【解説】麻しん風しんワクチン接種状況
(解説 2016-09-30付)

 厚生労働省が公表した二十七年度の「麻しん(はしか)風しん予防接種の実施状況」によると、ワクチンの接種率は、第一期(一歳児)が九六・二%、第二期(年長児)が九二・九%と、第二期の方が低い傾向にあることが分かった。都道府県によっても大きな差がみられた。

 麻しんは、麻疹ウイルスへの感染で引き起こされる感染症で、感染力は非常に強く、免疫抗体をもたない人が感染すればほぼ確実に発症するとされている。現在も致死率は一千人に一人と高く、世界的にも警戒されている感染症の一つ。

 風しんは、風しんウイルスを含んだ飛まつ(咳やくしゃみ、会話などで飛び散るしぶき)を吸い込むことによって感染。感染力が強く、一人の患者から免疫がない五~七人(インフルエンザでは一~二人)に感染させる可能性がある。

 麻しん風しんの予防接種は、平成十八年度から一歳児と年長児(小学校入学前の一年間)の二回接種制度がスタート。MR(麻しん風しん混合)ワクチンの接種が一般的となっている。

 二十七年度のワクチン接種率は、麻しん、風しんともに第一期九六・二%、第二期九二・九%。都道府県別では、麻しん、風しんともに第一期は栃木県九八・七%が最も高く、沖縄県の九二・六%が最低。第二期は新潟県の九七・〇%が最高、鹿児島県の八九・一%が最低。北海道は第一期が九五・八%、第二期が九三・六%。

 厚労省によると、麻しんは麻しん含有ワクチンを接種することで九五%以上の人が免疫を獲得できる。また、二回接種することで、一回の接種では免疫がつかなかった五%未満の人にも免疫をつけることができ、接種後の年数の経過で免疫が低下してきた人にも免疫を増強させる効果があるという。

(解説 2016-09-30付)

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