小中高一貫ふるさとキャリア教育 連携確立へ共有化など提言 関係者集い連携フォーラム―道教委(道・道教委 2016-10-31付)
「地域との連携・協働体制が組織的・継続的に確立されるための方策」など2点を柱にパネルディスカッションを行った
道教委は、小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業の一環として、二十七日に札幌市内の道第二水産ビルで連携フォーラムを開いた=写真=。同事業研究指定校の校長をはじめ、関連する市町村長・教育長、総合振興局長・振興局長、教育局長などが一堂に会し、意見交換などを通して、事業推進体制の確立を目指した。パネルディスカッションでは、学校と地域との連携・協働体制確立のため、教育課程に位置付けた上での実施や互いのプラス面の共有化、コミュニティ・スクールの仕組みの活用などが必要との意見が出た。取組を他市町村へ広めるために、専門のコーディネーター配置を求める声もあった。
同事業は、地域の未来を担う人材を育成するため、地方自治体や地域の産業界などの関係機関・団体の支援を受けながら、研究指定校で、家庭生活の大切さや子どもを育てることの意義についての学習、小・中・高校間の体系的なキャリア教育に取り組み、本道におけるキャリア教育の充実を図ろうと、二十七年度から三ヵ年計画で実施しているもの。
その一環として開催した連携フォーラムには、百二十四人が参加。ディスカッションなどを通して、事業のねらいや内容への理解を一層深め、研究指定校を中心とした推進体制の確立を目指した。
冒頭、柴田達夫教育長があいさつ。同事業を、「道教委として、非常に思いを込めた施策」と説明し、「人口減少の中で、地域を支える人材を、教育、行政、地域が一緒になって、しっかりと育てていきたい」と述べ、フォーラムの成果に期待を寄せた。
このあと、牧野篤氏(東京大学大学院教育学研究科教授)が「つくる・つながる・暮らし楽しむまち~子ども・若者が主役のまちづくりと生涯学習」と題して基調講演。
また、十四管内別ディスカッションを行い、「地域の自然や産業等の教育資源を生かした取組の充実策」「地域社会や企業などの様々な教育力を生かす横の連携と学年間・学校間の縦の連携を強化する方策」を柱に、参加者が意見を交わした。
そのあとのパネルディスカッションは、牧野氏がコーディネーターを務め、亀野淳氏(北海道大学高等教育推進機構准教授)、佐々木威知氏(㈱セコママーケティング企画部長)、青田基氏(道PTA連合会副会長)、出口寿久氏(北海道大学学務部長)がパネリストとして登壇した。
中では、「地域との連携・協働体制が組織的・継続的に確立されるための方策」について、「一過性のイベントにしない。教育課程に、どのように位置付けていくのかを考えて実施しなければ」「学校と地域・企業とが、互いのプラス面を共有化することが重要」「学校と地域とが連携・協力することが目的ではなく、地域づくりの課題解決が目的。危機感をもった人たちが集まり、協議することから始まる」などの意見が出た。また、学校と地域・企業の連携・協力のため、コミュニティ・スクールの仕組みを活用するとのアイデアを提言するパネリストもいた。
「事業の趣旨を生かした取組をほかの市町村に広めていくための今後の展開」についても協議。パネリストからは、「事業の効果測定を工夫する必要がある」「事業を単なるイベント、職場体験にしてはいけない。小・中・高の十二年間を通した、きちんとしたプログラムを考えなければならない。そのためには、キャリア教育を専門に担当するコーディネーターが必要」などの声が。
また、事業について理解し、当事者意識をもって取り組むため、成果を整理し、好事例として提示する必要性を指摘する意見もあった。
(道・道教委 2016-10-31付)
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