釧路市Ｐ連が第５９回研究大会　家庭・地域の教育力高めて　３００人参加し講演などで研鑚

（関係団体 2016-11-02付）

「２１世紀を担う子どもたちを育てるＰＴＡ活動」を主題に掲げて開いた研究大会

　【釧路発】釧路市ＰＴＡ連合会（住尾盛会長）は十月二十二日、釧路市阿寒町公民館で第五十九回釧路市ＰＴＡ連合会研究大会を開催した。市内の小・中・高校の保護者、教職員、市教委職員など約三百人が参加。大会主題「二十一世紀を担う子どもたちを育てるＰＴＡ活動～自立する子を共に育む家庭と地域の教育力」のもと、講演会を通して学校・家庭・地域の連携強化の必要性を確認した。

　開会式では、住尾会長が登壇。「子どもたちを取り巻く環境が複雑化する中にあっても、私たち保護者はわが子の育ちに責任を負うべき立場であることに変わりはない」と強調した。あらためて、「地域・学校・行政・家庭が連携し、子どもたちの力強い応援団になってほしい」と呼びかけた。

　続いて、釧路市の名塚昭副市長、釧路教育局の青野努次長、釧路市教委の山口隆教育委員長が祝辞を述べたあと、釧路教育局義務教育指導班の小川一法主査が二十八年度全国学力・学習状況調査の結果や全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果について情報提供。「家庭学習の時間が長いほど、学力が高い傾向がみられる」と指摘し、子どもたちの望ましい生活習慣の確立を求めた。

　このあと、「マリモと阿寒湖～火山活動が生み出す特異な生態系の謎を解く」と題して、市教委阿寒生涯学習課マリモ研究室の若菜勇室長が講演した＝写真＝。

　若菜室長は、悪化し続けるマリモの生育状況にふれ、「透明度の低下が大型球状マリモの減少をもたらしている」と危惧。「マリモは北半球の高緯度地方に広く分布するものの、球化・大型化・群生するのは阿寒湖とアイスランドのミーヴァトン湖だけ」と、現状を説明した。

　また、阿寒湖のマリモはなぜ丸いのかについて、地形、底質、風波、水源などの環境が影響しているとし、「マリモは波動によって満遍なく光を受け、放射状に生長することによって球状の集合に発達する」と解説した。

　その上で、若菜氏は「阿寒湖はマリモの培養装置であり、回転装置でもある」と述べ、「特異な自然環境を有する阿寒湖は、世界自然遺産の候補になり得るのではないか」と指摘。参加者は、熱心に耳を傾けていた。

(関係団体 2016-11-02付)