〝協創〟する生徒育てる 道教育大学附属札幌中が研究大会(学校 2016-07-28付)
16授業を公開
道教育大学附属札幌中学校(佐々木貴子校長)は二十六日、同校で二十八年度教育研究大会を開催した。研究主題「自己を拓き、協創する生徒の育成」のもと、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語、道徳の時間の十六授業を公開。自己を拓き、協創する生徒の育成に向け、積み重ねてきた実践の成果を紹介した。
二十八年度から三ヵ年計画で研究を進めている同校は、その主題を「自己を拓き、協創する生徒の育成」、副主題を「“自律”と“共栄”に向かう学び・“学び舎”の創造」と設定。研究の重点を「“自律”と“共栄”に向かう学びに必要な教科と道徳の時間の手立ての検討と実践」「“社会参画力”を柱とした“総合的な学習の時間”の検討」と据えている。
この日は、一次、二次を合わせて十六の授業を公開。このうち、三年A組の社会「少子高齢化の課題と情報化の進展」(東岳史教諭、生徒数三六人)は、七時間扱いの四時間目=写真=。本時の目標を「奥尻町の出産や子育てにかかわる課題を理解し、その解決に向けた取組を既習事項・諸資料をもとに多面的・多角的に考察することができる」と設定した。
東教諭は、札幌市で出産や子育ての不安・悩みについて何が必要かを考えた前時の内容を振り返ったあと、札幌市と奥尻町の人口ピラミッドを提示。札幌市と比べ、奥尻町の若い女性の人口が少ない理由について考えさせたほか、奥尻町の主な産業や病院の数など、出産や子育てを理由に転居する人がいることを説明した。
出産や子育ての不安・悩みを解決するために、奥尻町ではどのようなことが必要か個人で考えさせた。また、その内容について各グループで整理させ、解決策を検討させた。
全体交流では、各グループがカードに解決策を書き、黒板に掲示。経済や子育て支援、医療など項目ごとに整理させ、実現が可能かどうか検討させた。
また、インターネットを活用して診察するなど住民の出産を支えている医師を紹介。前時で学習した札幌市とは異なる人口構成など、課題解決にはその地域の現状を知り、多面的・多角的に考察する必要があることを理解させた。
授業公開後は研究討議が行われたほか、東京大学大学院教育学研究科の秋田喜代美教授が「これからの授業づくり・学校創り」と題して講演した。
(学校 2016-07-28付)
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