札幌市小学校教頭会全市研修会　教育課題の解決策共有　市教委・引地学校教育部長が講演

（関係団体 2016-09-05付）

札幌市小学校の課題と解決策について講演

　札幌市小学校教頭会（末原恵蔵会長）は八月二十四日、市内のちえりあで第二回全市研修会を開催した＝写真＝。札幌市教委の引地秀美学校教育部長が「札幌市小学校の課題と解決策」と題して講演。参加者は本市の小学校が抱える課題とその解決策について学んだ。

　冒頭、末原会長があいさつ。七月に行われた第五八回全国公立学校教頭会研究大会徳島大会にふれ、「それぞれの学校が抱える教育課題を共有することで、自校における課題解決に大きく役立った」と成果を述べた。

また、教頭職について「〝ひとり職〟と言われることが多いが、考え方までが独り善がりとなってはいけない」と話し、教頭同士のつながりを大切にするよう求めた。

　続いて引地部長が講演。本市の小学校の課題と解決策として、学校教育の重点などから複数の項目を提示した。「学ぶ力」の育成については学習習慣の定着・学習意欲の向上を課題とし、学校と家庭が一体となった習慣・環境づくりの推進を呼びかけた。

　また、教諭に対しては子どもが自ら考え、判断し、表現する授業や、基礎的・基本的な知識および技能の定着を図る個に応じた指導など、複数の授業パターンをもつことを求めた。

　「豊かな心」の育成としては、いじめ問題への対応、不登校への対応を課題として提示。複数の教諭での組織的な対応を必須とし、早期発見・早期対応を呼びかけた。未然防止の取組としては、自己肯定感や自己有用感、他者を尊重する心を育むなど道徳教育の推進を求めた。

　「健やかな身体」の育成では、全国平均を下回っている体力・運動能力を課題として挙げた。その上で「健やかな身体」育成プログラムの推進を呼びかけ、取組のポイントとして、運動の質の向上、運動の日常化、家庭・地域との連携強化を挙げた。

また、チーム力の向上、人材育成、教諭の負担軽減などの課題についても言及し、様々な取組を紹介した。

　このほか、教頭としてのリーダーシップに関する話題も取り上げた。リーダーに不可欠な熱意・創意・誠意をもつことや、日常の小さな心遣いが大切と呼びかけた。

(関係団体 2016-09-05付)