宗谷管内特別支援学級設置中学校が猿払で合同宿泊学習　働く喜び、肌で感じて　４４人がホタテの箱づくりを体験

（学校 2016-08-02付）

３日間の作業で７０００個以上の箱を製作。仲間と協力することの大切さを学んだ

　【稚内発】宗谷管内中学校における特別支援学級に在籍する生徒四十四人が六月下旬から七月上旬の三日間、猿払村で校外宿泊合同学習に参加した。生徒たちは、ホタテ加工場で製品を収める箱づくりを体験。働くことの意義や喜びを肌で感じるとともに、集団生活の中で協力することの大切さを学んだ。

　この取組は、家庭を離れた集団生活の中で人と交わり、実習を通して働くことの意義や喜びを知ることが目的。猿払村漁業協同組合の協力のもと、昭和五十五年から始まり、ことしで三十六回目を数える。

　開始当初は、稚内市立稚内中学校単独で行っていたが、管内の特別支援学級設置校が徐々に加わり、合同学習として実施するようになった。ことしは十五校から四十四人が参加した。

　初日は、猿払村漁協のホタテ総合加工場を見学したあと、実習として加工場で製造された製品を収める箱づくりを体験した。

　はじめに、日光勝夫工場長に対し、稚内市立潮見が丘中学校三年生の今井嶺君が「あいさつやマナーを守って、一生懸命箱づくりを頑張ります。三日間よろしくお願いします」とあいさつし、同校三年生の菅原葵さんが花を手渡した。

　箱づくりでは、二人一組で一枚の段ボール紙を折っていき、次々と箱を完成させていった。はじめは戸惑いながら作業していた生徒たちもすぐに慣れて、わずかな時間で多くの箱を積み上げていった。

　実習のあとは、猿払村老人憩いの家に移動し夕食を取り、宿泊した。

　二日目以降は、憩いの家から加工場へ通って、引き続き実習を行った。また、二日目の夕食では、猿払村役場や猿払村教委の職員とバーベキューで交流した。

　二泊三日にわたる実習で作った箱は七千個以上。生徒たちは、高く積み上がった箱を目の当たりにし、働くことの喜びや達成感を感じた様子だった。

　稚内中の中尾忠校長は「箱づくりを通して、“自分にもできる”という達成感を味わってほしい。そういった体験を積み重ねていくことがとても大切になる」と話した。

(学校 2016-08-02付)