第５１回道道徳教育研究日高・浦河大会　小・中３校で９授業公開①

（関係団体 2016-10-28付）

ロールプレイで相手を思いやる言動を考えた

　【浦河発】第五十一回道道徳教育研究大会日高・浦河大会では、浦河町立浦河第一中学校が一・二・三年生の授業、浦河小学校が二・四・六年生の授業、堺町小学校が一・三・五年生の授業をそれぞれ公開した。ロールプレイの導入など、指導方法を改善・工夫した授業を展開した。

◆ロールプレイ通し実感　相手思いやる言動を―浦河第一中

　浦河第一中の三年Ｂ組（中山麻佳教諭、生徒数二七人）は、「適切な言動」を主題に授業を公開した。資料「空虚な問答」を読み、ロールプレイを学習活動に取り入れて、相手を思いやる言動をとろうとする意欲・態度の育成を目指した。

　資料「空虚な問答」は、朝の混雑した電車内で、ボックスシートに荷物を置いて占拠している男子生徒たちに対し、居合わせた中年男性が声を荒げて席を譲るよう注意した。生徒たちは無言で席を立ったが、その場には後味の悪い空気感が残ったという内容。

　指導案をみると、中山教諭はこの学習を、学習スタイル「創造」に位置付け、指導方法の工夫の一つとして、ロールプレイを通し、道徳的行為に関する体験的な学習を導入した。

　「人間関係を円滑にできる言葉があることに気づき、相手を思いやる広い心が感じられる言動をとろうとする実践意欲・態度を育てる」ことをねらいに、授業を展開した。

　授業では、生徒たちが、資料で登場する中年男性について、「言っていることは正しいけれども、もっと言い方があった」と感じたことに着目し、テーマを「言い方ってあるよね…」と設定した。

　「では、どう言えば良かった？」との中山教諭の発問に、生徒たちは声のトーンや表情に気を付けること、相手やその場に居合わせた人たちの気持ちを考えることを挙げた。

　これらの意見を踏まえ、身近な生活場面を演じて「言い方」を考えるロールプレイを行った。

　場面設定は、部活動で先輩が後輩の駄目な点を注意しながらも、「部活動をもっと頑張ってほしい」という気持ちを伝えるもの。

　グループごとに、先輩が部活動に遅刻してきた後輩を叱るなどと具体的な場面を考えて演技＝写真＝。相手に不快な思いをさせずに自分の思いを伝える「言い方」を工夫するロールプレイを通して、相手を思いやる言動をとることの大切さを実感した。

　授業別分科会では、今回の授業に対して、参加者から、「ロールプレイの有効性が分かった」「生徒が活動する道徳。他人事ではなく、自分のこととして考えていた」などの感想や、「ロールプレイのあと、グループでの交流があれば、より深まったのでは」などの意見が寄せられた。

(関係団体 2016-10-28付)