夕張高校創立８０周年記念式典　地域と一体へ決意新た　２５０人出席し節目祝う

（学校 2016-11-17付）

今校長が式辞に立ち、「今後も、未来ある生徒を育てていきたい」と述べた

　【岩見沢発】夕張高校（今勉校長）創立八十周年記念式典が十月下旬、同校で執り行われた＝写真＝。生徒、同窓生ら約二百五十人が出席。市内唯一の高校として、地域と一体となった教育を推進し、新たな飛躍を期すことを誓った。

　同校は昭和十一年、夕張家政高等女学校として開校。昭和十五年に夕張高等女学校、昭和二十三年に夕張市立高校、昭和二十五年に夕張東高校、昭和二十六年に夕張南高校を経て、平成四年から夕張高となり、現在に至る。

　これまでの卒業生は一万五千七百二十六人。校訓の「研鑚、自主、礼儀」の精神のもと、政治・経済・文化の各分野で活躍する人材を育成してきた。

　式辞に立った今校長は「かつて、炭鉱事故によって多くの生徒の家族の尊い命を失ったが、悲しみの中で助け合うことで、人々の結び付きや絆が深い地域となった。同校を今日までつないでくれた方々に感謝するとともに、今後も、未来ある生徒を育てていただきたい」と述べた。

　創立八十周年記念協賛会の角田浩晃会長は「閉校した七つの高校の同窓生の力を借りて夕張高を地域の学校として支え、九十周年、百周年と伝統を築きたい」とあいさつした。

　来賓祝辞では、道教委の橋場弘之委員、鈴木直道夕張市長が登壇。橋場委員は「平成四年に市内高校が統合し、現在の校名となった。新たな歴史を築いていこうという気持ちをもち、これまで以上に充実した学校生活を送るよう期待する」と生徒に呼びかけた。

　鈴木市長は「財政破綻後十年を振り返り、地域再生に資する計画の柱の一つが夕張高の魅力化。今すぐ市全体で連携していかなくてはならない」と強調した。

　続いて、歴代校長、永年勤続職員を表彰。四十五年間勤務し、本年度退職する業務主任の大嶌緑氏には、特別表彰が授与された。

　また、生徒代表として生徒会長の佐藤舞奈香さんがあいさつ。「小規模校だからこそできることがある。学校祭での三学年合同の演劇、体育祭での三学年混合縦割りチームなど、学年を超えて、これまで以上に親密になれた。高校は私たちのためにだけあるのではなく、地域のものでもある。同窓生の母校は夕張高しかない。これからも私たちの母校であり続け、今後もずっとこの地域にあり続けることを強く願う」と述べ、地域に貢献できる人材になることを誓った。

　式典終了後、八十周年を振り返るスライドを上映し、夕張市内にあった七高校の校歌が流れた。同窓生はかつての学び舎の思い出に浸り、母校の校歌を口ずさむＰＴＡ役員の姿もあった。

　最後に校歌「我が人生の牧場なり」を全員で斉唱した。式典後、ゆうばりホテルシューパロで祝賀会を執り行った。

(学校 2016-11-17付)