札教研２８年度春の研究集会⑤自分の言葉で考える力を―中学校国語・授業公開

（市町村 2016-06-20付）

栄町中２年４組国語授業

　札幌市教委は十四日、市内の各学校等で二十八年度札幌市教育研究推進事業（＝札教研事業）の春の研究集会を開催した。各教科等の二十四研究部において、会場ごとに授業公開や講演等を実施。教職員の資質向上や教育の充実・向上を図った。

◆栄町中・中村教諭

　東区内で中学校国語の会場となった栄町中学校（石岡直樹校長）では、中村紗羅教諭が二年四組「生物が記録する科学―バイオロギングの可能性」を指導した。生物に小型のビデオカメラなどを取り付けて行動や生態を調査するバイオロギングをテーマに、自分の意見を発信する力を身に付けさせた。

　東区中学校国語研究部では、全市の基底研究主題「言語活動を充実させることで、実生活に生きてはたらく言葉の力を育む授業の研究」を踏まえ、研究主題を「言語活動の工夫を通して、自他の言葉の力の高まりを実感できる授業の研究」と設定し、研究を進めてきた。

　公開授業で中村教諭は、本時の目標を「バイオロギングによって明らかになったことから、筆者の主張を整理すること」「筆者の述べるバイオロギングの可能性に対する自分の考えをもつこと」と設定した。

　中村教諭は、バイオロギングについて、エンペラーペンギンやアデリーペンギンの調査で明らかになったことを整理させたほか、ペンギン以外にもマグロやクジラなど、ほかの動物の調査に使われていることを紹介。調査では数少ない個体の結果でしか判断していないことを提示し、効果的な調査なのか疑問をもたせるなど、メリット・デメリットがあることに気づかせた。

　また、生徒に「いろいろな動物のデータを集めて比べることができる」「動物がかわいそう」などメリット・デメリットを発表させ、他者の意見も踏まえてバイオロギングが必要かどうかワークシートに考えをまとめさせた。

(市町村 2016-06-20付)