実・向上を図った。

◆八条中

　中学校外国語の全市集会が、八条中学校（相原正典校長）で開催された＝写真＝。本年度の研究、英語教育の動向に関する報告のほか、道科学大学工学部機械工学科の中村香恵子准教授による講演を通して、今後求められる英語教育の在り方について考えを深めた。

　冒頭、田中正実研究部会長があいさつ。ことしは継続研究二年目となることを踏まえ、「研究推進事業と各校の『学ぶ力育成プラン』をリンクさせながら英語教員の資質向上を図り、その成果を目に見える形で日々の授業に反映させることで生徒に還元したい」と述べた。

　続いて、柳岡拓哉研究部長が本年度の研究について、各区部長が各区の研究テーマ・重点について、市教委の関根昌彦指導主事が英語教育の動向についてそれぞれ説明した。

　このあと、中村准教授が「新しい英語教育の展望―小学校外国語活動と中学校英語をつなぐ」と題して講演を行った。中村准教授は、自らも中学校で教鞭を執った経験から両校の外国語活動の実態を考察。生徒一人ひとりを大切にし、分かるまで丁寧に伝えるといった小学校の英語教育にみられる特徴を実例を交えて紹介した。

　わが国における英語教育改革についても説明。中学校においては、欧州で普及している、〝内容と言語の両方に焦点を当てた学習方法（ＣＬＩＬ）〟を進めることで、アジアトップクラスの英語力を養成していく方針を解説した。

　その上で、中学校の英語教育に求められる役割として、①小学校の学習を踏まえた指導をする②音として認識されたものを文字で確認し、整理して正しく定着させる③正確さや地道な練習、自律した学習の必要性を教える―の三点を挙げた。

　引き続き、各区別集会を行った。

(市町村 2016-06-20付)