道研がミドルリーダー養成B研修講座 学校運営参画へ力量向上 鳴門教育大・村川教授が講義・演習
(道・道教委 2016-07-08付)

道研ミドルリーダー養成B研修講座
カリキュラム・マネジメントの推進方法について研修

 道立教育研究所は六月中旬の三日間、同所で学校運営「ミドルリーダー養成B」研修講座を開催した。小・中・高・特別支援学校の教務担当教諭など二十五人が受講。二日目、鳴門教育大学大学院の村川雅弘教授が「カリキュラム・マネジメントを核にした学校運営」をテーマに講義・演習=写真=。自校の現状を踏まえたカリキュラム・マネジメントの推進方法について、考えを深めた。

 学校の教育目標を実現するための教育課程の適切な編成・実施の在り方などについて理解を図り、学校運営に主体的に参画し、教育活動を改善・充実する力量の向上を図ることを目的に開催。道内各地から小・中・高校、特別支援学校の教務担当教諭など二十五人が受講した。

 初日、開講式に続いて、同所企画・研修部の田中幹也研究主幹が「学校の教育目標の実現を目指した学校運営」をテーマに講義。学校教育の現状と課題、次期学習指導要領改訂の趣旨や学習指導要領に基づく教育活動の推進について理解を深めた。

 さらに、教育課程の適切な編成・実施にかかわる諸条件および編成・実施の在り方について理解を図るとともに、学校の教育目標の実現を目指した組織的な教育活動の推進の在り方について考察した。最後に、実践交流を通じ自校の現状の把握に努めた。

 二日目は、鳴門教育大大学院の村川教授が「カリキュラム・マネジメントを核にした学校運営」をテーマに講義・演習。カリキュラム・マネジメントの定義として、「子どもや地域の実態を踏まえて、どんな力を育てていくのか、そのための授業づくりをどう進めるのか、組織として考え実践していくこと」と位置付け、「子どもの実態分析をもとに、改革に向けた目標と方法のベクトルをそろえることが大切」と指摘した。

 学級経営において成果につながるコンピテンシーとして、①子どもの課題や問題行動の背景を多面的に理解する②保護者の思いや願いを理解し、子どもに対する前向きの期待を表明する③子ども同士がつながるための多様な場や状況を意図的に設定する―など八点を挙げ、「子どもに力を付けるため、授業づくりの方法をみんなでしっかりと考えていく。大事なのは効率化」と呼びかけた。

 また、田村知子氏が考案したカリキュラム・モデルについて解説。教育目標実現のための基本方針を策定し、各教科および各学級において日々の授業を通して、計画・実施・評価・改善を図る「カリキュラムのPDCA」サイクルで検証することで、「改善を図るとともに、授業改善や効率的なカリキュラム・マネジメントにつながる」と述べた。

 カリキュラム・マネジメントのレベルについて、「教育課程のカリマネ→学校全体」「教科・領域のカリマネ→教科主任」「学年のカリマネ→学年主任」「学級のカリマネ→学級担任」「自己の学びのカリマネ→教員志望学生」を示し、「カリキュラム・マネジメントの基本的な考え方や枠組みは、立場が変わっても普遍的であることが望ましい」とした。

 また、カリキュラム・マネジメント検討用シートを用いて自校を評価。カリキュラム・マネジメントの全体像(構成要素と要素間の関係性)を理解するとともに、自校のカリキュラム・マネジメントにかかわる実践について、良さや課題、改善方策について考えた。

 カリキュラム・マネジメントとワークショップ型研修についても解説。「学習指導要領の中で、校内外の限られた資源(施設・設備、予算、人材等)を活用し、具体的な教育活動を通して、最大限の教育効果を上げる」「教師一人ひとりの経験や知識、専門性をつなげ、形にし、実践をもとに見直し、改善する」ことを利点に挙げた。

 午後からは、学校種ごとに四人ぐらいのチームで、分析用シートに記入したことを発表し、改善点について話し合った。

 三日目は、教育法規と文書事務の基礎に関する講義・演習に続いて、道教委義務教育課教職員研修グループ主幹兼道研企画・研修部研究主幹の神守一志氏が「ミドルリーダーに期待すること」をテーマに講義。最後に、三日間の研修を振り返り、ミドルリーダーとして、学校運営へ参画する意識を高めた。

(道・道教委 2016-07-08付)

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