Ｑ―Ｕで子どもの実態把握　札幌市学級経営研究会が研究大会

（関係団体 2016-11-02付）

盤渓小６年国語の授業を公開

　札幌市学級経営研究会（藤島健志会長）は十月三十一日、札幌市立盤渓小学校（矢嶋一昭校長）で第二十二回研究大会を開催した。六年国語の授業を公開したほか、北翔大学大学院生涯学習学研究科長の山谷敬三郎教授による講演を実施。個々の児童や学級の状態を分析するアンケート「Ｑ―Ｕ」を活用し、子どもの実態に合った授業づくりについて考えを深めた。

　大会主題は「“満足型学級”を目指した学級経営と授業作り」。札幌市教委および道教委が後援している。

　この日の研究授業では、伊藤宣喜教諭が六年一組国語「伝統文化を楽しもう」（児童数一七人）を指導した＝写真＝。

　伊藤教諭は二回にわたるＱ―Ｕの結果から、多くの児童がかかわることができるように交流形態を変更したり、振り返りを通して良い意見や考えを共有したりするなどの工夫を実践してきた。

　本時は六時間扱いの四時間目。その目標を、「発表に向けて“柿山伏”の話し方の工夫を考える活動を通して、狂言独特の所作や表現の面白さに気づき、工夫して読むことができる」と設定し、児童が主体的に取り組む姿を目指した。

　冒頭、「狂言の面白さを伝えられるよう工夫してみよう」と課題を提示。児童が工夫したいと思ったことを書き込んだ付せんを台本に貼らせた上で、グループ間交流を促した。

　実際に劇を練習する時間を取ったあと、各グループの途中経過を交流。友達の発表を聞き合って相互理解を深めさせた。さらに、演者による柿山伏をテレビで上映し、「参考にできそうなところを取り入れるとより面白い演出になる」との見通しをもたせた。

　最後に、多様な視点から振り返りを行うことで友達の工夫に目を向けさせ、認め合う場面とした。

　このあと、討議の柱「学級の実態にマッチした授業になっていたか」のもと研究討議を実施。また、山谷教頭が「Ｑ―Ｕの理解と対応基本編（小・中・高共通）」と題して講演した。

(関係団体 2016-11-02付)