函館美術館開館３０周年記念式典　地域に愛される美術館へ　２００人出席し思いを共有

（道・道教委 2016-08-25付）

昭和６１年の開館以来、３０年間で２０５回の展覧会を開き、２１５万人が来場した

　【函館発】開館三十周年を迎えた道立函館美術館。二十日、同館で記念式典が挙行された。道教委の柴田達夫教育長をはじめとする関係者、地元選出国会議員や道議会議員、市町村首長ら来賓合わせて約二百人が出席。これまでの歩みを振り返るとともに、今後も道南地域の芸術・文化の拠点として、多様な機能を発揮していくことへの思いを共有した。

　同館は、旭川美術館に次いで二番目の道立地方美術館として昭和六十一年九月に開館。展示会はもとより、ワークショップやミュージアムコンサート、ミュージアムシアターなど多彩な事業を催し、地域に根ざした美術館として歩みを刻んできた。

　この間に開催した展覧会は二百五回、来場者は延べ二百十五万人にのぼり、多くの人に美術鑑賞の機会を提供してきた。

　式辞に立った柴田教育長は、三十年間の歩みと成果を振り返り、「今後も道南地域の芸術・文化の拠点として、その役割が果たせるよう、一層努力していきたい」と述べた。

　堤邦雄館長は「今後も地域に愛され、開かれた美術館となるよう、力を尽くしていきたい」と気持ちを新たにした。

　来賓を代表し、渡島総合振興局の三戸部正行局長が高橋はるみ知事、川尻秀之道議が遠藤連道議会議長の祝辞を読み上げ、今後の同館の活動に期待。函館市教委の橋田恭一委員長も、これまでの事業の成果を踏まえ、「さらなる隆盛を」と述べた。

このあと、同館の運営を支えてきたボランティア「いちいの会」に感謝状を贈呈。柴田教育長が石井雅子会長に手渡し、長年にわたる協力に謝意を示した。

最後に、三十周年を記念した展覧会「道南の美術セレクション」開会に際し、柴田教育長、堤館長ら七人がテープカットを行った。

　なお、記念イベントして同館の初代学芸員だった道立帯広美術館の五十嵐聡美学芸課長が特別講演に立ち、江戸時代後期の画家・蠣崎波響の人物像や作品にまつわるエピソードなどを紹介。展覧会の特別観覧やミニコンサートも催された。

　道南の美術セレクションは十月二日まで。蠣崎波響展と「書家の句」展も同時開催している。

(道・道教委 2016-08-25付)