環境と援助の工夫紹介　札幌市中央幼が保育公開

（関係団体 2016-11-08付）

３・４・５歳児の保育

　第五十九回道私立幼稚園研究大会札幌ブロック大会・第四十八回札幌市私立幼稚園教育研究大会の公開保育のうち、札幌市立中央幼稚園（千葉理恵子園長）では三・四・五歳児の保育を公開した＝写真＝。研究主題に「“しなやかな心と体”を育む環境の構成と教師の援助」を掲げ、進んで体を動かしながら、試行錯誤や葛藤体験を通して柔軟な心と体の動きを身に付ける幼児の姿を追究すべく、重ねてきた実践の成果を公開した。

　同園では研究を支える視点として、①幼児が「やってみたい！」と心が動いたことに向かって、自分で実現しながら遊ぶための環境の構成と教師の援助②幼児が遊びを通して幼児期に必要な体の動きを身に付け、進んで体を動かして遊ぼうとするための環境の構成と教師の援助③幼児が様々な場面で試行錯誤や葛藤体験をし、自分で気持ちを切り替えて乗り越えようとしていくための環境の構成と教師の援助―の三点を設けている。

　保育公開に当たり、三歳児は「教師や友達とふれあいながら自分の好きな遊びを楽しむ」、四歳児は「自分の思いやイメージをもちながら友達と一緒に遊ぶことを楽しむ」、五歳児は「友達と共通の目的に向かって力を合わせながら遊ぶ楽しさを感じる」をそれぞれねらいとした。

　三歳児はハロウィーンをイメージしたごっこ遊びを展開。道具をつくる際、必要な教材を準備した上で、「何がいるのかな？」と投げかけ、好奇心をもたせながら友達と一緒に遊ぶ喜びを実感できるよう働きかけた。

　四歳児は、動物やヒーローになりきってごっこ遊びを楽しんだ。教師は巧技台などを使い、遊びのイメージが具現化しやすくなるような場を用意。また、友達の状況を伝えて幼児同士の豊かなかかわりを引き出した。

　五歳児は、サッカーやドッジボールなどで体を動かす楽しさを味わった。「ナイスキーパー」「いいね」といった肯定的な声かけによって互いの頑張りを認め合える雰囲気をつくり、チーム間で意見がぶつかったときは自分たちで折り合いを付けることができるよう促した。

　このあと、研究発表を実施したほか、札幌大学学生相談室専門員の前野紀惠子氏が講演。遊びの発達に応じた教師のかかわりなどについてアドバイスを行った。

(関係団体 2016-11-08付)