意欲的に学ぶ民主教育を　第６６次合同教研全道集会開く―北教組・道私教協

（関係団体 2016-11-08付）

開会あいさつに立った信岡委員長は「教え子を再び戦場に送ることがないよう、さらなる前進の場にしていこう」と訴えた

　【旭川発】北教組（信岡聡中央執行委員長）と道私教協（川又英弘執行委員長）は十月二十八日から三日間、富良野文化会館などを会場に、第六十六次合同教育研究全道集会を開催した＝写真＝。全道から約五百人が参加し、教育実践セミナーや記念講演、分科会を通し、スローガンの実現に向け研鑚を積んだ。あいさつに立った信岡委員長は「教え子を再び戦場に送ることがないよう、さらなる前進の場にしていこう」と訴えた。

　集会のスローガンは、「平和を守り真実をつらぬく民主教育の確立～教え子を再び戦場に送るな」。

　開会あいさつでは、北教組の信岡中央執行委員長と、道私教協の川又執行委員長、北教組上川支部の安田朋樹支部長があいさつした。

　信岡中央執行委員長は「五人に一人の子どもが貧困に陥り、学ぶ権利や教育の機会均等が損なわれている。子どもの未来を守り、子どもたちが意欲的に学ぶことができるよう、民主教育の確立が今こそ求められている」と指摘。「学校は子どもたち一人ひとりが夢や希望を胸に主権者の自覚をもつ場でなくてはならず、学習権や生存権が保障されなくてはならない」と指摘した。

　「合同教育研究集会では、それぞれがもち寄った実践を交流し、平和を希求する主権者を育てていくなどの方向性を確認し、教え子を再び戦場に送ることがないよう、さらなる前進の場にしていこう」と訴えた。

　川又執行委員長は、若年層を取り巻く雇用環境が悪化しつつある現状に危機感を示した上で、「国の政策は貧困を拡大させ、戦争する国づくりに加担するものとなっている」と主張。「一人ひとりが真実を伝えていくことが大切。その役割を皆さんが担ってほしい」と呼びかけた。

　安田支部長は「子どもや教職員を取り巻く情勢は厳しい。それぞれが団結して平和を守る民主教育の確立に向け、粘り強い運動をしていく必要がある。集会では、皆さんの教育実践を討議し、成果を全道へと拡大させていければ」と述べた。

　このあと、来賓あいさつや基調報告、教育実践セミナー、記念講演を行った。

　セミナーでは「改悪〝学習指導要領〟に対峙し、学校改革・自主編成をすすめるために」「文部科学省〝特別支援教育〟による分離・別学を許さず、共生・共学のとりくみをすすめるために」「アイヌ民族の現状を学び、人権教育を進めるために」をテーマに研修した。

　記念講演では、明治学院大学教授で小説家の高橋源一郎氏が「子どもと学校～教えることと学ぶこと」と題して講演した。

　二日目と三日目は富良野市立富良野小学校、市立富良野西中学校で分科会を実施。平和・人権・民主主義・共生と共学・教育運動などの観点から、それぞれの実践を交流した。

　このほか、二日目には市内のふれあいセンターを会場に「青年のつどい」を行った。自主編成運動などについて議論を深めた。

(関係団体 2016-11-08付)