27年度問題行動等調査結果―文科省発表 本道のいじめ5537件 小学校で積極的な認知進む
(道・道教委 2016-10-28付)

 文部科学省は二十七日、二十七年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果を公表した。本道のいじめの状況をみると、札幌市立を含む公立小・中・高校、特別支援学校における認知件数は五千五百三十七件で、対前年度比二千四百五件増加。特に、小学校が二千四百五十件の大幅増となっており、初期段階のいじめを含めた積極的な認知の結果と分析している。一千人当たりの認知件数は、公立で十一・二件。国公私立で十一・三件となっており、全国と比べ五・一ポイント低い。解消率は、公立で九六・九%。国公私立で九六・二%と、全国よりも七・六ポイント高い。

 札幌市立を含む道内の公立学校のいじめの認知件数は、小・中・高校、特別支援学校を合わせて五千五百三十七件。二十六年度に比べ、二千四百五件増加した。

 内訳は、小学校が三千四百八十六件で、二千四百五十件増加。中学校が一千五百八十八件で、十九件減少。高校が四百二十九件で、三十五件減少。特別支援学校が三十四件で、九件増加。

 小学校が大幅に増加しており、その要因について、道教委は、「いじめの定義および認知の重要性について、あらためて徹底したことによって、これまで、友達同士のけんかやいざこざと受け止めていたものや、初期段階のいじめを積極的に認知し報告してきた学校や教員が増えたため」と分析。特に、札幌市において、積極的な認知が進んだという。

 国では、今回の調査で、いじめの認知件数が多い学校について、「いじめを初期段階のものを含めて積極的に認知し、その解決に向けた取組のスタートラインに立っている」と、肯定的に評価している。

 一千人当たりの認知件数は、小学校が十三・九件、中学校が十二・〇件、高校が四・一件、特別支援学校が六・三件で、合計十一・二件。国公私立では十一・三件となっており、全国の十六・四件よりも五・一ポイント低い。

 いじめの解消状況をみると、公立学校では、「いじめが解消しているもの」の割合(解消率)が九六・九%で、二十六年度よりも一・八ポイント高い。「一定の解消が図られたが、継続支援中のもの」が二・四%で、一・五ポイント低い。「解消に向けて取組中のもの」が〇・六%で、〇・一ポイント低い。「その他」が〇・一%で、〇・三ポイント低い。

 国公私立では、「解消」が一・九ポイントアップの九六・二%、「継続支援中」が一・二ポイントダウンの二・八%、「取組中」が〇・五ポイントダウンの〇・八%、「その他」が〇・三ポイントダウンの〇・二%。解消率は、全国の八八・六%に比べ、七・六ポイント高くなっている。

 いじめ発見のきっかけ(十二項目から一項目選択)は、全校種とも、「アンケート調査など学校の取組により発見」が最も多く、次いで、「本人からの訴え」となっている。

 いじめの態様(九項目から複数選択)は、全校種とも、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が最多。次いで、小学校と特別支援学校で「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、けられたりする」、中学校で「仲間はずれ、集団による無視をされる」、高校で「パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる」が多く、全国とほぼ同様の傾向となっている。

 道教委では、「いじめの芽は、どの子にも生じ得る」との認識に立ち、未然防止に向けて、予防的な生徒指導の考え方に立った取組を継続的に行うとともに、早期発見・早期対応を推進。いじめを認知した場合、チームで対応し、本人の安全確保や心のケアを行い、問題の解消に努めるなど、一層の取組を推進していく考え。

(道・道教委 2016-10-28付)

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