道子ども相談支援センター1年間の相談状況 大幅増の4039件受理 「友人関係」の悩み 23%で最多 道教委まとめ
(道・道教委 2016-10-27付)

 道教委は、昨年十月に開設した北海道子ども相談支援センターの相談状況を取りまとめた。ことし九月までの一年間で、電話、電子メール、来所による相談を合わせて延べ四千三十九件の相談を受理。前年同時期に道立教育研究所が受理した相談件数に比べ、一千八百三十七件と大幅に増加した。相談内容は、「友人関係」が二三・六%と最も多く、次いで、「家庭環境」「教職員との関係」「いじめ問題」「不登校」。相談の対象となっている子どもは、「小学生」四四・四%をはじめ、「中学生」「高校生」「乳幼児」の順。道教委では、子どもたちをめぐる問題解決のため、「まずは、センターの利用を」と呼びかけている。

 二十六日に開かれた教育委員会会議で報告した。

 同センターは、いじめや不登校、体罰などの学校等で生じる問題に関する子どもや保護者などからの相談に対して迅速に対応する体制を構築し、問題の解決につなげる支援を行うことを目的に、昨年十月一日開設。

 毎日、二十四時間体制で電話相談を行うのをはじめ、電子メールによる相談、来所相談を道研とともに行っている。

 開設した昨年十月からことし九月まで一年間の相談状況をまとめた。

 それによると、相談受理件数は延べ四千三十九件で、二十六年十月から二十七年九月までの一年間に道研が受理した件数と比べ一千八百三十七件増加した。電話相談が一千五百十九件増の三千五百五十七件で最も多く、メールによる相談が三百十件増の四百六十三件、来所相談が八件増の十九件。

 これらの状況を、実件数(同一相談者から同一内容で複数回の相談があっても一回とカウント)でみると、電話相談が九百八十八件増の二千六十一件、メールによる相談が百九十七件増の二百九十二件、来所相談が八件増の十八件、合計で一千百九十三件増の二千三百七十一件となっている。

 月別では、開設時の昨年十月が延べ件数で六百三十三件、実件数で四百六十五件で最多。ことし五月の四百八十件、三百五十六件がつぎに多い。

 相談受理件数が大幅に増加したことについて、道教委では、「リーフレットや相談カードの配布、ポスターの掲示など、丁寧な周知が効果を上げているのでは」とみている。

 実件数をもとにした分析によると、電話・メール・来所を合わせた相談内容で最も多いのは「友人関係」(二三・六%)。次いで、「家庭環境」(一八・七%)、「教職員との関係」(一五・四%)、「いじめ問題」(九・〇%)、「不登校」(七・一%)の順。

 相談(メールを除く)の対象となっている子どもの内訳は、「小学生」(四四・四%)、「中学生」(三一・四%)、「高校生」(二一・一%)、「乳幼児」(二・二%)となっている。

 小学生に関する電話相談のうち、本人からの相談で多いのは、「友人関係」(二四・一%)、「いじめ問題」(六・〇%)、「家庭環境」(四・七%)。一方、保護者などからは、「家庭環境」(一四・六%)、「教職員との関係」(一四・二%)、「友人関係」(九・八%)の相談が寄せられた。

 中学生の場合、本人から、「友人関係」(一一・一%)、「家庭環境」(四・八%)、「いじめ問題」(三・七%)。保護者などからは、「教職員との関係」(一四・三%)、「家庭環境」(一三・三%)、「不登校」(一〇・三%)の順。

 高校生については、本人から、「友人関係」(九・八%)、「家庭環境」(七・五%)、「学業・進路」(五・八%)。保護者などからは、「家庭環境」(一三・五%)、「教職員との関係」(一〇・七%)、「学業・進路」(七・七%)の相談が多くなっている。

 同センターでは、相談に当たり、「あなたの悩みを聞かせて下さい」「名前を言わなくても相談できます」「秘密は守ります」「相談を専門とする人が悩みを聞いてくれます」の四点を周知し、相談しやすい体制づくりを構築。相談内容によっては、相談者の了解を得た上で、学校や関係機関などと内容を共有するなどして、きめ細かに対応している。道教委では、「まずは、センターを利用していただき、問題解決につなげることができれば」と話している。

(道・道教委 2016-10-27付)

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