札幌市北都中が福祉体験授業　共生の意味、体で感じて　肢体不自由の疑似体験など

（学校 2016-09-21付）

右手右足が麻痺しているとの想定で、肢体不自由疑似体験を行った

　札幌市立北都中学校（富川浩校長）は十四日、同校で福祉体験授業を行った。一年生二百十五人が参加。地域ボランティアに関する講座や肢体不自由疑似体験等を通して、一人ひとりが共生社会でどう生きていくかを考えた。

　この取組は、福祉体験を通してバリアフリーの必要性を体感し、普段の生活をより良くしていくための方法を考えることが目的。また、共生社会についての理解を深めるとともに、社会づくりにどう貢献していくか考えさせることをねらいとしている。

　この日、札幌市白石区社会福祉協議会の米田麻衣事務職員が地域見守りサポーター養成講座を実施。米田氏は、高齢者の孤立死や認知症等に伴うはいかい死の増加など高齢化等に伴う福祉課題を挙げ、日常生活で高齢者を見守る地域見守りサポーターが求められる背景を説明した。

　地域見守りサポーターの主な活動としては、「通学途中など日常生活の延長線上で見かける高齢者に目配り・気配りすること」などと紹介。そのポイントとしては、「いつも見かけるのに会わなくなった」「新聞等が数日分たまっている」「見慣れない人物が出入りしている」などを挙げた。

　高齢者の異変を感じた際には、緊急時の対応では消防署・警察署、孤立死の心配などは区役所・地域包括支援センターに連絡するよう求めた。

　このあと、肢体不自由疑似体験や車いす体験を実施した。肢体不自由疑似体験では、生徒は右手右足がまひした状態で歩行。歩行者が倒れないよう、ほかの生徒が介助者としてサポートするなど肢体不自由の大変さを学んだ＝写真＝。

　また、車いす体験では、座り方や操作の仕方、乗り降りする際の説明を受けたあと、二人一組で車いすに乗ったり、押したりした。

　富川校長は「地域の一員としていろいろな人とのかかわりがある中で、どう接するか。高齢者や小さな子どもに優しく手を差し伸べるなど自分で考え、行動できる大人になってほしい」と話していた。

(学校 2016-09-21付)