第51回道道徳教育研究日高・浦河大会 3つの学習スタイル設定 日高道徳研・和泉部長が発表(関係団体 2016-10-28付)
【浦河発】道道徳教育研究会(=北道研、松井毅会長)主催の第五十一回道道徳教育研究大会日高・浦河大会(二十一日、浦河町立浦河第一中学校など)では、日高管内道徳教育研究会の和泉伸也研究部長(浦河町立浦河東部小学校教諭)が研究発表を行った。「基本」「深化」「創造」の三つの学習スタイルの設定や、指導と評価の一体化の充実などの取組を説明した。
研究発表の概要はつぎのとおり。
▽日高・浦河大会のコンセプト
本会では、道徳教育の要となる道徳授業を核にし、研究によって道徳授業の在り方を深めてきた。
本来であれば、この研究によって深めた理論、実践について研究大会で発表することが中心となる。しかし、いわゆる研究のための研究、研究会用の研究は行わないこととし、研修活動に力を入れることによって、道徳授業を日高管内全体に広める点を重視している。
つまり、研究と研修を一体化させながら進めることによって、道徳授業の質的転換と実質化を図りながら、道徳科の完全実施につなげる。道徳科への通過点として、本大会を位置付けることとした。
▽研究の概要
道徳授業を核にして、北道研が設定した研究主題である「しなやかな心」とともに、道徳科へのかかわりを踏まえ、道徳授業のねらいに向けて、「資料・自分・相手」と「かかわる力を育む道徳の時間の充実」を研究副主題として設定し、五ヵ年計画で進めることとした。
▽本年度の研究テーマ
昨年三月の学習指導要領一部改正によって、「特別の教科 道徳」への移行期を迎えた。
そこで、本会では、これまでの研究の成果の上に立ち、より実践を深めていくことを柱に、つぎの三点を道徳科へのかかわりとして重点テーマに設定することとした。
一つ目は、「資料・自分・相手」とのかかわりを「授業ベース」とすること。二つ目は、ねらいに即して、指導方法を改善・工夫すること。三つ目は、指導と評価の一体化をより一層充実させること。
以上を通して、研究主題である「しなやかな心」に迫りたいと考えた。
▽指導方法の改善・工夫
道徳科の目標および道徳授業のねらいに即した、柔軟でバランスのとれた指導方法の改善・工夫に向け、スタートとなる本年度は、その拠り所として、学習スタイルを設定した。
具体的には、心情共感的な学習などによってねらいに迫るスタイルを「基本」、問題解決的な学習などによってねらいに迫るスタイルを「深化」、指導過程を含めて多様に創造しながらねらいに迫るスタイルを「創造」とした。
いずれの学習スタイルにおいても共通とするのは、目標とねらいに即した改善と工夫である。
▽指導と評価の一体化
道徳授業の評価である学習状況の把握について、児童生徒がどのような学びをすれば、その時間のねらいに迫ることができるのかを想定した「期待する学びの姿」を評価の視点として指導案に位置付けた。
また、「学びの姿」を見取る手段を「評価の方法」として同じく指導案に位置付け、多様な角度から総合的に「個人内評価」することを大切にした。
さらに、こうした児童生徒の学びの評価を教師の授業の評価に生かす、指導と評価の一体化を充実させながら、指導方法の改善・工夫を目指すこととした。
また、本年度は、道徳教育とのかかわりをより意識するため、授業で扱う内容項目を窓口に、年間の教育活動全体を通した「道徳教育で目指す姿」、補充・深化・統合に関連する「他教科等との関連」、道徳性にかかわる成長の様子を把握する「見取りの重点場面」を指導案に位置付け、児童生徒の良さを引き出し、伸ばす評価を行うこととした。
▽研修による道徳授業の実質化
本会では、二十四年度から、「かかわる力を育む道徳の時間」に向け、研究の視点として、「年度の重点テーマおよび重点仮説」を設定するとともに、研修の視点を設定して学習を深める日高管内道徳教育研修会を開催し、仮説検証を通した授業実践を進めてきた。
つまり、研究と研修を一体化させ、本会と各町・個人がかかわりながら、道徳授業の実質化につなげる共同研究体制を整備してきた。
特に、本年度については、一学期を中心に、多数の町や学校において、道徳研修会を開催するとともに、夏季休業中に開催した管内一斉の道徳研修会においては、道徳科に向けた学習会と合わせ、本日公開したすべての授業者の指導案検討をグループに分かれて実施した。
また、研修会後は、検討した指導案を参加者がもち帰り、町や学校、個人単位で追試実践を行い、その成果と課題を本日の授業者の最終指導案に反映する、管内ぐるみでの授業者支援、各町・個人が本大会にかかわる公開授業研究とした。
(関係団体 2016-10-28付)
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