全国学校保健・安全研究大会開く 地域一体で生きる力育む 記念講演や協議に1千人参集(道・道教委 2016-11-01付)
文部科学省、道教委、札幌市教委などが主催
文部科学省、道教委、札幌市教委、日本学校保健会、道学校保健会が主催する全国学校保健・安全研究大会が十月二十七~二十八日の二日間、札幌コンベンションセンターで開催された=写真=。全国各地から約一千人が参加。研究主題「生涯を通じて、心豊かにたくましく生きる力を育む健康教育の推進―生涯にわたり、自ら心身の健康を育み、安全を確保できる子供の育成」のもと、記念講演や、十項目におよぶ課題別研究協議会を実施。学校・家庭・地域が一体となって子どもたちに「生きる力」を育むために研鑚を積んだ。
近年の社会環境や生活環境の急激な変化は、子どもの心身の健康にも大きな影響を与えており、学校生活においても生活習慣の乱れ、いじめ、不登校、ストレスによる心身の不調などのメンタルヘルスに関する課題、アレルギー疾患、性に関する問題行動が深刻化している。また、登下校中の交通事故や事件、校舎からの転落事故への対応など、学校管理下における子どもの安全確保のほか、児童虐待への対応なども重要な課題となっている。
同大会はこれらの課題解決を図るため、学校全体として学校保健・学校安全に取り組む校内の組織体制を整備するとともに、学校・家庭・地域が一体となり、確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和する「生きる力」を育む教育の推進を図るもの。研究の成果を踏まえ、健康教育、安全教育に関する諸課題について研究協議を行った。
開会あいさつでは、主催者を代表して、文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課の和田勝行課長が登壇。児童生徒を取り巻く課題にふれ、「学校全体として学校保健および学校安全を推進できるよう、学校内の組織体制の整備や、地域社会の医療機関や関係機関の専門性を学校教育に生かすなど、学校と家庭、地域が一体となって子どもの健康、安全に関する資質や能力を育成していくことが重要」とした上で、「これまでの貴重な実践をもち寄って研究協議を行うことは、時宜にかなったもの。実り多い大会となるよう期待している」と語った。
日本学校保健会の弓倉整専務理事は「大会を契機に、それぞれの地域において学校と三師会をはじめとする関係機関との連携が深まることを期待する」と大会の成功を祈念した。
道教委の柴田達夫教育長は、児童生徒を取り巻く様々な事件・事故にふれ、「危機管理はもとより、子どもの心のケアも重要な課題となっている」とし、学校・家庭・地域社会が役割分担した上で連携を深めて課題解決に取り組んでいくことが重要と強調した。
祝辞に立った道保健福祉部の村木一行部長は「学校における健康増進の取組などに協力をいただき、地域の将来を担う児童生徒の健やかな成長をともに支えていただきたい」、開催地を代表して札幌市の秋元克広市長が「大会において、研究発表や議論をされることは、学校保健、学校安全の一層の推進のために意義深い。子どもたちが健やかに成長することを願うものの一人として心強い」と述べ、大会の成果に期待した。
引き続き、学校保健・学校安全に顕著な功績のあった功労者に対して文部科学大臣表彰が行われた。
このあと、こころとそだちのクリニックむすびめの田中康雄院長を講師に迎え、「子どもたちの学校生活を護るための校内連携と他職種連携―発達障害、被虐待経験をもつ子どもたちを中心に」と題して記念講演を行った。
二日目は、保健管理、保健学習、心の健康、性に関する指導など十課題別に研究協議会が行われ、参加者は学校保健・学校安全の充実・発展に向け研鑚を積んだ。
(道・道教委 2016-11-01付)
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