特別支援文教施策要望への道教委回答
(道・道教委 2016-08-26付)

 道特別支援学校長会(五十嵐利裕会長)、道特別支援学校副校長・教頭会(竹内哲会長)、道公立学校事務長会(永井進会長)の二十九年度道文教施策に関する要望に対する道教委の回答はつぎのとおり。

1 文科省施策に関する事項

(1)学習指導要領改訂と教育課程の編成

▽学習指導要領の改訂に伴う各校における教育課程の検討を支援するため、今後、研修会や説明会、学校訪問指導等を通じた情報提供に努めるほか、文部科学省職員を講師とする特別支援学校教育課程説明会(地方説明会)の開催を要請していく。

▽校内研修促進費等については、道財政が厳しい状況にあるが、引き続き、予算確保に向けて努力していく。

(2)義務教育費国庫負担制度の堅持および拡充

▽道教委としては、義務教育費は、義務教育費国庫負担制度の根幹を尊重し、国の責務において、確実に財源を保障するべきものと考え、これまでも国に対して、全国都道府県教育委員長委員協議会や教育長協議会を通して必要な財源が確保されるよう要望を行ってきており、今後とも、引き続き国に働きかけるとともに、知事部局とも連携し、必要な財源の確保に努めていく。

▽特別支援学校においては、在籍する幼児児童生徒の障がいの種類や程度など、各学校の状況に応じて柔軟な対応が可能となるよう設置基準が設けられていないと承知しているが、在籍者数の増加に伴い特別教室を普通教室に転用するなど、狭あい化している学校があることは、子どもたちの学ぶ場として適切な教育環境を確保する上で、改善を図るべき課題と認識しており、今後も、狭あい化解消に向けた取組を進めていく。

2 北海道の特別支援教育の推進に関する事項

(1)インクルーシブ教育の進展―重点

▽インクルーシブ教育システム構築の推進に向けた学校や市町村教委への理解啓発等については、これまで実施した『校内研修プログラム』や『実践事例集』作成・配布の取組に加え、本年度の新規事業「発達障がい支援成果普及事業」の中で、すべての管内に、個別の教育支援計画等の作成と引継ぎに積極的に取り組む「推進校」と「推進地域」を指定しており、今後、本取組の成果について、教育および保健福祉の関係者による合同研修会等の実施等を通じ、道内すべての学校や市町村に普及するなど、引き続き、取組を進めていく。

▽小・中学校、高校等に対する理解啓発等については、「市町村教委就学事務担当者研修会」「特別支援教育充実セミナー」「進路指導協議会」等を開催するとともに、特別支援教育に関する各種リーフレットの発行によって、行政関係者やPTA関係者、保護者の会の方々などに対する啓発を行っており、引き続き、取組を進めていく。

▽小・中学校、高校の管理職員に対する特別支援教育の研修会の実施(必修化)については、現在検討している教職員研修業務の見直しの中で検討していく。

▽スクールクラスターのモデル事業については、国の事業計画を注視しながら、実施について検討していく。

(2)合理的配慮についてのガイドライン

 障害者差別解消法における合理的配慮に関し、各障がい種校ごとの保護者対応にかかる「対応マニュアル」や「ガイドライン」の作成について、一律的なマニュアル等の作成は困難であるが、各学校における対応事例等を集約した『事例集』の作成について、検討していく。

 また、入学者選考における合理的配慮については、募集要項に基本的な考え方を示した上で、個別の対応については特別支援教育課と協議するよう明記していきたい。

(3)特別支援学校の再編―重点・緊急

▽現在、「公立特別支援学校配置計画案」の策定過程や、再編を実施する場合において、特別支援学校長会への説明および意見交換を実施しており、引き続き、情報提供に努めるとともに、連携を図っていきたい。

▽現在、道内の高校では、特別支援学校支援員の配置や通級による指導を行うモデル事業に取り組んでおり、今後とも、高校教育課と連携し、高校における特別支援教育を推進するとともに、その状況をみながら、特別支援学校の配置を検討していきたい。

▽学校再編(小規模校再編)については、「特別支援教育に関する基本方針」に基準を明記しているほか、配置計画等の策定については、進学希望者数に応じて学級および定員を設定するなど一定の基準に基づいており、今後も、基準を踏まえた再編や配置を実施していきたい。

▽翌年度の配置計画で間口増(臨時間口増)とすることが想定される学校に対しては、できるだけ早期に協議することとしており、今後も早期の協議に努めていきたい。

▽特例通学の児童生徒についてのスクールバス運行は、財政状況から困難と考えている。

▽施設併設校の在り方および通学制度については、学校を含めた関係機関による協議において検討していきたい。

 また、星置養護学校紅葉山分教室の分校化については、開設時の考え方を踏まえ、現時点では困難であると考えているが、今後においての課題であると認識している。

▽各振興局管内における校長等連携協議会の設置については、各教育局特別支援連携協議会において、各管内のニーズに応じた内容が扱われるよう、各教育局に要請していきたい。

▽夕張高等養護学校の設置目的や学科の在り方等については、現状や将来的な見通しを十分検討するとともに、地域事情も踏まえながら検討していきたい。

(4)特別支援教育就学奨励費制度の堅持および拡充

▽特別支援教育就学奨励費負担金等の制度充実については、毎年度、全国都道府県教育長協議会等を通じて要望しているほか、道教委単独でも要望しており、今後も継続していきたい。

▽就学奨励費の支給限度額の撤廃については、北海道の厳しい財政状況から道独自の措置を行うことは難しいため、制度の拡充について国に要望していく。

▽就学奨励費は、保護者の実費負担に基づく支給を原則としており、支給対象品目の確認・審査等、適切な事務処理の執行は不可欠であるが、適切な事務処理を担保した上での簡素化の工夫について、各学校からの情報を適宜収集した上で、情報提供に努めたい。

▽「就学奨励費ソフト」は、道教委が作成したものではないため、改善を予定していない。

(5)適切な学びの場の促進と充実―重点

 適切な学びの場における教育の促進を図る施策の推進については、二十八年度から、「推進地域」の取組を合同研修会等で道内の学校や市町村に普及する「発達障がい支援成果普及事業」に取り組んでおり、市町村教委や保健福祉部局が一層の連携を図り、各市町村における相談体制の充実を図るよう努めていきたい。

(6)乳幼児・幼児教育の充実

▽幼稚部の学級編制については、国の定めがないことから、道教委では、単式学級の学級編制基準を小学部に準じて六人としており、視覚障がいや肢体不自由の特別支援学校では三歳児について、聴覚障がい特別支援学校ではすべての年齢について、同一年齢の幼児によって学級を編制する取扱いとしており、幼稚部の教員定数の改善については、財政上困難と考えている。

▽聴覚障がい乳幼児療育事業の継続については、毎年度、予算確保に努めており、今後も同様に要望していく。

▽幼稚部における重複障がい学級の設置については、状況の把握に努めていきたい。

(7)後期中等教育段階における特別支援教育の充実―重点・緊急

▽校長会と連携した特別支援教育の充実・発展については、「北海道の後期中等教育段階における特別支援教育に関する検討会議」や「入学者選考在り方研究協議会」等における検討をもとに、引き続き、校長会と連携を図り、取り組んでいきたい。

▽新しい形の高等部への移行に伴う総合的な見直しについては、「入学者選考在り方研究協議会」および「入学者選考在り方WG会議」等における検討をもとに、引き続き、校長会と連携を図り、取り組んでいきたい。

▽高校における特別支援教育の充実に向けた諸政策の計画と実施については、通級による指導の三十年度からの制度化等の動きを踏まえつつ、高校教育課と連携を図りながら、研修会等の在り方や、指導資料の作成などについて検討していきたい。

(8)中学校における特別支援教育の理解促進と適切な進路指導の推進―重点

▽中学校における適切な進路指導を進めるための支援の促進については、道教委作成指導資料や通知等によって、各中学校に周知しており、「ガイドライン」の作成については、今後の状況を踏まえ、必要性などについて検討していく。

 教育相談等の引率旅費については、財政上困難と考えている。

▽理解啓発を図る施策の実施については、「特別支援教育進路指導協議会」や「ほっとネット」等を通じて理解啓発を図っており、引き続き、心のバリアフリー事業についても、成果の周知に取り組んでいきたい。

 小・中学校、高校の管理職員に対する特別支援教育の研修会の実施(必修化)については、管理職の研修機会の拡充に向け、各管内で実施している進路指導協議会などに出席していただけるよう周知するほか、現在、教職員研修業務の見直しの中で検討していく。

(9)センター的機能のより一層の充実を図るための施策の推進

▽旅費に関することについては、これまでの各学校の特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業等の取組について、あらためて評価を行い、関係課と連携し、予算措置の拡大について検討していきたい。

▽連携に関する事項については、特別支援教育SV研究協議会において、SVの資質向上や地域における連携の促進を伝えており、引き続き、地域の特別支援教育の充実に努めていきたい。

▽コーディネーターの育成および人的措置については、校長会や各教育局等と連携し、特別支援教育に関する指導的な役割を担う人材の育成に努めていきたい。

(10)関係機関と連携した進路支援方策の推進―重点

▽進路開拓や卒後支援等にかかる旅費等についての予算措置の拡充については、財政上困難と考えている。

▽雇用の拡大については、本年度から、「特別支援学校の教育活動をサポートする企業」に登録した企業と双方向の情報提供を行う取組を開始しており、今後も、関係機関との連携を図りながら、進路支援の充実に取り組んでいきたい。

▽合理的配慮の周知については、改正障害者雇用促進法等にかかる今後の国の施策動向を注視しつつ、関係部局とも連携して取り組んでいきたい。

(11)交流および共同学習の円滑な推進

▽各教育局SVによる市町村教育委員会および小中高への連携依頼と具体的活動の推進については、特別支援教育SV研究協議会等において、交流および共同学習の推進等を伝えており、引き続き、各教育局に取組の充実を働きかけていきたい。

▽先進校における成果の還流については、昨年度の『教育課程編成のための手引』において、効果的であった事例を紹介しており、引き続き、情報収集に努め、情報提供していきたい。

▽居住地交流推進のための旅費の措置については、財政上困難と考えている。

▽「バリアフリーモデル事業」や「共生の里づくりモデル事業」等については、本要望を今後の施策に反映するか検討していきたい。

(12)病院等併設校における特例通学制度の整備

▽施設側との協議の促進については、本人・保護者の要望を踏まえ、「児童生徒の入学の時期や区域の在り方」などについて検討し、特例通学の取扱いの見直しを行っていきたい。

▽通学手段の検討や看護師の配置については、今後も、校長会等と連携し、各学校の状況を把握するとともに、必要な財源の確保に努めていきたい。

3 教育的ニーズに応じた特別支援教育の推進に関する事項

(1)安心・安全なスクールバス運行体制の確保―緊急

▽運行中の安全確保のための諸対策の立案と実施については、契約書に事業者だけでなく、学校実施の研修を明記しているが、引き続き、各学校の要望を踏まえ、業務処理要領(共通)の改善などに努めていく。

 責任の所在を含めた問題発生時の対応について、契約上定めのない事項については、学校を含めた道教委とバス事業者が協議することとなる。

▽保護者への説明については、学校ごとの説明は困難であるが、契約の考え方を整理するなど、各学校へ情報提供することについて検討していく。

▽賃貸借契約の予算の増額は、厳しい財政状況ではあるが、今後とも、安全なバスの運行にかかる予算の確保に努めていく。

(2)修学旅行等の引率者数の増

▽修学旅行の引率者数の増については、一律に示すことが難しいことから、今後も、各学校の状況や、児童生徒一人ひとりの障がいの状態等に応じて対応していきたい。

▽配分基準の見直しについては、二十九年度から、職業学科の重軽の学科群が解消されることによる引率者定数について、関係課と連携を図り、各学校の取組に支障をきたさない定数となるよう検討していきたい。

(3)スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカー活用事業の拡充

 スクールカウンセラーの配置については、国のスクールカウンセラー活用事業(国庫補助事業)を活用し、札幌市立を除く道内の公立学校(主に中学校を対象)に配置している。

 また、緊急に児童生徒の心のケア等が必要な場合は、配置校以外にも、スクールカウンセラーを緊急派遣している。

 スクールソーシャルワーカーについては、国のスクールソーシャルワーカー活用事業(国庫補助事業)を活用し、希望する市町村との委託契約によって市町村に配置するほか、委託契約をしていない市町村や道立学校に対しては、道教委で任用したスクールソーシャルワーカーを派遣できる体制を整備している。

 特別支援学校については、二十六年度から、特別な事情を有すると判断された学校に、スクールカウンセラーを配置することとしており、本年度は、十校に通年配置している。

 道教委では、スクールカウンセラーおよびスクールソーシャルワーカーの活用が、いじめや不登校等への対応として効果を上げており、学校の教育相談体制の充実を図る上で重要であると考え、引き続き、国に対して、補助率の引き上げなど、事業の充実を要望していく。

 道財政は極めて厳しい状況にあるが、引き続き、必要な予算の確保に努めていく。

 なお、スクールカウンセラーについては、希望のある学校への配置をより一層充実させるため、任用形態や運用などの工夫改善を図っていくこととしており、スクールソーシャルワーカーについては、大学生に対する現場実習の機会を提供するなどして、引き続き、人材の育成や人材の確保に努めていく。

4 教職員の研修に関する事項

(1)教員免許状の取得機会の拡充

 特別支援学校や特別支援学級に在籍している児童生徒に、一人ひとりの障がいの特性に応じた指導を行うためには、教員の専門性の向上を図ることが必要であり、専門の免許状を所有することが望ましいと考えている。

 このため、道教委では、特別支援学校教諭免許状取得にかかる免許法認定講習について、二十六年度には札幌会場、釧路会場、函館会場、名寄会場の四会場での開催とし、受講定員を拡大するとともに、二十七年度には、聴覚障がい者の領域にかかる免許法認定講習についても、受講定員を拡大した。

 本年度においては、隔年実施としていた視覚障がい者と聴覚障がい者の領域の課程について、既取得免許状に新たな特別支援教育領域を追加する方法として同時に実施することとした。

 今後とも、認定講習の開催地や開催方法などについて、道教育大学等と協議をしながら検討を行うとともに、特別支援学校教諭免許状を取得できる大学の周知など、免許状の取得を一層促進するよう努めていきたいと考えている。

 また、免許法認定講習における聴覚に障がいのある受講者の情報保障については、今後も配慮していく。

(2)専門性向上のための研修事業の充実および校内研修への支援

▽中央研修の参加の旅費については、道の厳しい財政状況の中で、限られた予算ではあるが、可能な限り措置しており、増額は難しいものと考えている。

 研修全体の予算についても、道の厳しい財政状況の中、例えば、校内・地域教職員研修促進費において、二十六年度から比べると、全道で、二十八年度は、約二千万円減となっており、増額は難しいものと考えている。

 また、校内研修にかかる道外からの外部講師の招聘にかかる旅費の措置としては、現在、道内の複数の地域で実施している「地域連携研修」で限られた予算の中で、措置している。

 ICTに関する研修については、本年度、道立教育研究所で、ICTに関する研修講座を六講座開設しており、現在、すべての研修事業で、道立教育研究所で作成した「ICTに関する授業づくりの研究」におけるICT活用事例を研修資料として配布しており、今後も、ICTに関する教員研修について推進していきたいと考えている。

▽医療的ケアにかかる研修の充実については、研修機会の拡充やより効果的な開催地域の在り方について、今後も、医療的ケア実施校長等会議や医療的ケア連絡協議会等と連携し、検討していきたい。

 医療的ケア実施のためのハンドブックについては、実情の把握に努め、内容等の改訂の必要性を含め、検討していきたい。

▽指導等に課題のある職員等については、今後も、各学校と連携を図り、状況の把握に努め、適切に対応していきたい。

(3)寄宿舎指導員、実習助手、介護員の研修の充実

 寄宿舎指導員等への研修機会の確保と内容の充実については、道立特別支援教育センターや各教育局において、寄宿舎指導員等を対象とした研修を実施しており、全庁的な研修業務の見直しの状況を踏まえ、各学校の実情に応じた研修の機会の確保と内容の充実を図っていきたい。

(4)事務職員の資質向上に向けた研修機会の確保と研修内容の充実

 事務職員および職務換職員について、可能な限り研修受講の機会を確保するとともに、資質・能力向上につながる育成・支援の方策を検討していく。

5 施設設備や教育環境の整備に関する事項

(1)安心で安全な学校給食の提供および給食関連運営予算の確保―緊急

 障がいの状態に対応した安心で安全な学校給食の提供については、二十三年度に「学校給食施設の一斉点検」を実施して以降、各教育局が保健所と合同で行う衛生管理指導において、施設設備の状況を把握してきた。

 施設設備の改善ならびに児童生徒数の増加および再調理に対応できる施設設備の計画的な配備については、引き続き、関係課と連携を図りながら検討していく。

 なお、給食関連運営予算については、学校運営費の一部として確保しており、厳しい財政状況にあるが、今後とも、給食が円滑に運営されるよう適正な予算の措置に努めていく。

 また、学校給食における業務委託について対応に不備がある場合は、契約書に基づき、教育局を通して委託業者に是正を求めていただくようお願いする。

 なお、業務従事者に対する教育訓練については、委託仕様書において実施および報告を義務付けているので、教育局から委託業者に報告を求めるようお願いする。

(2)校舎や寄宿舎の改修等の計画的な推進―重点・緊急

 校舎および寄宿舎の改修等については、道の施設整備方針の「原則、道有の建物は新増築を行わないこと」や「適期に大規模修繕を行うなど適切に維持管理しながら法定耐用年数以上使用すること」を基本とし、現在、築後二十年および築後三十五年を目処に大規模改造工事を実施するなど、良好な教育環境の整備が図られるよう、計画的な事業の実施に努めている。

 引き続き、児童生徒の安全面や学校運営等に支障がないよう、大規模改造工事等の事業実施のほか、緊急性の高いものから必要な補修を行うなどしていく。

 なお、今後、二十八年度以降における道の「新たな行財政改革の取組」が策定される予定であり、これを踏まえながら、適切な施設・設備の整備に努めていく。

(3)校務支援システムの改善および情報通信環境の充実

▽校務支援システムとスクールネットとのID、パスワードの一本化は、セキュリティ確保の観点から難しいものと考えている。

 なお、特別支援学校における校務支援システムについては、学校や障がい種ごとに校務の処理状況が大きく異なり、現行の校務支援システムにおいては、まだ、十分に対応できていない。今後、特別支援学校における校務支援システムの一層の活用に向け、他の府県での特別支援学校における校務支援システムの活用事例などを研究するとともに、特別支援学校長会などと連携を図り検討していく。

▽ICTの活用については、現在、各校にリースパソコンを整備しているが、専任の技術者の雇用やメンテナンス、通信費用等については、財政上、新たな予算措置は厳しい状況にある。

▽情報教育機器拡充の対応については、道財政が厳しい中ではあるが、必要な予算確保を検討していく。

(4)学校管理運営予算の確保

▽暖房費等や除雪、排雪にかかる経費については、道財政が厳しい状況にあるが、引き続き、予算確保に向けて努力していく。

 また、予算の適正執行に当たっては、計画的、効率的かつ適正に努めるため、「道立学校における予算の調整配分にかかる事務処理要領」を定めている。

▽学校運営費の配分については、道財政が厳しいことから、二十八年度当初配分において、各学校に対し一般需用費の節約を実施し、各学校の実情に応じた節約をお願いしている。

▽管理運営旅費の配分については、管内別配分単価や学校数等によって積算し、過去の配分額をもとに算出している。

 過不足については、例年執行状況調査を行い、調整配分を行っている。

▽学校備品予算については、道財政が厳しい状況にあるが、引き続き、予算確保に向けて努力していく。

(5)危機管理対策にかかる予算の充実―緊急

▽非常変災等発生時における飲食料の備蓄については、道立学校「業務継続計画」策定の指針等に基づき、各校で個別マニュアルを策定している。

 非常変災等発生時における「給食調理業務委託」については、実情に応じて、適切に対応していく。

▽市町村の危機管理対策担当部門との連携要請については、市町村一律の対応とならないため、各校において、実情に応じ連携していただきたい。

▽自動体外式除細動器(AED)については、突然の心停止が発生した場合に極めて有効な機器であるとされており、特に、学校においては、体育授業や運動部活動など突然死等のリスクが高いことから、不測の事態に備えることが重要であると考えている。

 そのため、道教委では、現在、道立学校全校に一台、AEDを整備しているが、AEDの複数設置については、道財政の厳しい状況から難しいものと考えている。

 緊急時の視覚情報提示装置等については、道財政が厳しい中であるが、学校要望を受け二十五年度に対応してきた。

 なお、今後も必要な予算の確保について検討していく。

6 その他

(1)副校長、教頭、事務長の専決事項の見直し

 副校長、教頭、事務長の専決事項については、「道立学校事務専決代決規程」を定めているが、さらに事務効率を図るべき事項等について、校長会等と連携の上、研究していく。

(2)栄養教諭・学校栄養職員の給食にかかる業務内容・業務量の改善

 業務内容・業務量の改善にかかる方策の実施については、引き続き、栄養教諭や学校栄養職員の業務内容・業務量が適切となるよう、校内における支援体制について、指導助言していきたい。

 また、栄養管理ソフト等の利用については、現時点で特定の栄養管理ソフト等の導入は予定しておらず、学校における利用状況について把握し、対応していきたい。

(3)ミドルリーダーや管理職候補者の育成―重点・緊急

 管理職候補者等の人材確保については、校長会等と連携を図りながら、来年度から再開する道立特別支援教育センター長期研修の成果等を周知するなど、意図的・計画的な人材育成に向けた具体的な方策を検討していきたい。

(4)管理職の待遇改善―重点・緊急

 給与の縮減措置については、二十八年三月に策定された「行財政運営方針~今後の行政改革と財政健全化に向けた取組」として実施していることから、理解願いたい。

(道・道教委 2016-08-26付)

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