道小・道中・道P連が緊急要望 教職員定数充実求める 財政制度等審議会の計画に対し(関係団体 2016-06-27付)
道教委を訪れ、柴田教育長に緊急要望書を手渡した
道小学校長会(松井光一会長)、道中学校長会(赤岩輝男会長)、道PTA連合会(佐藤彰会長)は二十三日、高橋はるみ知事、遠藤連道議会議長、柴田達夫道教育長のほか、道内選出の国会議員に対して、教職員定数のさらなる充実を求める緊急要望書を提出した。財務省の諮問機関である財政制度等審議会が示した教職員定数の合理化計画に対して、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、日本PTA全国協議会と連動して提出するもの。三団体は、教育課題が山積する中、「多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うため、教員数の戦略的な充実・確保」「小学校三年生以降、中学校三年生までの三十五人学級実現」などを求めた。
昨年六月に示された財政制度等審議会の「財政健全化計画等に関する建議」では、「今後、当面の間は少子化が進展することが見込まれており、小・中学校の児童生徒の教育条件改善の観点から、統廃合などによって学校規模の適正化を進めつつ、教職員定数については少子化に合わせた合理化を図っていく必要がある」とした。
今後の少子化の見通しを踏まえ、「三十六年度までに三万七千七百人の基礎定数の自然減を反映した上で、四千二百人程度の加配定数を当然減として合理化することが可能」との試算を提示。教職員定数の合理化計画を示すとともに、計画的な教員採用や外部人材の活用を図るよう促した。
これに対し、昨年六月、全連小および道小では道教委に意見書を提出。道中でも全日中と連名で要請書を提出していた。
今回、全連小、全日中および日Pがそれぞれ関係国会議員らに「教職員定数のさらなる充実を求める緊急要望書」を提出したことから、道小、道中、道P連も連名で関係機関へ要望書を提出することとした。
当日、道小の松井会長、道中の赤岩会長、道P連の渡部敏雄事務局長が、知事、道議会議長に緊急要望書を提出後、道教委を訪問。柴田教育長に緊急要望書を手渡し協力を求めた=写真=。
三氏は「チーム北海道として三者が一体となって要望書を提出した」「現場にとって、基礎定数を守っていく、確保していくことは重要」「定数の充実を図り、きめの細かい教育を」と訴えた。
柴田教育長は「我々も含めて、自治体の首長とも連携を深めていくことが重要」「三十五人学級の実現というだけではなく、産業振興や国づくりという視点も含め、絶対に必要という新しい理由付けも必要」とし、「皆さんと一緒に地方からも声を出していかなければならない」と語った。
緊急要望書では「教職員の定数削減は少人数指導や特別な支援を要する児童生徒への対応等で教育環境が悪化する」と危機感を表明。いじめや不登校、専科指導の充実などに向け、「必要な教職員数を戦略的に充実・確保すべき」と要望している。
◆教職員の戦略的確保要請―道小・道中・道P連の緊急要望内容
道小学校長会、道中学校長会、道PTA連合会の緊急要望はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
このたび、全国連合小学校長会および公益社団法人日本PTA全国協議会が別添の「教職員定数のさらなる充実を求める緊急要望書」を、全日本中学校長会が別添の「教職員定数の更なる充実を求める緊急要請書」を関係国会議員および省庁へ提出した。
我々、道小、道中、道P連としては、教職員の定数削減は、少人数指導や特別な教育的支援を要する児童生徒への対応等で教育環境が悪化するものと危機感を抱いているところである。
公立学校の教職員定数については、児童生徒数の減少に合わせて機械的に削減するのではなく、いじめや不登校への対応や専科指導の充実、障害のある児童生徒や外国人児童への対応など、多様な教育課題や地域のニーズに応じた確固たる教育活動を行うために必要な教職員数を、戦略的に充実・確保すべきであると考える。
また、わが国の未来を担う人材育成に携わる立場から、複雑化・多様化する学校現場におけるきめ細かな指導の充実を図るため、小学校二年生だけではなく、小学校三年生以降中学校三年生まで三十五人学級を速やかかつ確実に実現すること、さらには、教職員の安定的・計画的な採用・配置を行いやすくするために、所要の措置を講じることを要望する。
学校現場の実態を理解の上、何卒、支援をいただくようお願い申し上げる。
(関係団体 2016-06-27付)
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