道教育大附属釧路小が研究発表会 内的活動の高まり促す 12授業公開―道内外から380人
(学校 2016-08-04付)

附属釧路小研究発表
4年2組の英語「注文しよう」

 【釧路発】道教育大学附属釧路小学校(阿部美穂子校長)は七月二十五日、同校で教育研究発表会を開催した。道内外から三百八十人の教育関係者が参加。小中連携の研究主題「自ら学ぶ意味を創造できる児童・生徒の育成~内的活動の高まりを促すための工夫」のもと、十二の授業を公開した。

 本年度は、小中連携五ヵ年計画の三年次目。「各教科等の学習において、“○○的興味の出現”を促すために手立てを講じ、各段階の興味の質の高まりに合わせて、“内的活動の高まりを促すための工夫”を講じることによって、子どもが学ぶ意味を創造し、自律性が高まっていくであろう」との研究仮説を立て、研究主題に迫った。

 はじめに、公開授業Ⅰ、Ⅱを実施。このうち、四年二組英語「注文しよう」(種田育未教諭、児童数三二人)は、四時間扱いの四時間目。

 種田教諭は、全体研究とのかかわりから、これまでの単元の序盤にはファーストフード店で注文するときの店員と客のやりとりをする会話表現に出会わせた。中盤では聞く活動、まねる活動、言う活動の順になるように活動構成を工夫し、スムーズにやりとりができるようになった終盤では、商品の種類を多様化し注文することが難しくなるよう壁をつくり、内的活動の高まりを促すための工夫を講じていた。

 本時では、児童たちは「For here or to go?」「Large please」など、前時までに学習した客と店員の会話表現や商品の単語を復習したあと、一枚目のメニュー表(少数の商品ですべて同じ価格)を用いた活動に取り組んだ。

 やりとりがスムーズにできた段階で、二枚目のメニュー表(多数の商品や異なる価格)を使った活動に移った。児童たちはペアになって積極的にコミュニケーションを図っていた=写真=。

 授業の振り返りでは、「はじめは思うように言えなかったけれど、慣れてきたらちゃんと注文できるようになった」と話していた。

 このあと、開会式と全体会に続き、九分科会に移行。授業者は共同研究者の教育大釧路校教員とともに発表に臨み、道教委や釧路市教委、学校長の助言を交えながら参加者は授業の進め方を考えた。

 続いて、千葉大学教育学部の天笠茂教授が「変化する社会に生きる資質・能力とカリキュラム」と題して講演した。

 天笠教授は、文部科学省教育課程企画特別部会が示した「論点整理」にふれ、これからの児童生徒に育成すべき資質・能力として、①何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)②知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)③どのように社会・世界とかかわり、より良い人生を送るか(学びに向かう力、人間性等)―であるとした。その上で、これらを身に付けさせるためには、「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」に取り組んでいく必要があると強調した。

(学校 2016-08-04付)

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