どさんこ☆子ども全道サミット 交流増やし相手を理解 いじめ防止に向け行動宣言―道教委
(道・道教委 2016-10-26付)

子どもサミット
全道の意見を「行動宣言」にまとめ上げた

 道教委は二十二日、江別市内の道立教育研究所と全道十四会場を結び、「どさんこ☆子ども全道サミット」を開いた=写真=。「いじめの原因について考え、いじめを防ぐために学校・学級で取り組めることを考えよう!」をテーマに、会場ごとに協議。各会場の意見を集約し、全道の「行動宣言」を、「いじめがなく、みんなが行きたいと思う学校にするために、学級、学校のレクなどを通し、交流の機会を増やすことで、コミュニケーションをとり、さらに相手の気持ちを理解しよう!!」と取りまとめ、全道に発信した。

 同サミットは、本道の子どもたちが、いじめのない明るい学校づくりに向けた主体的な取組について協議し、自らいじめ問題について考えることを通して、より良い人間関係を築く基礎となる社会性や実践力を培うとともに、協議の結果を「行動宣言」に取りまとめて全道に広く発信し、各学校におけるいじめの未然防止に向けた具体的な実践に役立てようと、毎年度開いているもの。

 協議テーマの決定や本部会場・地区会場の司会進行・運営を、高校生の実行委員が行うなど、子どもたちが主体的に参画している。

 本年度は、「いじめの原因について考え、いじめを防ぐために学校・学級で取り組めることを考えよう!」をテーマに設定した。

 当日は、本部会場(石狩会場を兼ねる)の道立教育研究所と各地区会場の道立高校十四校を、ほっかいどうスクールネットを利用したライブ配信とツイッターで結んで開催。全道で八百五十人が参加した。

 冒頭、村田未紅実行委員長(札幌北陵高二年)が「サミットは、小学生から高校生までのいろいろな年代の人たちと話し合うことができる。みんなの意見を吸収し、いじめのない学校を目指していこう」と呼びかけた。

 続いて、MIW工房コミュニケーション・ナビゲーターの姉帯美和子氏が講話に立ち、みんなが安心して話し合うことができるよう、「尊重・対等・守秘」のルールを守り、互いを大切にし合うコミュニケーションを目指すことを求めた。

 会場別の協議は、いじめの原因を考えたあと、いじめ防止に向けた具体的な行動のアイデアを、「○○するために○○しよう」という形でまとめるという流れ。数人ずつのグループで協議した結果を発表し、会場ごとの意見として取りまとめた。

 各会場からは、「相手を理解するために、多くの人と交流しよう」(空知南)、「相手の気持ちを理解するために、自分からコミュニケーションをとって、相手の長所をみつけよう」(石狩)、「対等な立場でお互いを尊重するために、学級・学校のレクなどで交流する機会を増やそう」(渡島)、「相手の気持ちを考えるために、人と話す場をつくり、気持ちを伝え合う行動をしよう」(桧山)、「相手の個性を理解・尊重するために、積極的に話しかけよう、相談に乗ろう」(宗谷)、「個人個人のズレをなくすために、周りを尊重し合えるような環境づくりをしよう」(釧路)などの意見が寄せられた。

 それらをもとに、全道サミットの「行動宣言」を、「いじめがなく、みんなが行きたいと思う学校にするために、学級、学校のレクなどを通し、交流の機会を増やすことで、コミュニケーションをとり、さらに相手の気持ちを理解しよう!!」と取りまとめた。

 参加した子どもたちは、この日の活動を振り返って、「普段、自分の学校では聞くことができない意見を聞いて、勉強になった」「みんなの意見を学校にもち帰り、行動したい」などと感想を話していた。

 運営等に当たった実行委員も、「いじめの根絶に向けて、自分たちの学校で努力を続けたい」「全校挙げて活動に取り組みたい」「きょうの意見を取り入れながら、主体的、積極的に行動したい」などと決意を新たにした。

12会場で地区会議

 この日の午後からは、空知南など十二会場で、「どさんこ☆子ども地区会議」を開き、全道サミットの成果をもとに、いじめ根絶に向けて協議を深めた。この日、「地区会議」を開かなかった桧山と十勝は、十一月五日に開催する予定。

(道・道教委 2016-10-26付)

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