伝統に新たな息吹を　札幌開成高と札幌開成中等教育学校が継承式

（学校 2016-09-29付）

開成高校の歩みをたどるとともに、築き上げてきた伝統を開成中等教育学校へ受け継ぐ決意を新たにした

　札幌開成高校（石黒清裕校長）と市立札幌開成中等教育学校（相沢克明校長）は二十七日、札幌開成高で継承式を執り行った。両校生徒や教職員、来賓など合わせて一千百六十人が出席。開成高校の歩みをたどるとともに、築き上げてきた伝統を開成中等教育学校へ受け継ぐ決意を新たにした＝写真＝。

　二十四年にスーパーサイエンスハイスクール、二十六年にスーパーグローバルハイスクールの指定を受け、人間性豊かで新しい時代に応じてたくましく生き抜こうとする生徒を育てている札幌開成高。昭和三十七年の開校以来、二万一千人を超える卒業生を輩出してきた。

　この日、式辞に立った石黒校長は同校の伝統を継承する力を「開成力」と表現。来年三月の卒業式をもって幕を下ろす五十五年の歴史を振り返った。

　開成高生には、「これからが頑張りどころ。堂々と自信をもって社会に通用する力を身に付けて」と激励。中等教育学校生に対しては、「開成力に新しい息を吹き込んで“世界の開成”にしてほしい」と求めた。

　続いて、開成中等教育学校の相沢校長が式辞。「式で感じたことを大切にしながら伝統を引き継ぎ、新たな開成の歴史をつくっていこう」と呼びかけた。

　来賓あいさつに立った長岡豊彦教育長は「同校が積み重ねてきた成果は脈々と受け継がれている」と生徒のさらなる活躍に期待。「夢や目標に向かって大きな一歩を踏みだして」とエールを送った。

　第二部では、「ＫＡＩＳＥＩを語る」と題してパネルディスカッションを実施。第五十七次日本南極地域観測隊員の笹森映里氏や、高校生クイズ選手権準優勝の経験をもち、現在は文部科学省に勤務している濱谷安輝護氏ら卒業生五人が高校時代の思い出を語った。

　うち、南極からテレビ電話での参加となった笹森氏は「チャンスを利用し、いろいろな人と出会って知識や経験を積んで」とメッセージを届けた。

(学校 2016-09-29付)