普通科高校の質向上へ 全普高総会・研究協議会道大会開く(関係団体 2016-11-07付)
全国から約500人が参加し研鑚を深めた
全国普通科高校長会の第六十六回総会・研究協議会北海道大会が一、二日の二日間、札幌市民ホールで開かれた。全国各地から約五百人の校長が参集。教育改革の大きなうねりの中、大会テーマ「今後の普通科教育の在り方~これからの時代に求められる資質・能力の育成を目指して」のもと、普通科高校の質の向上に向け、情報を交換し、議論を深めた。
初日、開会式に先立ち、アトラクションとして、全国大会に数多く出場し、コンクール以外にも演奏会など幅広く活動する札幌旭丘高校合唱部が全国大会の課題曲など三曲を披露。すがすがしい歌声が会場に響き渡った。
開会式=写真=であいさつに立った小島晶夫大会委員長(札幌西高校長)は、学習指導要領改訂や高大接続改革など、教育改革の方向性が次第に明らかになる中、「全国の会員の皆さんが一堂に会し、これからの普通科教育の在り方について、情報を交換し、協議を重ね、研修することは極めて意義深く、時宜を得たもの」との考えを示した。その上で、「研究協議は、二日間とも全体会の形式で行うこととした。活発な協議を期待する」と呼びかけた。
続いて、全国普通科高校長会の宮本久也理事長(東京都立西高校長)があいさつ。「多くの学校では、これまで以上に教育改革に対する関心が高まっているように感じられる。同時に、改革の実施はまだ先だという思いで関心が低い学校もあり、学校間、教員間での意識の差が相当大きいということも実感している」との認識を示した。
「新たな大学入試制度のもとで、大学を受験する生徒が入学してくるまで、あと一年四ヵ月しかない。改革の方向性は、まだまだ不透明なところがあるが、大まかな方向性はみえつつある。先を見据えながら、今できるところから準備を進めることが大切であり、そのためには、活発な情報交換によって正確な情報や先進事例等を収集することが不可欠である」と強調した。
「本大会は、教育改革の大きなうねりの中で開催される。多くの校長との積極的な情報交換を通して、一人ひとりがその成果をもち帰り、自校の学校経営や教育活動に生かし、普通科高校の質の向上につなげていただきたい」と述べた。
文部科学省初等中等教育局の藤原誠局長(代読・初等中等教育局初等中等教育企画課主任視学官・高校教育改革プロジェクトチーム総括リーダー・今井裕一氏)、道教委の菅原行彦教育指導監、札幌市の秋元克広市長が祝辞。「子どもたちに社会で自立していくために必要な真の学ぶ力を身に付けさせなければならない。そのためには、教育行政がその責任を果たし、各教育現場において学校や家庭、地域の方々の参画を得て、地域の総合力を発揮していただくことが不可欠である」(藤原局長)、「高校教育においては、本道の状況を踏まえ、地域医療を支える人材やグローバル化に対応する人材を育成する取組のほか、ICTを活用した教育活動や教員研修など、より充実した教育を目指し検討を行っている。今回交流される実践等が全国の高校の教育活動の一層の充実につながっていくことを期待する」(菅原教育指導監)、「本市では、自立した札幌人を掲げ、ふるさと札幌を心にもち、互いの立場と人権を尊重し合い、豊かな創造力を発揮しながら、世界を舞台に活躍できる人間形成を目指している。本大会は、多くのことを学ぶよい機会になるものと期待している」(秋元市長)などと述べ、大会の成果に期待を寄せた。
このあと、総会を開き、二十八年度の事業計画・予算等を決めた。
引き続き、「高大接続改革のこれまでの動向と今後の展開」をテーマに、文科省高校教育改革PTの今井総括リーダーが講話。
午後の協議を前に、高文連の大会で賞を数多く獲得し、石狩市の地域イベントでの演奏など活動の輪を広げる石狩翔陽高校石狩太鼓局が「和」を披露。元気で明るい和太鼓の響きが会場を満たした。
このあと、知床博物館元館長の中川元氏が「野生動物と共生する地域づくり~世界遺産知床の取り組みから」と題して記念講演。知床で展開される野生動物と人との共生を目指した取組を通し、持続可能な社会づくりについて話した。
続く、研究協議では三つのブロックから発表。このうち、北海道ブロックからは、根室高校の田尻勝敏校長が「これからの時代に求められる資質・能力を育む普通科教育の在り方~グローバル化に対応できる人材を求めて」をテーマに実践発表した。
二日目の研究協議では、管理運営、教育課程、生徒指導、大学入試の四つの研究委員会から発表。普通科高校の質の向上に向け、研鑚を深めた。
(関係団体 2016-11-07付)
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