授業の工夫を共有　札幌市道徳教育研究会

（関係団体 2016-10-31付）

２年２組の授業

　札幌市道徳教育研究会（白厩郁子会長）は二十七日、札幌市立米里小学校で全市授業研究会を開催した。会員ら約三十人が参加。授業公開や研究討議を通して、道徳の授業の在り方を考えた。

◆米里小で公開授業

　はじめに授業公開を実施。同校の山田瑞教諭が二年二組の道徳「あきらめないで」を指導した。

　山田教諭は本時の目標を「（かけ算の）七の段に合格し、涙を浮かべたあきこの心情を考える活動を通して、自分の目標に向かって粘り強く努力しようとする心情を育てる」と設定した。

　物語は、友達は合格するもなかなか七の段を合格できないあきこが、何度も練習をして合格するもの。

　山田教諭は、物語を朗読したあと、内容を確認。友達が合格したことや練習しているときのあきこの心情を問い、なかなか合格できないあきこの気持ちに寄り添うことができるよう指導した。また、合格したあきこの目に涙が浮かんだことにふれ、あきこがどうして泣くほどうれしかったのかを問いかけた。

　児童一人ひとりに考えさせたあと、全体交流を実施。「初めて言えたから」「何度も練習したから」「あきらめないで良かったと思ったから」などと発表させた。

　あきこの努力にも着目し、「私も学習発表会を頑張りたい」「人に優しくする」と発表させるなど、児童が自分事として考えるよう工夫を凝らした。

　また、板書では友達が合格した様子やあきこが合格した際に涙を浮かべている絵を提示。友達とあきこの喜び方の違いに気づかせ、発問への理解を深めさせた。

◆より良い授業へ研究の視点確認―研究討議も実施

　研究討議では、冒頭、白厩会長があいさつ。「特別の教科　道徳」の小学校全面実施が三十年度に予定されていることや、三十一年度に全道大会を札幌で開くことにふれ、「今回の研究会を実り多い話し合いにしてほしい」と呼びかけた。

　続いて、中野敬一研究部長が研究概要を説明。研究主題「しなやかな心をもつ児童・生徒の育成」と研究副主題「共感的理解を通して、道徳的価値の自覚を深める道徳の時間の創造」について解説した。

　また、研究の視点として、「つながりを生み出す資料の生かし方」「つながりを深める教師のかかわり」―の二点を据えていることも説明した。

　このあと、授業に関する意見交換を行った。

(関係団体 2016-10-31付)