資質・専門性向上へ研鑚　北私幼・札私幼が教育研究大会

（関係団体 2016-11-08付）

関係者約１５００人が参加

　第五十九回道私立幼稚園研究大会札幌ブロック大会・第四十八回札幌市私立幼稚園教育研究大会が十月二十八日から二日間、札幌市内幼稚園二十二園と札幌市民ホールで開かれた。大会テーマは「人生のスタートにこそ良質な教育を」。公開保育や講演などを通して、幼稚園教員としての資質と専門性の向上を図った。

　大会は、道私立幼稚園協会（＝北私幼）と札幌市私立幼稚園連合会（＝札私幼）が主催。全体会のほかに、全道で五つのブロックごとに開催しており、今回で十回目となる。今回は、札幌市幼児教育センター事業地域公開保育も兼ねて行われた。

　幼児教育の果たす役割がますます重要になっていることを踏まえ、二十八・二十九年度の新たな教育研究主題「人生のスタートにこそ良質な教育を～保育臨床の視点を大切に、保育の質を問いつづけよう」のもと、子どもを真摯にみつめ理解しようとする保育臨床の視点から、子どものより良い育ちについて保育者同士が語り合い、思いを共有した。

　初日は、札幌市内の幼稚園二十二園（私立二十園・市立二園）で保育の充実に視点を当てた公開保育を実施。さらに、幼児の主体性を促す環境や教師の援助、学びの連続性を踏まえた幼・小連携の在り方などをテーマとした分科会を行い、各園の実践を交流した。

　二日目は、札幌市民ホールを会場に、私立幼稚園教員など関係者一千五百人余りが参加し、全体会を開催＝写真＝。開会式であいさつした大会長で札私幼の前田元照会長は「子どもたちが元気いっぱい、笑顔で幼稚園生活を送っている姿を見ていると、先生たちの努力がひしひしと感じられる」と参加者に感謝の意を示しながら、「きょうは学びをしっかりと深め、今後の取組につなげていただきたい」と述べ、大会の成果に期待を込めた。

　続いて、北私幼の川畠教孝会長があいさつ。「子どもたちは先生方の力でどんな色にも染まる。研究大会を通して、保護者、社会が求める色を見つけていただきたい」と呼びかけた。

　次いで、来賓各氏が祝辞。札幌市の町田隆敏副市長は「本市の幼児教育の主体を担う私立幼稚園・認定こども園の皆さんと連携をさらに充実させながら、札幌市の幼児教育水準の一層の向上を図っていきたい」、札幌市私立幼稚園ＰＴＡ連合会の小林邦章会長は「幼児教育の充実を目的に昨年度から“ＳＳ（スタートストロング）運動”を展開している。私たちの運動が幼児教育の現場の充実につながり、先生方に何かしらの波及効果があればいいと考えている」などと述べた。

　開会行事に続いて、西南学院大学児童教育学科の門田理世教授が「保育環境から捉えなおす乳幼児期にふさわしい保育実践について」をテーマに基調講演。写真をもとに保育環境の質を評価する方法「ＰＥＭＱ（Ｐｈｏｔｏ　Ｅｖａｌｕａｔｉｏｎ　Ｍｅｔｈｏｄ　Ｑｕａｌｉｔｙ）」について解説。幼児期における教育について、幼児期の特性を踏まえ、「環境を通して行うことが基本」などと呼びかけた。

(関係団体 2016-11-08付)