28年3月新規高卒未就職者の状況―道まとめ 63人減で過去最少90人に 6月末現在「何もしていない」は18%(道・道教委 2016-08-16付)
道は、ことし三月に道内の高校を未就職のまま卒業した生徒の状況把握調査を実施し、六月末時点での状況を取りまとめた。未就職者は前年に比べ六十三人少ない九十人と、調査を始めた平成二十二年度以降、最も少ない人数となった。未就職者の状況は、「非正規雇用者として働いている」が前年比三・九ポイント減の四三・八%、「正規雇用者として働いている」が六・六ポイント増の二〇・〇%のほか、「何もしていない」が四・八ポイント減の一八・五%と、調査開始以降、最も低い数値となった。道では今後、道教委などを通じ、学校から未就職者に対して、ハローワークやジョブカフェなどの活用を促していく考え。
道労働局によると、ことし三月新規高卒者の就職内定率(三月末時点)は、前年同期を一・一ポイント上回る九七・九%と、バブル景気だった平成四年三月卒(九八・六%)以来の高水準となった。
道経済部は、二十二年度から毎年度、道教委、札幌市の協力を得て、三月に道内の公立、私立、札幌市立高校を未就職のまま卒業した生徒の六月末時点の状況について追跡調査を実施。今回、二十八年三月新規高卒未就職者の状況を取りまとめた。
ことし三月末時点での未就職者は、前年比百三十九人減の二百六十一人(男子百二人、女子百五十九人)と、二十二年度の調査開始以降、最も少ない人数となった。このうち、二百六十人から回答を得た。
二百六十人のうち九十八人が、三月までに「就職試験を一度も受けなかった」と回答。その割合は三七・七%と、前年より二・二ポイント増加した。
現状(六月末時点)についての回答をみると、「非正規雇用者として働いている(国や道などが実施している体験雇用を除く)」が百十四人、四三・八%で最多。ただ、前年に比べ三・九ポイント減少した。四十八人は「何もしていない」と回答。その割合は四・八ポイント減の一八・五%と、調査開始以降、最も低い数値となった。一方、「正規雇用者として働いている」は六・六ポイント増の二〇・〇%と過去最高を更新。
就職に向けて「何もしていない」理由では、「卒業後、何度も受験したが採用されなかった」が前年比一九・五ポイント増の二七・一%で最も多く、次いで、「自分が何をしたいのかはっきりしない」が一七・四ポイント減の二五・〇%、「希望する勤務地や、希望する職種、業種の就職先がない」が七・二ポイント減の一六・七%、「働く気がない」が〇・九ポイント増の四・二%など。
進学した四人と正規雇用者として働いている五十二人を除いた二百四人のうち、六二・三%に当たる百二十七人が「就職(正規雇用)を希望している」と回答。その比率は前年より一・七ポイント増加。ほかに、「未定」が四十五人(二二・一%)、「進学を希望」が四人(二・〇%)など。
正規雇用者五十二人、非正規雇用者百十四人、進学者四人を除いた、六月末時点の未就職者は前年に比べ六十三人少ない九十人(男子三十四人、女子五十六人)と、調査開始以降、最も少ない人数となった。
卒業後、四月から六月までの学校における就職支援の状況(複数回答)では、「未就職者や保護者と電話などによる状況確認や進路相談を行った」が前年比一・〇ポイント減の六八・一%で、最も多かった。次いで、「ハローワークやジョブカフェ北海道などが行う職業相談や就職面接会などに関する情報を提供した」が二・八ポイント増の一三・〇%など。
道では、前年と比べ未就職者数が大幅に減少したもの、六月末時点においても九十人が未就職で、「何度も受験したが採用されなかった」や、「自分が何をしたいのかはっきりしない」とする人が存在しているほか、非正規雇用者の中には正規雇用を望む人も多いことを踏まえ、道教委、学事課、札幌市を通し、学校から未就職者に対して、ハローワークやジョブカフェ、地域若者サポートステーションなどの活用や、食・ものづくり関連産業への就業促進に向け実施する座学と就業体験の一体事業、合同企業説明会の活用などを促していく考え。
(道・道教委 2016-08-16付)
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