【解説】文章指導の重要性に応えられず
(解説 2016-10-05付)

 小・中・高校、専門学校の国語科教員の九割が、過去に比べて文章指導の重要性が「高まっている」と感じているのに対し、実際に文章指導が「できている」との回答は三割にとどまることが日本漢字能力検定協会の調査で分かった。

 ことし七~八月、札幌、東京、大阪、広島、福岡で同会が実施したイベントに参加した全国の小・中・高校、専門学校の教員や講師らを対象に、アンケート調査を実施。六百九十一人から回答を得た。回答者の内訳は、国語科四百五十二人、国語科主任百四十三人、進路指導六十三人、その他六十八人。

 これまでと比べて文章指導の重要性が高まっていると思うかとの質問に対し、「大変」(四七・六%)、「やや」(三九・九%)を合わせ八七・五%が「高まっている」と回答。

 一方で、自校での文章指導の状況について、「十分できている」「まあまあできている」と回答した教員は三〇・八%だった。「あまりできていない」(五九・〇%)、「ほとんどできていない」(六・七%)を合わせ六五・七%が「できていない」と考えており、文章指導の重要性の高まりに対して十分には応えられていない現状が明らかとなった。

 文章指導で困っていること(複数回答)は、「文章作成に苦手意識をもつ生徒が多い」が六二・五%と最も多く、「文章指導の時間がとれない」が五一・四%、「自分自身の意見をもたない生徒が多い」三九・四%、「指導の効果測定の方法が分からない」三七・二%と続き、学習者の意識を変えることの難しさや、指導の知識、ノウハウの不足が浮き彫りとなった。

 アンケートを受け、同会では、指導者が教えやすく学習者が学びやすい文章指導の方法やノウハウの普及に一層努めていく考えだ。

(解説 2016-10-05付)

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