道教委２７年度活動状況の点検・評価　「概ね計画どおり」以上は１２本　確かな学力育成「なお一層努力必要」

（道・道教委 2016-08-26付）

　道教委は、『二十七年度道教委の活動状況に関する点検・評価報告書』を取りまとめ、二十四日の教育委員会会議で決定した。個別施策の評価では、十三本の基本方向のうち、「ビジョンの推進に向けた体制づくり」の一本が「計画どおり」、「社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」など十一本が「概ね計画どおり」に進んでいるとの結果が出た。「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」は、「やや遅れ」との評価で、小・中学校での確かな学力の育成について、「授業の改善・充実など、なお一層の努力が必要」とまとめた。

　道教委では、効果的な教育行政の推進に資するとともに、道民への説明責任を果たすため、地方教育行政の組織および運営に関する法律に基づき、事務の管理・執行状況について、学識経験者の知見も活用しながら、毎年度、点検・評価を実施。報告書にまとめて議会に提出・公表し、施策に反映させている。

　二十七年度分についても、「道教育推進計画」改定版（二十五～二十九年度）で掲げた十三の基本方向ごとに、ＰＤＣＡサイクルに基づいて点検し、施策の推進状況を「計画どおり」「概ね計画どおり」「やや遅れ」「遅れ」の四段階で評価した。

　基本方向ごとに結果をみると、「ビジョンの推進に向けた体制づくり」は、「計画どおり」に進んでいると評価した。

　「概ね計画どおり」との評価は、「社会の変化に対応し、新しい時代を切り拓く力を育む教育の推進」など十一本。

　〝徳育〟に当たる「豊かな人間性と感性を育む教育の推進」は、「道いじめの防止等に関する条例」「道いじめ防止基本方針」の趣旨等を普及啓発したことによって、道民全体でいじめ問題に取り組んでいく機運を醸成できたことなどから、「概ね計画どおり」と評価した。

　〝体育〟に当たる「心身の健やかな成長を促す教育の推進」についても、「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の体力合計点が、小・中学校の男女いずれも、前年度より上昇し、全国との差を縮めていることなどから、「概ね計画どおり」となった。

　一方、〝知育〟に当たる「生きる知恵につながる確かな学力を育み、自立した生き方を支える教育の推進」は、「やや遅れ」と評価。「全国学力・学習状況調査」における本道の平均正答率は、改善の傾向がみられるものの、依然として正答数の少ない児童生徒の割合が高く、小・中学校で授業の改善・充実など、なお一層の努力が必要などと分析し、今回の評価となった。

　「遅れ」と評価された基本方向はなかった。

　二十四日の教育委員会会議では、点検・評価結果を踏まえ、「〝北海道のどこに住んでいても、同じ教育を〟という目標を掲げているので、改善のスピードを上げて、そういう教育を保障できるように取り組んでほしい」「学習意欲の向上が大きな課題」など、今後の施策に関する意見が出た。

　点検・評価報告書は、来月、三定道議会開会前日の文教委員会で報告。道教委ホームページでも公開する。

(道・道教委 2016-08-26付)