小学校教員英語力アップ夏季集中セミナー―道教委が初開催　効果的な指導方法習得へ

（道・道教委 2016-08-25付）

中核教員４６人が参加し研鑚を積んだ

　【岩見沢発】道教委は十六日から四日間、ネイパル砂川で二十八年度小学校教員英語力アップ夏季集中セミナーを開催した。道教委独自の事業として本年度から新たに実施するもの。道内各市町村から参加した小学校教員四十六人は、自身の英語力と英語指導力の向上に向けて研鑚を積んだ＝写真＝。

　三十二年度の全面実施が予定されている次期学習指導要領においては、小学校における教科型外国語教育の実施などが盛り込まれる見通しとなっている。

　こうした動きに備え、道教委では本年度から三ヵ年、外国語活動の授業で活用できる実践的英語力・英語指導力の向上を図るため、集中セミナーを開催。道内各市町村で中核を担う小学校および特別支援学校小学部の教員を対象に、オール北海道で教師の英語力向上と、子どもたちが英語に親しみ、表現できる授業づくりの実現を目指す。

　第一回開催となった今回は、道内四十四市町から四十六人の教員が参加した。カナダ・アルバータ州立大学のオレンカ・ビラッシュ教授を講師に、六人のＡＬＴが研修をサポート。オールイングリッシュで研修を行い、英語で話す力、表現する力の育成に焦点を当てて研修した。

　初日、参加者は自身の英語力、英語指導力の向上に向けた課題や目標を整理したあと、自身の趣味、過去や未来の自分をイラストにまとめて英語で自己紹介。時制や単数・複数形などの文法を踏まえ、相手に情報を伝える表現を習得した。

　二日目は、カナダ・アルバータ州が移民向けに発行している英字新聞を教材に、スポーツ、政治、社会問題などのトピックを取り上げて協議。このほか、リズムを付けて英語の歌を歌い、発音、強勢、イントネーションを意識した話し方を学んだ。

　また、絵本や小説など洋書の内容を要約して相手に簡潔に伝えるトレーニングや、英単語一つ一つを身振り手振りで表すことで内容を相手に伝えるジェスチャーゲーム「Ｃｈａｒａｄｅ」を実施。児童が分かりやすいように言い換える英語指導の工夫を学び、ＡＬＴとの効果的なチーム・ティーチングを行う英語力・コミュニケーション能力の向上を図った。

　最終日、参加者は四日間で学習したこと、地域・校内に還元したい内容を振り返った。「小学校の校内研修で活用できるワークショップが多く、とても参考になった」「小・中・高校間の連携や英語の合同研修をするときにも活用できると感じた」などの感想が挙がっていた。

　今後、道教委は、道内各小学校の校内研修で活用できるよう、研修内容を映像資料として提供し、指導方法の普及を図る予定。

(道・道教委 2016-08-25付)